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2020/07/17

Norikazu Iwai

売り上げは伸びたが__

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有観客で行われたG2第16回サマーナイトフェスティバル(いわき平競輪場)__清水裕友(山口105期)がG1全日本選抜競輪(豊橋競輪場)に続き、G2を初制覇した。新田祐大(福島90期)の強烈な捲りに切り替えて、直線で鋭く伸びた。ガールズケイリンフェスティバル2020は高木真備(東京106期)が児玉碧衣(福岡108期)の仕掛けに乗って、追い込んで優勝。高木はビッグレース3回目の優勝を果たしたことになるが、3回のうち2回がいわき平競輪場なので、高木にとっては相性の良いバンクということになる。

勝てば官軍とは古臭いが、男女の決勝を振り返ってみたい。清水は松浦悠士(広島98期)と連携し、番手回り。昨年のG1競輪祭から続く松浦と清水の交互作戦。G3レベルでは自力で勝っているが、ビッグレースとなると他力になる。期待しているからこそ清水には先行、捲りで頂点に立っていただきたいものだ。ガールズの高木にもやはり、自力勝負をして欲しかった。高木と言えば、それこそトップレベルの選手。児玉や小林優香(福岡106期)を相手に、逃げて勝ってくれることを願う。もちろん、プロである以上、勝たなければ意味はない。ましてや車券対象なのだから“キレイ事”は不要と、言われても致し方ない。ただ、今回は清水に関してはG2。清水も高木も華のある勝ち方を意識して欲しかった。

残念だったのが、脇本雄太(福井94期)だ。前走VのG1高松宮記念杯競輪(和歌山競輪場)の疲れなのか!?良いところなく終わってしまった。特に初日の特選は単騎ということもあり、後方で凡走。今の脇本ならどこからでも巻き返してくれると、信じていたファンにとっては言葉を失う結果になった。最終日は同県の後輩で売り出し中の寺崎浩平(福井117期)の番手から捲りで勝ったが、本来の脇本らしい力強さは見られなかった。そうは言っても、1年=365日、ズーッと、絶好調ではいられない。脇本も人の子と、思ったファンは多かったかも知れない。

新型コロナウイルスの影響により競輪業界は無観客が続いていた。しかし、サマーナイトフェスティバルは福島県内在住、抽選で1日=1,000人をまでの制限入場という条件ながらも有観客で行われた。ただ、3日間の総入場者数は2,000人を少し超えただけ。1日平均で700人も埋まっていなかったことになる。待ち望んでいたライブ観戦だが、この結果を見る限り、それ程までにファンは待ち望んでいなかったとも受け取れる。
抽選で入場可能が発表された時、倍率は何倍になるのかな?と、思っていたのだが、フタを開ければ定員割れ。売り上げは目標の45億円に対して、57億4,570万8,000円。目標を大幅に上回る結果に関係者は喜んでいたが、筆者の考えは違う。問題にしたいのは入場者数だ。確かに売り上げは伸びたが、ライブ観戦を渇望していたファンが少なかったことを関係者は真摯(しんし)に受け止めていただきたい。1日=1,000人を謳っていながら定員割れ。これをどう総括するのだろうか?筆者も正直、この入場者数にはショックを受けた。地域を限定したとは言え、あまりにも情けなさ過ぎる。見通しが立てられない程、この業界には人材がいないのか?もう少し世間の動きが分かる人間が対応しなければ他業界から笑われてしまう。
尚、8月のG1オールスター競輪(名古屋競輪場)は無観客で行われるらしい。G2でファンを入れているのだから……コロナ対策を講じての条件付きにはなるだろうけれども、それこそ限定で1日=○○○人でも入れたら良いのに無観客だ。(民間ポータルサイト各社の顧客を特別観覧席へ招待という形では入れるようだが)
せっかくの流れを切らないためにも、今からでも良い、オールスターは有観客にすべきだ。

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