『森泉宏一の実況天国』Vol.88
筆者の昨年の車券成績を調べていましたら、競輪で自身初となる万車券を取ったことが記録されておりました(3月に100.5倍の車券が的中)。そのようないい思い出もあったなあと記録メモを眺めていると、ボートレースでは痛恨のミスがあったことも思い出してしまいました。
夏に、初めてとなる浜名湖ボートへ旅打ち。
2連単で60倍超えの的中を喜んでいましたら、マークシートのレース番号を塗り間違えてしまい、該当レースの次のレースを購入するミス。別に考えていた今年の目標を「凡ミスをしない」に訂正しました(苦笑)。
さて、前回のコラムでは、正月早々に江戸川ボートを訪れたと記しましたが、オートレースの現地観戦初めも済んでおります。
今月13日、川口開催の最終日に友人含め3人と現地へ行ってまいりました。
久々の現地観戦に心躍らせ、山田真弘(川口24期)選手出場のレースでは、今年初の万車券をゲット。
現地で取る万車券もまたオツなものでして、当該レースの最終周回では私より周りの友人達の方が、まるで自分ごとのようによく声が出ていました(笑)。
友人の一人は、ファンである本田仁恵(川口34期)選手のあっせんに合わせて休みを取ったそうですが(他の理由もあったそうですが、大方はこちらの理由だと推測)、直前であっせんが消去されて落ち込んでいました。
そこで私は彼に、
「本田選手の師匠である谷島俊行(川口25期)選手を買ってみては?」
と、提案。
彼は私の申し出に乗り、車券を購入。
すると、谷島選手は同ハンデでスタート力のある吉田幸司選手に対して先行!
その後も道中、粘って2着に入線。
見事に車券を取った友人はご満悦。その谷島選手は、その数日後の川口ナイトレースで弟子・本田選手と共に優出。そして自身13年ぶりの優勝を飾りました。
さて、この川口開催では、近況躍進が続く35期生も多く参戦。
伊東玲衣(川口35期)選手は2日目に1級車での初勝利をマーク。
そして、小椋華恋(川口35期)選手は、1月8日に行われた今年最初の川口ナイトレースで優勝戦進出。優勝戦では後続を寄せ付けないぶっちぎりの逃走劇を見せ、女子選手デビュー最速優勝(デビューから1年30日)を果たしました。
そして今、最も輝きを放つのは佐藤励(川口35期)選手。
2021年12月にデビューし、10カ月後のG2若獅子杯で早くも記念初タイトルを獲得。
しかも、2級車では史上最速の記念制覇というオマケつき。
さらに昨年は、11月の伊勢崎開催で上がりタイム3.358を記録。
そして走路改修を終えた地元・川口で3.350という驚異の上がりタイムを叩き出しました。しかも川口の2級車上がりタイムの新記録とのこと。
※全場での2級車レコードタイムは、チャリレンジャー(チャリ・ロトスポンサード選手)である荒尾聡(飯塚27期)選手がマークした3.332(2002年12月10日・伊勢崎)。ちなみに、佐藤選手が更新した川口レコードですが、それ以前の記録保持者も荒尾選手だったとのこと(荒尾選手もとんでもなく凄いですな………)。
佐藤励選手(写真:公益財団法人JKA)
佐藤選手は、現地観戦した当日は一般戦Aに登場。
そのレースでは、今月通算1,500勝を達成した篠崎実(川口9期)選手と対戦。
年齢差、実に51歳という注目の対決は、試走タイム3.29をマークした佐藤選手が、道中先頭を走る篠崎選手を残り2周半で捲りきって勝利。こういう年齢差、若手と超が付くベテランとの対決が見られるのも公営競技の面白さの一つでもあります。
2級車とは思えないスピードを繰り出すなど、その才能が注目される佐藤選手。
そんな佐藤選手を見ながら、
「青山周平(伊勢崎31期)選手や鈴木圭一郎(浜松32期)選手が出てきた頃はどんな感じだったのだろう」
と、思いを巡らせました。
2人がデビューした頃、私はまだオートレースにのめり込んでおらず(というより、数名のスター選手の名前は知っているというレベル)、彼らが若い頃の走りっぷりをこの目で見ていないのです。
いわゆる「10年に1人の逸材」であった2人の選手。
青山選手はデビューからいきなりの12連勝。そしてデビュー史上最速優勝(35日)&完全優勝(史上初)。その後デビュー最短記録でのG1制覇(1年8カ月)という離れ業を演じました。
先日、2022年のオートレース最優秀選手賞に選ばれた鈴木選手は2013年7月にデビュー。
2016年には史上最年少でのG1優勝。さらに同じ年の秋にはSG全日本選抜オートレースで、早くもSG初制覇。こちらも史上最年少でSG優勝(21歳10カ月11日)。そして、デビュー最短SG優勝記録まで更新(デビューから3年3カ月6日)。
そこから、翌月の全日本選手権、年末のスーパースター王座決定戦、翌年のオールスターとSG4連続優勝という大記録を成し遂げました。
調べて記しているだけでも、鳥肌ものです。
今の時代、某有名動画サイトで検索すれば、当時のレース映像というのは簡単に出てくるのですが(これがとても有難いのです)、当時の選手相場やトレンド、雰囲気といったリアルタイムでしか感じられないものを味わってこそ、「凄い新人が出てきた!」という高揚感は得られないのです。
「この選手、どんな成長曲線を描くんだ!?」
という気持ちの昂りを、佐藤選手で味わってみたいものです。
誰も成し遂げていない2級車での最重ハンデを目の当たりにする日が来たら、間違いなく今までにない気持ちを味わえることでしょう。残り数カ月の2級車ライフに注目です!
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