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2023/10/10

木三原さくら

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

木三原さくら「恋して競輪ハンター」142 Hunting

松戸競輪場にて10月2日から行われたG1『オールガールズクラシック』。平日にも関わらず、たくさんのファンが駆けつけ、最終日まで選手たちに熱い声援が送られました。

オールガールズクラシックは、東西の新聞社でのPR活動にも同行し、開催の少し前から本番まで、たくさんの人の思いを聞いてきました。普段だと、特別競輪の開催が始まって、車券を買っているうちに、その開催のドラマを感じて気分が高まっていくのですが、このオールガールズクラシックについては、少し違いました。ガールズケイリンの歴史を振り返ると共に、そのドラマが始まっていくのを、今か今かと待っていました。楽しみな気持ちと共に、いつもにはない「責任」を感じていました。
と、言っても、私は普段通りのチャリチャンを担当するわけで、特に特別な責務を負うわけではありません。きっと同行したみなさんの「必ず成功させて、ガールズケイリンをさらに盛り上げていくぞ」という思いが伝染し、勝手にそれを背負う一員としての気持ちが芽生えていたのだと思います。

前半は3つのグループに分かれたトーナメントで、後半からG1が始まるというレースプログラムの今大会。
ドラマは、たくさんありました。
その中の一つ、地元の刈込奈那選手の優勝__。
初日の1R・1番車が、地元の刈込奈那選手と知ったとき、「特別競輪の1R・1番車」というポジションが、ガールズケイリンにもあるんだと感じました。デビューから徹底先行で頑張る刈込選手。オープニングレースで、力強く駆け抜ける姿から、この大会が始まったのを見た時、もうすでに、涙が出そうでした。そんな刈込選手が、3日間先行して、なんと初優勝! 初日こらえた涙でしたが、もう止めることはできません。泣きながらの優勝インタビューには、もらい泣きしたファンも多かったのではないでしょうか。最後に、「また先行できるように頑張ります」と話したところが、刈込選手らしくて微笑ましかったです。

刈込奈那
地元で初優勝の刈込奈那選手(千葉120期)

たくさんのドラマのオーラス。初代オールガールズクラシックの女王に輝いたのは、佐藤水菜選手でした。圧巻の走りで文句なしの優勝です。33バンクで行われたガールズケイリンということで、初日から前々にいないと厳しい中、佐藤選手は決勝で捲りを選択。前の選手が先捲りを打っても、その上を超えていってしまうスピードの違いを感じる走りでした。

佐藤水菜
初代女王に輝いた佐藤水菜選手(神奈川114期)

勝利者インタビューでは、連日、複雑な表情の中、最終日には満面の笑顔がありました。人気を背負って、また日の丸を背負って負けられない戦いを、しっかり勝ち切れたことで、安堵と共に「サトミナスマイル」が見られたようです。

3日間の激戦は、初手の位置取りや周回中から、各選手の思惑が感じられて、36レースすべてが面白かったです。ガールズケイリンって、こんなに面白いんだ!と、これまで以上に、ガールズケイリンの魅力を感じた3日間でした。ガールズグランプリの枠が2人決まって、残る枠はあと5つ。「競輪祭女子王座戦」と新たに名前を変え、11月の競輪祭でもガールズG1が開催されます。白熱の戦いを、これからも追いかけていきたいです!

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【恋して競輪ハンター・過去コラム】
141Hunting「本命選手にかかるプレッシャー」
140Hunting「競輪は初手」
139Hunting「追いかける優勝車券」
138Hunting「S級ミッドナイト」
137Hunting「何でもできる強さ」
136Hunting「J.Y&K.W」
135Hunting「若手だけどの面白さ」
134Hunting「ルーキーシリーズを見て」
133Hunting「軽やかにダービー王」
132Hunting「偏食しない自由な車券」

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。
好きな選手のタイプは徹底先行!
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。

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