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2023/12/07

森泉宏一

『森泉宏一の実況天国』Vol.101

『森泉宏一の実況天国』Vol.101

1月上旬に青山周平選手(伊勢崎31期)が制したG1シルクカップ(伊勢崎オート)から始まった、2023年の記念戦線。
それも残すところ、あと1カ月を切りました。
師走に入る=(イコール)オートレースを愛する皆さんがソワソワする合図でもあります。

年末に開催される「スーパースター王座決定戦」。
そして「スーパースターガールズ王座決定戦」。

このふたつのビッグイベントに向け、否が応でも高揚感が増す年の瀬となるのです。
この気持ちの昂まりを、さらに後押しするため、当コラムでも毎年恒例となりました、スーパースター王座決定戦トライアルに出場する16選手の紹介記事を前編・後編の2回に分けてお届けいたします!

前編となる今回紹介するのは、SG覇者(2名)、各レース場1位選手(3名)、SG・プレミアムカップ優勝戦得点1位から3位(3名)。

まずは敬意を表して、SG覇者からのご紹介です。

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【鈴木圭一郎選手(浜松32期)】
9年連続9回目の出場

鈴木圭一郎

昨年大会のチャンピオン。今年はSG全日本選抜オートレース、SGオールスターオートレースと、今年の最初と2番目の開催となるSGを連続優勝を飾る最高の滑り出しとなりました。
夏に開催されたオートレースグランプリでも優勝戦進出。優勝戦後にケガが発覚し、約1カ月半の欠場が続きました。10月に地元・浜松G2戦で復帰しましたが、その間にスタートの切り方の研究に没頭したとのこと。
そして復帰戦では、G2に格上げされたタイトル戦でいきなり初代王者に輝くなど、ブランクを全く感じさせない走りを披露。「いつもの圭一郎が帰ってきた」とファンを安堵させました。
復帰後はSG、G1、G2と記念戦線のみの斡旋となっていましたが、4開催中3度の優出。うち2回の優勝(11月末時点)先月開催されたSG日本選手権は、いの一番に枠番を選択できる権利を持っていましたが、改良中にスタートのこともあったとのことで、5枠を選択しての2着。敗れた相手は青山周平選手。
王座決定戦で対戦する可能性が大いにある両者。
連覇か、奪還か。

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【青山周平選手(伊勢崎31期)】
11年連続11回目の出場

青山周平

スーパースター王座決定戦は、かつて3連覇の偉業を成し遂げたこともある青山選手。
今年はSGオートレースグランプリ、SG日本選手権オートレースと、2度のSG制覇。2023年4つのSGタイトルを、鈴木圭一郎選手と分け合うこととなりました。
最内1枠で挑んだ日本選手権優勝戦では、3枠の永井大介選手(川口25期)に先行を許す展開に。鈴木圭一郎選手のスタートまでは凌いだものの、1周バックストレッチでは有吉辰也選手(飯塚25期)にも一瞬狙われるシーンも。しかし、そこを凌ぐと、すぐに永井選手を捌きトップへ。10周回を押し切り、見事SG14冠目、ダービー連覇という栄光に輝きました。
近況では、飯塚G1での落車の状態が気になるところ。身体はもちろんのこと、年末まで残り1カ月というところでの競走車へのダメージは、いかほどか。
デビュー最速グランドスラマーは、2015年、2019年、2020年、2021年と過去4度のスーパースター王座に輝いています。昨年大会は1枠で臨んだ決定戦。スタートで飲み込まれてしまい、4連覇とはなりませんでしたが、今年5度目の制覇に期待がかかります。

続いて、各レース場1位選手(伊勢崎と浜松は、青山選手と鈴木選手がそれぞれ1位と重複)。

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【中村雅人選手(川口28期)】
17年連続17回目の出場

中村雅人

近況では11月の伊勢崎一般開催で優勝。
SG戦線では、日本選手権でシリーズ4勝を挙げたものの、悔やまれるのが3日目の勇み足(フライング)。そこまでの動き、さらには節間を通して、枠を問わず安定した走りを披露していただけに、もったいなかった。
確かな捌きは健在、信頼の厚さは依然として変わらないSGグランドスラマー。
スーパースター王座決定戦は2010年、2013年と過去2度制覇。

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【有吉辰也選手(飯塚25期)】
4年連続10回目の出場

有吉辰也

昨年大会は優勝した鈴木圭一郎選手のスタートに乗り、準優勝。
現ランクは青山周平、鈴木圭一郎に次ぐ「S3」にランクインされた有吉支部長。まさにオーバルの内外で飯塚を引っ張る存在。
今年はSG日本選手権、特別G1プレミアムカップなどで優出。G2、一般戦を含めて、5回の優勝を飾っています(11月末現在)。
日本選手権優勝戦では、レース序盤で3番手と好ポジションにつけると、残り5周半で2番手・永井大介選手のインを狙う。ここでは大きくバランスを崩して後退したものの、もしあのインに潜り込めていたら、道中の動き、そしてエンジン力を駆使して、トップ争いができたのではと思ったファンも少なくないでしょう。
そんな「もしかして……」と思わせる走りを披露。見せ場は、おおみそかに取っておいた__。そんな結末を期待したいところです。

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【松尾啓史選手(山陽26期)】
2年連続11回目の出場

松尾啓史

一時は、なかなか車券圏内ですら厳しい戦いも続いていた2023年シーズンでしたが、秋頃から徐々に上昇気配が漂うように。本来は、記念戦線での準決勝戦の突破が多く、ここぞで勝負強さを発揮する場面が多い。機力面でも波が少なく、常に高い水準を保てる選手で、特に冬場はその真価を発揮します。
昨年大会は王座決定戦のメンバー入り。レースでは序盤7番手あたりから追い上げを見せ3着に入り、3連単8万円超えという高配当を演出するという一幕もありました。

前編最後は、SG・プレミアムカップ優勝戦得点上位の3名。

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【金子大輔選手(浜松29期)】
2年ぶり14回目の出場

金子大輔

今年は2月のSG全日本選抜で準優勝、3月の特別G1で優出3着、4月のSGオールスターで優出5着、8月のSGオートレースGPで優出5着と、SG、特別G1では、ほぼファイナリストに名を連ねる安定感が光りました。
昨年は外からトライアルを見る大会となりましたが、そこで貯めたパワーを発揮するような2023年シーズン。
「SG・プレミアムカップ優勝戦得点上位」が示すように、今年は記念戦線でコンスタントに結果を残しているだけに、年末の大一番でも、その安定感を発揮してくれるのではないかと期待。

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【佐藤摩弥選手(川口31期)】
2年ぶり4回目の出場

佐藤摩弥

2年ぶりにトライアルの舞台に帰ってきた佐藤選手。今年はSG全日本選抜、オーススター、日本選手権と3度の優出。そして、何といっても地元・川口で開催されたキューポラ杯で自身初のG1優勝。女子レーサー初のG1タイトルという、オートレース界に新たな歴史を刻んだ年となりました。更に、オールスターでは準優勝と、いよいよSGタイトルかという期待を抱かせる走りを披露しています。
2年前のトライアルは、5日間全て着外という結果に終わった佐藤選手。今年の走りを見ていると、今回は前回以上の結果を残してくれるのではないかと期待が膨らむばかりです。

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【黒川京介選手(川口33期)】
2年ぶり2回目の出場

黒川京介

地元・川口を引っ張る若頭。持ち前のスタート力に加え、道中の安定感も増している印象。
近況は先月の飯塚G1で初日から4連勝を飾り、優勝戦メンバー入り。優勝戦は5着と敗れたものの、連勝中はスタートから道中の動きまで目を見張るものがありました。
2年ぶりのトライアル出場ですが、思い出されるのは一昨年大会。トライアル初出場ながら王座決定戦に進出。スタートからの序盤戦は持ち味のスタート力で見せ場を作るなど、大きなインパクトを与えました。近い将来、川口のNo.1を背負う姿を思い浮かべたファンも多いことでしょう。
今年はSGオートレースグランプリで優出。スタート巧者が名を連ねた優勝戦。自身も持ち味の先行力を発揮しようとしましたが、2コーナーで少し流れ気味に。それでも立て直すと、残り2周で鈴木宏和選手(浜松32期)を捉えての準優勝と意地を見せました。
初日から無傷の4連勝を飾った9月の特別G1でも準優勝。しかし、この時は1枠から序盤は耐えたものの、残り6周で青山周平選手に捉えられてのもの。
ビッグタイトルまであと一歩という印象をファンに与えているだけに、地元川口での大一番に期待したいところです。

後日、公開予定の後編もお楽しみに!

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