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2024/01/13

森泉宏一

『森泉宏一の実況天国』Vol.103

『森泉宏一の実況天国』Vol.103

はじめに。
先日、北陸地方を襲った地震により、各地で大きな被害が出ています。
多くの方が犠牲となり、心よりお見舞い申し上げます。
そして、被害に遭われた皆様の安全、1日も早い復興、平穏な生活が戻られることをお祈りいたします。

筆者は、高校時代に富山県に住んでいました。高校入学から卒業までの3年間を北陸・富山の地で過ごしてきました。そういったこともあり、第2の故郷でもある北陸地方の惨状に、心が痛むばかりです。

そして、今も弟夫婦や祖母、親戚や友人が富山県に住んでいます。皆、大きな被害はなかったものの、不安な日々を過ごしているそうです。友人のひとりは、地震後に実家近くにある富山競輪場の駐車場に避難したとのこと。最終的に、富山競輪場は避難所にはならなかったものの、公営競技場という大きな敷地が、災害時に一役買った形となりました。

地震と公営競技で思い出されるのは、熊本地震での熊本競輪場です。
2016年4月に発生した地震によって、観客席の損傷、バンクにヒビが入るなど大きな被害が出ました。
被害の大きさなどから、一時は競輪場の廃止まで議論されたそうですが、その後、再開が決定。
2024年度中に再開予定で、再建後は500mから400mバンクに変わるそうです。
そして、今回のバンクの縮小によって生まれた空いた土地には、災害対応、地域貢献やアマチュアスポーツの振興などで活用されるとのことで、8年越しのレースを待ち望むファンの皆様、そして選手の皆様の辛抱も、あと少しという状況です。

話は変わりますが、今年、2024年は、全国で多くのサッカー専用スタジアムがオープンします。

広島、金沢、長崎。

最近のスタジアム建設は、「まちなかスタジアム」として、街の賑わいを創出する役割も期待されており、ただサッカーを観る・プレイするだけでなく、試合がない日でも、人が集まる場所にすることで、稼働率を上げることを意識した造りとなっています。
そしてもうひとつは、災害時の避難施設、備蓄品の倉庫としての役割も担っているということです。
これは、公営競技場でも、ぜひ広まってほしいところです。すでに新築、リニューアルされたレース場では、防災時を意識した施設にもなっているそうですが、より広まってほしいと思います。

前述した熊本競輪場も、防災拠点を念頭においた改修を行っているそうです。
熊本競輪に関しては、防災拠点として再開されることで、復興のシンボルになり得ると言われています。

オートレース、競馬、競輪、ボートレース。
この4競技、地図を広げてみると、全国のさまざまな地域に点在していることが分かります。
売上による地域貢献、そして何かが起きた時のための施設であることで、地域に貢献。
それが地域に愛されるレース場になっていき、結果として、多くの人にとって、なくてはならない存在になるのではないかと考えます。

※掲載写真は過去に撮影したイメージです。

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