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2024/02/05

木三原さくら

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

木三原さくら「恋して競輪ハンター」150 Hunting

前回のコラムで、時が経つのが遅いなんて言っていたら、あっという間に1月が終わってしまいました。
振り返ると、1月は32回の生放送に出演していました。10レースにならして計算してみても、ざっと320レースは見たことになります。いや~、たくさん見ましたね(笑)。そして、たくさん買いました。奇跡的に高配当の的中もあったので、久しぶりに月額の回収率も100%を超えることができ、嬉しいというより、ホッとしています。『負けない競輪』が、私の長生きのコツです(笑)。

さて、これだけレースを見て買っていると、過去のレースがどのようなものだったか、忘れてしまったレースの方が多いというのが、正直なところです。しかし、それでも印象に残るレース、選手の走りはいくつもあります。このコラムのテーマになりそうな、レースや選手を頭の中にストックし、どれにしようかなあと思いながら、日々、新しいレースを見ているわけですが、最後の最後で、そのストックを一気に吹っ飛ばすような強烈なレースがやってきました。

それは、1月31日。平塚競輪で行われたF1デイレースのS級決勝戦__。
地元・北井佑季選手の先行逃げ切り優勝です。
前を受けた北井選手が、まず残り2周で松本秀之介選手をつっぱり、再び仕掛けてきたところも突っ張った残り1周。狙いすましたかのように、関東ラインのカマシが飛んできます。「これはもう関東だ」と思いながらレースを見ていました。しかし、北井選手はそのカマシも合わせ切り、番手に続いていた東口善朋選手も寄せ付けず、押し切っての優勝。信じられない強さでした。
場内は、平日の昼開催にも関わらず、たくさんのファン。レース前から飛び交う熱い声援。いつもだと、この声援が周回を重ねる度に高まっていくはずなのに、このレースは、少し違ったような気がしました。関東の仕掛けに瞬間的にあがったボルテージは、バックストレッチでは、「嘘だろ」「まじかよ」という困惑混じりのどよめきとなり、帰ってきた最終ホームでハッと気づいたかのように、再び場内が沸いて、それぞれがゴールめがけて駆け抜ける選手に声を飛ばしていました。アクシデントのないレースで、場内にどよめきと歓声が入り混じるのは不思議な感覚でした。

私はというと、北井選手の前受けから捲りの展開で考えて、ラインワンツーは持っていなかったのですが、何の文句もありません。ぐうの音すらでません。すごいレースを見られた感動と幸福感が、カラになったお財布と心を満たしてくれています。北井選手のその走りは、出場していたどの選手の車券を買っていたとしても、納得せざるを得ない、まさに異次元の強さでした。
北井選手の次走は、2月の全日本選抜競輪(G1)。6度目のG1参戦で、南関東を引き連れてのレースが、ますます楽しみになりました!

北井佑季

時々、車券は外しているのに、レース後、幸せな気持ちで満たされることがあります。きっとこれが、「いいレース」を見たときに起きる現象なんでしょうね。当たった、外れたという競輪の醍醐味をも二の次にしてしまうほど、心を満たすレースがある。そんなレースに出会えるチャンスが、日々、朝から晩まであるというのも幸せですね。
明日は、どんな出会いがあるでしょうか?
飽きることのない競輪の魅力を、2月も楽しみたいですね!

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【恋して競輪ハンター・過去コラム】
149Hunting「2024年万車券初め」
148Hunting「広島記念で帯チャレンジ」
147Hunting「玉野競輪初のS級ミッドナイト」
146Hunting「この涙を忘れない」
145Hunting「並びの思惑」
144Hunting「都築巧選手の完全優勝」
143Hunting「私たちのオールガールズクラシック」
142Hunting「オールガールズクラシックG1を終えて」
141Hunting「本命選手にかかるプレッシャー」
140Hunting「競輪は初手」

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。
好きな選手のタイプは徹底先行!
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。

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