ツアー・オブ・ジャパン2023第6ステージ
ツアー・オブ・ジャパン2023の大会6日目は、総合優勝争いを大きく左右する富士山ステージを迎えた。
このコースには、富士山5号目に向かうルートの中で、もっとも勾配のきつい「ふじあざみライン」を使用する。非常に厳しいコースを使用することから、大きなタイム差が付きやすく、例年このステージを制するものが、そのまま大会の総合優勝となっている非常に重要なステージだ。
近年は、近郊からスタートし、ロードレース的なパートを経てから登坂に向かっていたが、今年は全⻑11.4kmのヒルクライムパートのみの構成となった。前日の信州飯田ステージで、総合優勝争いは予想外のタイム差に広がっている。上位勢は、富士山ステージをどのように走るだろうか。
今年はシンプルなヒルクライムのみとなった富士山ステージ
晴天に恵まれ、富士山がくっきりと姿を現した
スタートラインには、昨日、個人総合首位となった岡篤志(JCLチーム右京)がグリーンのリーダージャージを着て、最前列に並んだ。ポイント賞のブルージャージは、ルーク・ランパーティー(トリニティレーシグ)、山岳賞のレッドジャージは兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)、新人賞はこの日もランキング2位のリアム・ジョンストン(トリニティ・レーシング)が繰り上げで着用した。
スタートラインに並ぶ4賞ジャージ
レースは早々からリーダージャージを擁する JCLチーム右京がコントロールし、慎重な滑り出しで スタートして行った。
あざみラインを走るメイン集団
快調な滑り出し
残り8km付近から始まるつづら折りのコーナーの連続が始まる地点から、ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)がペースアップ。一気に先頭集団が10名に絞り込まれた。この中には、ディフェンディングチャンピオンのネイサン・アール(JCL チーム右京)、山岳賞争いをしているレオネル・キンテロ・アルテアガ(ヴィクトワール広島)が含まれる。先頭集団は残り5.5km、「旧馬返し」と呼ばれるスポットで更にペースアップ、選手をふるい落として行った。
集団のペースが上がる
先頭集団はアール、ベンジャミ・プラデス(JCLチーム右京)、ダイボール、ドリュー・モレ(キナンレーシングチーム)の4名に絞られる。この中から、残り5km地点でモレが脱落して、先頭は3名に。
ほどなく、先頭が絞り込まれる
続いてプラデスも脱落して、先頭は昨年の富士山ステージを1位、2位でフィニッシュしているアールとダイボールの2名に絞られた。
先頭を独走するネイサン・アール(JCLチーム右京)
残り3.5kmでアールが単独アタック。30秒のタイム差を付けて残り3kmに差し掛かり、完全に独走態勢に入った。残り1kmを切っても2人のタイム差は30秒のまま。
ガッツポーズでフィニッシュするアール。この優勝でグリーンジャージを手に入れた
独走のままアールがフィニッシュに飛び込んだ。アールが大きくタイム差を付け、ステージ優勝。2位にはダイボールが34秒差、3位にモレが1分19秒差で入っている。
タイム差がつきやすい富士山ステージであるが、アールは、前日までの総合タイム差2分44秒をひっくり返し、一気にランキングトップに立ち、グリーンジャージを手に入れた。
大差をつけた独走優勝で、グリーンジャージを手に入れたアール
アールは「チームで設定した目標であるTOJのこの表彰台に立てて本当に嬉しい」と喜びを語った。最後に東京でグリーンジャージを着るという目標のために「グリーンジャージを守るために、できることは何でもやります」と決意を語った。
笑顔の4賞ジャージ。グリーンジャージはアールの、新人賞ジャージはリアム・ジョンストン(トリニティレーシング)の手に移った
結果を受け、個人総合にも大きな動きが出た。個人総合2位は、富士山ステージ2位のダイボール。総合3位は、岡篤志で日本人トップとなった。山岳賞は今日も兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)が守った。新人賞ジャージは、リアム・ジョンストン(トリニティレーシング)の手に移っている。
キンテロが上位でフィニッシュし、この日はゴールに設定されていた山岳ポイントを積み増したが、兒島はまだ山岳賞を守っている。2名の差は3点であり、翌日の相模原ステージの結果次第では、入れ替わりもある戦況となった。
残すは2ステージのみ。個人総合1位と2位との差は47秒と、小さくない。最終ステージは平坦のショートステージであることから、逆転があるなら、第7ステージが事実上、最後のチャンスとなるだろう。連覇を目指すアールとJCLチーム右京は、翌日のステージをどのように走るのか、さらに注目が集まった。
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【結果】
ツアー・オブ・ジャパン 第6ステージ・富士山(11.4km)
1位/ネイサン・アール(JCLチーム右京)40分14秒
2位/ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)+34秒
3位/ドリュー・モレ(キナンレーシングチーム)+1分19秒
4位/ベンジャミ・プラデス(JCLチーム右京)+1分23秒
5位/小林海(マトリックスパワータグ)+2分4秒
【個人総合時間賞(グリーンジャージ)】
1位/ネイサン・アール(JCLチーム右京)
2位/ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)
3位/岡篤志(JCLチーム右京)
【個人総合ポイント賞(ブルージャージ)】
1位/ルーク・ランパーティー(トリニティレーシグ)72p
【個人総合新人賞(ホワイトジャージ)】
1位/リアム・ジョンストン(トリニティレーシング)
【個人総合山岳賞(レッドジャージ)】
1位/兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)29p
【チーム総合成績(第6ステージ終了時)】
1位/JCLチーム右京
画像提供:ツアー・オブ・ジャパン組織委員会
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ツアー・オブ・ジャパン2023レースレポート
第1ステージ・堺
第2ステージ・京都
第3ステージ・いなべ
第4ステージ・美濃
第5ステージ・信州飯田
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