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2023/12/14

P-Navi編集部

2023さいたまクリテリウム

2023さいたまクリテリウム

今年も、さいたま市の新都心エリアで「J:COM presents 2023ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム」が開催された。この大会は、世界最高峰のステージレース「ツール・ド・フランス」を冠とし、ツール・ド・フランスで活躍した選手を中心に世界のトップレーサーが来日し、日本人選手と共に、クリテリウムレースを走るというものだ。人気の大会であり、昨年は10万人を超える観客が来訪したという。早いもので9回目を数える今年は、市をあげての開催となっており、関連イベントも多く企画されていた。


今年も「ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム」が華やかに開催された ©Yuzuru SUNADA

豪華なスター選手たちが、今年もこの大会のために来日した。
一番の注目は、ツール・ド・フランスを2回制し、今年も個人総合2位ならびに新人賞(若手選手賞)を獲得した、タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)。頭角を現し始めたころに来日し、国内のレースを走ってはいるが、ツールを制するようになってからは、東京五輪に続き、2度目の来日。この大会には初参戦となる。


ツール・ド・フランスを2回制したタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)。参加した前日の交流会では無邪気な笑顔を見せた ©Yuzuru SUNADA

また、今年のツール・ド・フランスで山岳賞を獲得したジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)、2019年のツール・ド・フランスの勝者エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ)などのビックネームも来日。さらに日本にもファンの多いカリスマ選手が「ツール・ド・フランス・クリテリウムレジェンズチーム」というチームを編成し、参
戦することになった。メンバーは、2021年のツール・ド・フランスで電撃的な復活を遂げた愛すべきベテランスプリンター、マーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム)、世界3大ツールを制しながらも謙虚で、日本に多くのファンを持つクリストファー・フルーム(イスラエル・プレミアテック)、グランツール29回出場の「鉄人」アダム・ハンセン(WSA KTMグラズ・レオモ)。そして、代わるもののいない圧倒的な存在感を誇る超人気スプリンター、ペテル・サガン(トタルエネルジー)。サガンはこの大会を自身のキャリア最後のロードレースとして参戦する。

さいたま市では9月から大会開催までの期間を「さいたまクリテリウムWEEKS」とし、各種イベントの開催や商業施設でのタイアップフェアなどが開催され、秋のさいたま市は、自転車色で染められた。
特に、この週末は、クリテリウムレースだけでなく、ステージやブースが並ぶ「サイクルフェスタ」やグルメが集う「さいたまるしぇ」も同時開催され、さいたま新都心は2日間とも、大いににぎわっていた。


サイクルフェスタのキッズエリアを訪れ、子どもたちをサポートしたり、キッズバイクでおどけて見せたりと、盛り上げたマーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタンチーム)。トラメガを構えたペテル・サガン(トタルエネルジー)の姿も ©Yuzuru SUNADA


「さいたまるしぇ」を訪れたアンバサダーのマルセル・キッテル、セップ・クス(ユンボ・ヴィスマ)と、このために来日した欧州のレースではメジャーな「悪魔おじさん」 ©Yuzuru SUNADA

市内の催事などをめぐり、前日イベントでは恒例の「交流会」が開催され、主要選手がステージに参加。レースでは見せない意外な「一面」を見せるシーンも。


交流会では袴姿で書道に挑戦。後ろの「新」は新人賞のポガチャル、「山」は山岳賞のジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)が書いたもの ©Yuzuru SUNADA


マーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム)の描いたさいたま市のキャラクター「つなが竜ヌゥ」は想像を遥かに超える出来 ©Yuzuru SUNADA

そして、11月5日、さいたまクリテリウムが開催された。当日は晴天で、気温も上がり、11月とは思えない暖かさに恵まれ、朝から多くのファンたちがさいたま新都心に集まってきていた。
オープニングセレモニーとパレードラン、チームタイムトライアルレースが開催され、本レースの時を迎える。スタートは午後3時前とあっても、まだ暖かく、半袖の選手たちがスタートラインに並んだ。

使用されるのは、さいたま新都心の一般公道に設営され、おおむねT字型に設定された特設コース。T字の片翼は、さいたまスーパーアリーナの中を通過し、2箇所の先端部分にはヘアピンコーナーが設定されている。レースは、この3.5kmのコースを17周する59.5kmで競われる。アンダーパスからの上りに山岳ポイントが、フィニッシュラインにスプリントポイントが設定され、それぞれ4回ずつ規定された通過時に上位通過した選手が得る点数の集計で、山岳賞、ポイント賞の受賞者が決められる。


ほぼT字型に設計されたコース。一部はさいたまスーパーアリーナの中を通過する(画像は大会サイトより)


参加選手がスタートラインに並ぶ。清水勇人さいたま市長と、大会アンバサダーを務めるマルセル・キッテルが加わりスタート前の記念撮影 ©Yuzuru SUNADA

オーラを放つビッグネームたちを先頭に、選手がラインナップ。カウントダウンののち、華やかにレースが始まった。
スタート直後の180度コーナーを抜けると、最前列スタートだったフルームがスルスルと加速。地元の藤田涼平(さいたま那須サンブレイブ)と畑中勇介(キナンレーシングチーム)らがこの動きに反応し、飛び出し、4名の集団が先行した。フルームの先行に、いきなり会場は大いに沸いた。


開始早々動いたクリストファー・フルーム(イスラエル・プレミアテック)。4名の逃げ集団を作り、会場を沸かせた

この集団は、やがてメイン集団に飲み込まれ、初回のスプリントポイントがやってきた。
ここでは、ツール・ド・フランスでのグリーンジャージ(ポイント賞)の常連であるカヴェンディッシュが、しっかりと先頭通過し、スプリントポイントを獲得した。


コース沿いはびっしりと観客で埋まっていた ©Yuzuru SUNADA

続いて、訪れた山岳賞では、ツール・ド・フランスの水玉ジャージ(山岳賞)姿のチッコーネらが飛び出した。チッコーネが意地を見せ、山岳ポイントを獲得。


水玉の山岳賞ジャージのプライドを見せるかのうように山岳ポイントを積極的に取りに行ったジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)©Yuzuru SUNADA

この後も、集団は落ち着かず、選手の飛び出しと吸収とを繰り返していく。
カヴェンディッシュはツール・ド・フランスの通算勝利数で、往年の名選手エディ・メルクスと並び最多の34勝を誇っている。今年は単独トップに躍り出るべく、大会に臨んだが、無念の落車でリタイヤし、記録を積み増せなかった。この日は、来年の大会にかける意気込みを見せるかのように、2回目、3回目のスプリントポイントも先着し、さいたまクリテでのポイント賞首位を確実なものとした。
山岳賞もチッコーネが3回目まで先着し、同様に山岳賞を決めた。

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