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2021/05/02

Koichi Moriizumi

『森泉宏一の実況天国』Vol.54

『森泉宏一の実況天国』Vol.54

またしても恐れていたことが起こってしまいました。
4月25日から緊急事態宣言が発令され、公営競技も例外になく無観客開催に。
幸いオートレースは該当地域にレース場がないこともあり、人数制限付きでの開催が続いていますが、その他の競技ではゴールデンウィークの書き入れ時ということもあり、影響が出ているようです。

そんな中、「燃えろ!!オートレース」出演陣は、無観客開催の前日となる先月24日に平和島ボートレース場へ行ってきました。

たまたま以前から決めていた日程だったのですが、それが当分の間、現地観戦がお預けになる最後の日になるとは……。
普段と違う競技を観戦することで刺激を受け、番組にも何か良いところを取り入れられば!という「現地研修」「視察」の観点もありました。

ちなみに、都内のボートレース場の中で、多摩川と江戸川では実況経験がありますが、平和島は未経験。
ボートレースの実況をしていた頃は、SGが開催される平和島での実況に強い憧れを持っていたものです。
そんなことを考えながら、場内へ。

久々のボート観戦を堪能するも、舟券の方はいまひとつの出演陣。

気分転換に場内を散策します。
指定席では車椅子の方も利用できるスペースもしっかりと用意されており好印象。
若いファンも多く、昨今の売り上げの好調さを垣間見ることができました。

さて、現在スポーツ界ではスタジアムだけでなく、周辺の施設を含めた複合型が進んでいます。
いわゆる「試合がない日でも賑わいを創出する」ため、スタジアムの周辺には商業施設や宿泊施設などが隣接するなど、「毎日人がいる」状況を作っています。
多くの人が行き交い、新たなファン獲得にも繋がります。
そういう意味では、平和島はそれに近いものがある、非常に素晴らしいエリアだと考えています(かつての船橋オートレース場も、それに近いものがあると思っていましたが……)。

商業施設に映画館。入浴施設にボウリング場を兼ね備えた施設があり、最近では「トンデミ」というアトラクション施設も完成。親子連れを含め、賑わいを見せていました。
今の時代、一つのジャンルだけで人を集めるのは、なかなか難しい。
人に見てもらう、興味を持ってもらうためには、まず来てもらわないと始まらない。
新たなファン獲得のためには、いかにそのジャンルを知らない層も取り込めるか。
そして、その一帯を多くの人が利用することで、交流人口が増加し、それが地域への賑わいにも繋がり、交通を含めた街の整備、財政的な部分でも地域に貢献できることも。

以前、場外車券売場のサテライトを訪れた際に記したコラムでも、賑わいやコミュニティの場としての役割も大きく、本場でもレース場を核としたコミュニティ空間の形成は、こういった時代だからこそ、より重要になってくると考えています。
なかなか難しい部分もあるとは思いますけれども、今後の整備や改修が検討されているレース場には、そういった部分も期待したいところです。

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