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2023/06/10

P-Navi編集部

ツアー・オブ・ジャパン2023第7ステージ

ツアー・オブ・ジャパン2023第7ステージ

ツアー・オブ・ジャパン2023は7日目を迎えた。最終ステージは、タイム差が付きにくいため、挽回を目指すチームには、この日が最後のチャンスとも言える重要なステージとなる。連戦が続き、疲労も溜まってはいるが、総合上位を狙うチームや、ステージ優勝を狙う選手たちは緊張感を持って会場に集結した。

この日は、相模原市の橋本公園をスタートし、4.8kmの市街地のパレード区間を経て東京五輪のロードコースに合流後、旧小倉橋を渡ったところから、フラッグが振られ、周回レースを使用したレースがスタートする。1周13.8kmの鳥居原ふれあいの館前周回コースを7周する、総走行距離107.5kmの設定だ。鳥居原ふれあいの館へ駆け上がる上り区間を含む周回コースは、ワインディングロードを縫うように走るハイスピードサーキット。周回後半は、串川橋からフィニッシュまでひたすら上り続ける設定となり、パワフルな攻防が見られることだろう。



アップダウンの大きい鳥居原ふれあいの館前周回コース

山岳賞リーダーは、兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)が、次点のレオネル・キンテロ・アルテアガ(ヴィクトワール広島)と3点差で守っているが、このステージでは、1位通過で5、2位で3、3位で1ポイントが与えられる2級山岳が3回あり、逆転の可能性も小さくはない。最終ステージには山岳賞の設定がないため、この日の結果が、ジャージの行方を決めることになる。


市内に配置されるツアー・オブ・ジャパンをテーマとしたマンホールを持ってスタートラインに整列する相模原市のみなさん


太鼓の演奏が会場を盛り上げる

スタートライン最前列に並んだのは、山岳賞のレッドジャージを着る兒島と、前日の富士山ステージを制し、総合首位のグリーンジャージを獲得し、大会連覇に向かって走るネイサン・アール(JCLチーム右京)、ポイント賞のブルージャージを着たルーク・ランパーティー(トリニティレーシング)、新人賞のホワイトジャージ姿のリアム・ジョンストン(トリニティレーシング)の4名だ。


4賞ジャージを先頭にスタートする選手

パレード区間を終え、レースがスタートすると、すぐに激しいアタック合戦が始まった。
周回コースに入ってからもなかなか動きは決まらず、そのまま1回目の山岳ポイントに差し掛かる。山岳賞2位のキンテロがきっちりと首位通過。ポイントリーダーの兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)は2位通過し、レッドジャージ争いは1ポイント差まで縮まる。


山岳賞争いを繰り広げたレオネル・キンテロ・アルテアガ(ヴィクトワール広島)と兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)

3周回を終了しても、逃げは決まらず、注目は、4周回目の山岳ポイント争いへ。
ジャージを争う2名を擁するヴィクトワール広島とチームブリヂストンサイクリングのチーム戦となり、再びキンテロが首位通過。ここで、暫定だが、山岳賞はキンテロの手中に移った。


隊列を組んで山岳賞に向かうヴィクトワール広島とチームブリヂストンサイクリング

5周回目に入っても、動きが決まらず、レースはハイスピードのまま推移した。
大集団のまま、最後の山岳ポイントが設定された6周回目に突入。キンテロは3回目も首位通過し、5ポイントを積み増した。最終ステージまで完走さえすれば、キンテロの山岳賞が確定することになった。
レースはラスト2周へ。集団から抜け出そうという動きは出るものの、封じ込まれ、大集団のままレースが続いた。
集団のまま、最終周回へ突入し、決戦はスプリントに持ち込まれる可能性が濃厚となった。各チームは、最後のゴール勝負に向けた激しい位置取り合戦を繰り広げ始める。
残り1km、トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチームが隊列を組んで集団を牽引し、フィニッシュ手前の最終コーナーに向かう。ルージャージを着たランパーティが単独で位置を上げ、先頭で最終コーナーに突入。
最後の直線100mに、先行したランパーティにベンジャミン・プラデス、信州ステージを制した岡篤志(JCLチーム右京)が食らいついたが、乗りに乗っているランパーティのスピードには歯が立たず、ランパーティは2名を振り切り、今大会3勝目となるステージ優勝を飾った。


見事なスプリントで3勝目を上げたルーク・ランパーティー(トリニティレーシグ)

ランパーティーは「それぞれのチームの思惑があったレースだった」とレースを振り返った。「まだ昨日の疲れが残っており、とてもハードだった」と語るものの、自身が今大会で上げた成績には、非常に満足げだった。


グリーンジャージを守り、連覇に王手をかけたネイサン・アール(JCLチーム右京)


ホワイトジャージ、ブルージャージ、グリーンジャージを守ったリアム・ジョンストン(トリニティレーシング)、ランパーティ、アールと、逆転で山岳賞を獲得したキンテロ(左より)

個人総合、グリーンジャージはアール(JCLチーム右京)がキープし、最終の東京ステージ向かう。ブルージャージ、ホワイトジャージにも入れ替えは生じなかった。
最終ステージは平坦の大井埠頭特設コースで、スプリンターたちのレースとなることが多い。ランパーティは、とどめの4勝目を狙ってくるか?日本人スプリンターが意地を見せるか? 相模原ステージも23000名の観客が訪れたが、「制限のない」4年ぶりの東京ステージは、大いに盛り上がることだろう。

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【結果】
ツアー・オブ・ジャパン第7ステージ・相模原(107.5km)

1位/ルーク・ランパーティ(トリニティレーシング)2時間23分26秒
2位/ベンジャミ・プラデス(JCLチーム右京)+0秒
3位/岡篤志(JCLチーム右京)
4位/イエルン・メイヤス(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム)
5位/ゲオルギオス・バグラス(マトリックスパワータグ)

【個人総合時間賞(グリーンジャージ)】
1位/ネイサン・アール(JCLチーム右京)15時間22分31秒
2位/ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)+45秒
3位/岡篤志(JCLチーム右京)+55秒

【個人総合ポイント賞(ブルージャージ)】
1位/ルーク・ランパーティー(トリニティレーシグ)100p

【個人総合山岳賞(レッドジャージ)】
レオネル・キンテロ・アルテアガ(ヴィクトワール広島)41p

【個人総合新人賞(ホワイトジャージ)】
1位/リアム・ジョンストン(トリニティレーシング)

【チーム総合成績(第7ステージ終了時)】
1位/JCLチーム右京

画像提供:ツアー・オブ・ジャパン組織委員会

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ツアー・オブ・ジャパン2023レースレポート
第1ステージ・堺
第2ステージ・京都
第3ステージ・いなべ
第4ステージ・美濃
第5ステージ・信州飯田
第6ステージ・富士山

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