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2021/07/14

Yusaku Koshou

古性優作の「KOSHOW TIME!」Vol:2

古性優作の「KOSHOW TIME!」Vol:2

みなさん、こんにちは。競輪選手の大阪100期、古性優作です。
まずは、ご報告から。先日の福井記念「不死鳥杯」を優勝することができました。記念を優勝できたのは2019年の静岡以来だったので、すごく嬉しかったです。今回の優勝を良いきっかけにして、また頑張っていければと思っています!

今回のコラムでは、まず6月の高松宮記念杯から、その福井記念を振り返っていきたいと思います。

◆地元G1・高松宮記念杯を振り返る◆
地元開催の宮杯は、初戦(西特選)から松浦悠士選手との二分戦でした。相手は日本一のライン、松浦選手-清水裕友選手。二人とも、先頭、番手のどちらでも高いレベルでできる選手です。どうやって倒すか?と考えていたのですが、やはり難しかったです。小倉(竜二)さんの強烈なブロックもあって、すごく苦しい展開になりました。
それと、体重をちょっと軽くしすぎたせいか、スカスカする部分があり、高い出力を出すのが難しくなっていると感じました。これも経験の一つだとは思うのですが、もう少し重たい方が感触は良かったと思います。でも、これはF1やG3では気付かない、G1だからこそ気付くこと。特別なレースになればなるほど、そういう部分がすごく分かりやすくなります。体重が軽いからといって、食事の量を調整して、その開催中に体重を戻したとしても、それだけではただ重くなるだけで何の意味もありません。そこで毎日、少しずつ上がるようにコンディションも調整しました。でも、ちょっと神経質になりすぎていたかなという部分もあったとは思います。

2日目の白虎賞。稲川翔さん、南修二さんと大阪勢3人で走るのが、本当に久しぶりだったので、すごく楽しみでした。3人で走るのは、2016年岸和田記念の2日目ぶりくらい。レースは野原雅也君が主導権を握る形にはなり、打鐘過ぎの2センターで踏んだのですが、雅也君がすごく強くて一瞬でスピードが合わせられた感じに。そこからもう一回、立て直した感じでしたが、自分の中では出力とスピードの差を感じました。
そして準決勝。いつもの自分のレースではないレースをしてしまって、すごく反省しています。展開も色々と考えていたのですが、完全に踏み遅れてしまって、山崎賢人選手の仕掛けにも気づかなかったです。遅れながらも勝負はしたのですが……一番難しいレースになりました。

◆地元G1を終えて◆
決勝には乗れなかったので勝負できたという感じでは無かったのですが、最終日も気持ちを切らさずにラインで決めることを考えて1着。今までの地元G1は、すごく気負いすぎていたのですが、今年は自分の中で殻を破れた感触がありました。これは感覚的なもの。次からは楽しみだなと思っています。
ただ、開催後はかなり精神的に疲れました。普段は疲れていても、家でダラッとするよりかは、表に出て練習すると体が楽になって、逆にスイッチが入ったりするのですが、今回は全然ダメ。体の芯から疲れたんだなと思います。

◆福井記念で優勝◆
宮杯から奈良F1、そして福井と地元地区の開催が続いたので、まず気持ちを切らさないようにしました。感触はイマイチではありましたが、後輩の頑張りもあって決勝進出。近畿からは4人が勝ち上がりましたけど、僕はどうなっても自力で走りたいという気持ちでラインの先頭に。
スタートでは山口(拳矢)君も森田(優弥)君も出る気配が全くなかったので、出るしかなく前受けから。山口君がゆっくり抑えに来たら、一回突っ張らないといけないなと冷静に走りながら、レースのピッチが上がっていったので、山口君の動きを見て、打鐘からはモガキ合いになるかな?と判断しました。もう少し早目に仕掛けられれば良かったのですが、山口君と森田君がすごく内側に見えて、もしかしたら落車があって飛んでくるかもしれないと思ったので、一本棒になった時にいこうと決めました。ピッチが上がっていたので、踏み出した時は一杯一杯。でも、後ろの選手にもチャンスがあるように仕掛けました。直線では(三谷)竜生さんの優勝かなと思ったのですが、「あれ? あれ?」と思っているうちに自分が1着。後ろがどうなっているか状況は全然分かっておらず、ただただ必死に踏んでいるだけでした。

記念優勝は2019年の静岡以来。久しぶりに記念優勝できて本当に嬉しかったです。今までは、気持ちで負けていたんだと思います。それと、今回は脇本勇希君が勝ち上がりで頑張ってくれたおかげ。決勝に乗せてもらいましたし、その気持ちに応えたいと思って決勝は走りました。自分がラインの先頭の時は、後ろの気持ちを考えて、番手の時は自分が前で走った時にやってほしいことをする。これからもその理想に近づくために、まだまだ頑張りたいですね!

◆サマーナイトフェスティバルに向けて◆
次はサマーナイトフェスティバル(7月16日~18日・函館)に出場します。サマーナイトは昨年も出ておらず、別府から2年ぶりです。3年前は松戸で決勝にも乗っていますが、もうそんなに経っているんですね(笑)。函館はご飯も美味しいですし、気候も気持ちよいので楽しみにしています。バンクに嫌なイメージは無いですし、S級で初めて1着を取ったのも函館なんです! ナイターも問題ないので、またしっかり走りたいと思います。

◆オリオン賞に初選出!◆
そして最後に、オールスターファン投票ありがとうございました! 初めてオリオン賞を走らせていただくことになりました。自分はS級S班でもないですし、ファンの方が自分のレースを見て、選んで投票してくれたことが、メチャクチャ嬉しかったです。これからもラインで決められるようなレースで一生懸命、頑張りますので、宜しくお願いします!

※第1回コラムはこちら

【略歴】

古性優作(こしょう・ゆうさく)

1991年2月22日生 大阪府出身

2006年から2008年までの3年連続で全日本BMX選手権大会を優勝。
2011年7月に第100期生として岸和田競輪場でデビュー。2014年11月松戸競輪場でS級初優勝すると、2016年12月には地元の岸和田記念でG3初優勝。さらに2021年7月の福井記念で通算6回目のG3優勝を果たした。あらゆる展開に対応する変幻自在の走りが魅力で、初のG1タイトル奪取が大いに期待されている。

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