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2021/07/17

Norikazu Iwai

魅力あふれる石井寛子と加瀬加奈子の走り

魅力あふれる石井寛子と加瀬加奈子の走り

東京五輪開幕が間近に迫った。参加する国々から選手団が続々と入国している。しかし、スタッフを含め「コロナ陽性」の記事を毎日のように見る。中にはコカイン使用で逮捕されたスタッフもいた。この原稿を書いている時点で、有観客で実施を表明しているのは宮城県と静岡県。だが、日を追うごとに東京での陽性者数が増え、ついには1,000人を超えている。東京から宮城、静岡への人の流れがある以上、リスクはある。
東京都は4回目の緊急事態宣言を発出。それに付随して神奈川、埼玉、千葉、大阪は、まん延防止等重点措置が延長された。8月22日までとのことだが、果たしてどうなるか。競輪界は京王閣と立川が無観客開催を決定。小田原競輪も早い段階で記念の無観客を決めた。対して現段階では態度を決めていない場もあり、行政での対応が分かれるのは、不思議で仕方ないところ。やはり競輪界が一つとなってコロナに打ち勝たねばならないだろう。そのためには足並みを揃える必要があると感じる。

16日から函館競輪場でG2サマーナイトフェスティバルが開催されている。この事については次回のコラムで触れようと思う。今回はガールズケイリンのベテランにスポットを当てたい。ここ数年の賞金女王は児玉碧衣である。早くからランキングのトップに立って、そのまま年末を迎えている。しかし今年は、様子が少し違う。7月15日現在のデータだが、石井寛子が10,046,000円で首位。2位が坂口楓華で、児玉は3位に甘んじている。もちろん、函館でのガールズケイリンフェスティバルの結果いかんで順位は代わろう。

石井寛子はガールズ2期生。1期生として入学してもおかしくなかったが、ロンドン五輪を目指す上で1期待った経緯がある。デビューしてからは、そのルックスと実力でガールズケイリンを引っ張ってきた。35歳とは思えないアグレッシブな走りは、さすがと思わせる。石井は競走だけでなく、ことあるごとに寄付を行うなど、社会貢献の面でも評価が高い。

もう1人は、1期生の加瀬加奈子だ。選手生命はおろか生命の危険まであった大けがを乗り越え、そして結婚、出産。13日の青森競輪では見事優勝し、ガールズケイリンの最高齢優勝記録41歳1カ月13日を打ち立てた。ちなみに従来は同じく1期生の門脇真由美の40歳8カ月12日だった。加瀬の競走スタイルは徹底している。スタイルというのは戦法ではない。彼女は絶えず魅せるレースを心がけている。時として車券を買う人間にとっては、それが裏目に出ることもある。しかしながら、それでもレースが終わると妙に納得してしまう。それだけのカリスマ性があるのだろう。全盛時の村上義弘もそうだった。たとえ車券は外れたとしても、納得ができた。

石井、加瀬に共通して言えるのは、ファンの目を楽しませてくれるレースをするという点だ。大舞台の出場が減った加瀬だが、まだまだ闘志は衰えていないはず。そこで提案だが1、2期生対3、4期生とか、期別対抗戦はいかがだろうか? ボートレースはすでに団体戦も行っている。あくまでも個人競技ではあるが、団体戦もまた見応えがあると思うのだが__。

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