ガールズケイリンのリブランディング
ガールズケイリンが始まって10年。今や、この業界になくてはならないツールになっている。ユニホームは明るくファッショナブルというコンセプトのもと、色鮮やかに。レーサーパンツはピンク。自転車はカーボン製で、スポークではなく競技で使われているディスクホイール。風が強いときなどは、安全性を考慮して、ディスクホイールではなくスポークでの競走になった。特にピンクのレーサーパンツは、ガールズケイリンの代名詞にもなっていた。
ところが、10月(9月30日を節の初日とする開催)から、レーサーパンツのデザインが変更されるという。レーサーパンツの変更だけではなく、自転車もディスクホイールではなくなると言うのだ。レーサーパンツに関しては男子選手と同じように黒を基調としたものになる。車輪部分も、前後輪スポークに変更となる。どういった経緯で変更になるのかは定かではないが、ガールズケイリンを応援している筆者にとっては、ショッキングだった。レーサーパンツは9月19日に行われた「ティアラカップ」でお披露目された(結果は締め切りの都合で次回に)。
しかしなぜ、今なのだろうか。10年経って、次の段階に進むためだろうが、腑に落ちない部分もある。売り上げ低迷からの脱却を目指し、男子との差別化を図り、新しいファンを獲得するためにスタートしたのが『ガールズケイリン』。その象徴が、レーサーパンツとディスクホイールだったはずだ。それが黒を基調としたレーサーパンツとスポークなら男子と変わらないではないか? スポークに統一するのなら、ルールも合わせて変更するべきだが、今のところルールに関しては聞こえてこない。
そして、ガールズグランプリの日程も変更された。従来は12月28日のグランプリシリーズ初日だったものを、今年から29日に実施される。昨年まで2日目に行われていたヤンググランプリと入れ替わるのだ。この日程の変更は納得できる。なぜなら、ヤンググランプリの注目度がそこまで高くないからだ。30日のグランプリに繋げるためには、前日に盛り上がるガールズグランプリを持ってくることは正解だろう。さらに、ガールズグランプリと言えども、的中する確率はヤンググランプリよりは高いはず。的中すれば、それを翌日のKEIRINグランプリに回すこともできる。個人的にはヤンググランプリではなく、ガールズケイリンを勝ち上がりにすれば、もっと盛り上がると考えている。
現状に、あぐらをかくばかりではなく、新しいことにチャレンジすることはいいことだ。しかし、やはり今回の変更は、納得できない部分も多い。果たして、これが定着するのかどうか、見守っていきたい。
Text/Norikazu Iwai
Photo/Perfecta navi編集部
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