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2023/06/21

岩井範一

高松宮記念杯競輪を振り返る

高松宮記念杯競輪を振り返る

古性優作の大会連覇で終わった、第74回高松宮記念杯競輪。ひと言で言えば、「不屈の男」だろう。初日にいきなり落車し、再乗8着。今大会から勝ち上がりはポイント制になったため、少しでもポイントが必要だった。これが特選なら、棄権していたかもしれない。果たして、勝ち上がれるのかと思っていたが、言葉は古いが、根性と精神力でクリアしたのだろう。鬼気迫る走りは、見ていて感動させられたものだ。

脇本雄太は決勝で突っ張り先行して6着。シリーズを通して、調子が良さそうだっただけに残念だ。筆者の勝負車券は、予想通りの展開でレースが進んだ。買い目は、古性と稲川翔の表裏から3着は総流し。ゴール寸前まで、決まったと思っていたのだが、佐藤慎太郎が中を突いて2着。さすが佐藤といったところだろう。期待外れだったのが南関東勢か。松井はここで思い切って仕掛けることができれば、今後につながると思っていたが、見せ場が無し。郡司もある程度人気を背負っていたのだから、もっとシビアに行けばいいとも感じた。車券は外れたが、古性のレースは本当に素晴らしかった。これが近畿の伝統というものだ、と感じた。

第1回パールカップG1

シリーズ3日目に決勝が行われたガールズケイリン初のG1「第1回パールカップ」。こちらは、児玉碧衣が圧倒的な強さで初代女王に輝いた。昨年のガールズグランプリで落車し、鎖骨骨折などの大けがを負ったが、見事に復活、いや完全復活を成し遂げた。パールカップについて言えば、男子選手と同じ東西対抗戦の形を取ったが、どうみても西高東低だろう。ガールズに関しては、普段通りの組み合わせでいいのではないか? 東日本に佐藤水菜がいたとしても、それでも西日本の方が層が厚い。新設されたG1だからこそ、もっと独自のことができなかったのかと思ってしまう。

今回の高松宮記念杯競輪は、6日間の売り上げが116億5,573万8,900円。目標は125億円で、大きく届かなかった。これで今年に入ってからのG1、G2は全て目標額に達していない。筆者的に岸和田は、日本でトップ5に入るくらの情熱を持っている競輪場だと思っている。そこでのこの結果は正直、驚いている。大会直前には、古性が甲子園球場で始球式をするなど、力が入っていた。イベントもパールカップを意識してか、女子プロゴルファーの古閑美保、レスリングの元女王・吉田沙保里をゲストに呼んでトークショーを行った。古閑と吉田は、個人的にはベストな選択だと思っていいる。ゲストに関しては、競輪のPRと共に、売り上げに繋げられるかだ。PRに関しては言うことないが、今回はそれが売り上げに繋がらなかったのだろう。
最近の競輪界は、ミッドナイト競輪に頼りすぎているため、このような結果が続いていると考える。次のビッグレースは、7月にG2サマーナイトフェスティバルが函館競輪場で開催される。函館もやる気がある競輪場なので、結果がどうなるか、注視していきたい。

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta navi編集部

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