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2023/07/13

岩井範一

函館のサマーナイトフェスティバル

函館のサマーナイトフェスティバル

真夏の祭典・G2サマーナイトフェスティバルが、7月15日に函館競輪場で開幕する。函館での開催は、2年ぶり。この時期の本州は梅雨でジメジメした毎日が続いている。梅雨のない北海道での開催は、選手にとって、最高のコンディションで戦えることだろう。2年前の大会では、競輪場をイルミネーションが彩り、函館山からの夜景の一部に組み込まれたいた。現地で観戦したいところだが、仕事の都合でどうしても海を渡ることはできない。涼しい環境の中で声を張り上げてみたかったのだが残念である。

新山響平
新山響平選手(SS・青森107期)

さて、優勝候補は誰なのか?と、言っても、最近のビッグレースは脇本雄太と古性優作が抜けている。今回も両者がシリーズを引っ張っていくのは間違いなだろう。しかし、筆者は新山響平を推したい。7月9日に終わった小松島記念は決勝3着。その前の久留米記念が決勝4着と、結果は残していないが、最近のレースぶりは力強さが増し、堂々としてきている。本当は2個目のG1といきたいところだが、もちろんG2も欲しいだろう。

松浦悠士
松浦悠士選手(SS・広島98期)

小松島記念を制した松浦悠士は、上り調子とみていい。G1高松宮記念杯競輪あたりから、上昇気配はあったが、小松島の走りっぷりをみていると、完全に復調したと断言してもいい。2着の郡司浩平も後半戦に向け、いい感じで仕上がっている。心配なのは、平原康多である。高松宮記念杯は青龍賞で落車。復帰してすぐの落車は、肉体的なものより精神的ダメージが大きい。前橋記念は優出したが、結果は8着。ここまでに、どの程度、状態を上げられるかだが、地元開催のG1オールスター競輪に照準を合わせているので、今回は過大な評価はよしておこう。

児玉碧衣
児玉碧衣選手(L1・福岡108期)

ガールズケイリンフェスティバルは、児玉碧衣の独断場だろう。女子初のG1パールカップを制し、その後の函館も完全優勝。死角はないと見ている。久米詩、柳原真緒、坂口楓華が、どこまで児玉を苦しめられるかになる。

開催を通しての売り上げ目標は、52億円らしい。場内のイベントも、趣向を凝らしている。ただ、やはり場所が場所だけに、何人が本場に足を運ぶかだ。筆者は、以前から売り上げの前に、本場の入場者数の方が大事だと指摘してきた。今の時代は、確かにネット投票が主流であることは間違いない。しかしながら、実際に競輪場に来て、ライブ観戦するファンの人数こそ、本来の競輪の姿ではなかろうか? 今回、函館にどのくらいのファンが集まるのか注目していきたい。
今年に入ってからのビッグレースは苦戦が続いている。平塚、岸和田といった人気の競輪場ですら、目標額には達することができなかった。地方の競輪場である函館が、この負の連鎖を断ち切ることができるのか。それによって、後半戦の売り上げも見えてくると思っている。

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta navi編集部

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