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2023/07/22

森泉宏一

『森泉宏一の実況天国』Vol.96

『森泉宏一の実況天国』Vol.96

今年2月にデビューを果たしたオートレース36期生。
デビューから約半年。早くも数人の選手が優勝を飾るなど、オートレース界を賑わせています。
今回はそんな36期生のデビューから現在までの戦績をまとめてご紹介します(成績などの数字は7月6日現在)。
36期生は浜松、飯塚、山陽と3場のみの所属となりました。

※選手写真は公益財団法人JKA提供
※選手名の右は、競走車名

まずは浜松から。
浜松オートレース場所属といえば、まずはこの選手から!

【栗原佳佑選手(モリワキ13)】
栗原佳祐

師匠は浅田真吾(浜松27期)選手。
ロードレース出身で、36期生の養成所最優秀賞を獲得した逸材。
勝ち上がり権利がまだなかったデビュー戦では、初日から最終日までオール1着という鮮烈なデビューを飾った。
その後、勝ち上がり権利を得た地元・浜松開催では、ナンバーワンの青山周平(伊勢崎31期)選手や、木村武之(浜松26期)選手、金子大輔(浜松29期)選手という強豪を振り切って逃げ切りを決め、早くもデビュー初優勝(4連勝完全優勝・1番人気)。
更に、5月の川口開催では3連勝の完全優勝を決めた。
その後は、後ろから追う展開が増え、白星のペースは落ちたものの、それでも逸材の走りはいつも注目の的。
8月に伊勢崎オートで開催されるSGオートレースグランプリにも出場予定。初のSG戦線でどんな走りを披露するのか。
新・怪物から目が離せない。
デビュー前は肩の脱臼癖の治療に専念することもあり、2年ほどロードレースを封印。その間は運送会社でも勤務。その関係で大型免許を所持しているとのこと。

【吉林直都選手(アムラー)】
吉林直都

師匠は木村直幸(浜松27期)選手。
高校時代までモトクロスを経験。前職はホンダ熊本で二輪エンジンの組み立てなどをしていたという、地元・浜松出身のフランチャイズレーサー。
デビュー節2日目の白星を含めて、4日間で2勝を挙げ、順調な滑り出しを決めた。その後、4月末の地元・浜松のアーリーレースでは、1番人気にしっかり応えて逃げ切り、デビュー初優出で初優勝。
6月27日の川口開催では、浜松の36期生全員が1着を飾ったが、その最後である4人目が吉林選手。好時計から後続を振り切り、準決勝戦進出も決めた。
湿走路はまだ経験が少ないが、4走して1勝、2着2本と結果を出している。
ちなみに車名の「アムラー」は安室奈美恵さん好きからきているとのこと。

【牧野竜人選手(ピオラ)】
牧野竜人

師匠は石貝武之(浜松27期)選手。そして、父は牧野貴博(川口24期)選手という父子鷹。
父の姿を見て、35期の試験も受けていたという。
デビュー戦は7着と敗れたものの、2日目から最終日までを3連勝でまとめた。
その後は、上記2人に比べるとやや苦労している面があったが、5月には父のホーム・川口で連勝をマーク。更に、翌月の川口開催でも連勝と、川口との相性がいい?(浜松と同じくらいの斡旋回数なので、何とも言えませんが)
選手になる前は、東京ディズニーリゾートでの勤務経験もあるそうで、アトラクションのキャストをしていたとのこと。
学生時代は器械体操と陸上をしていたという身体能力も活かせることができるか(バク転もできるそうなので、個人的にはどこかのタイミングでファンの前でお披露目してほしいところ)。

【早津圭介選手(ヒナドリ)】
早津圭介
師匠は「キムタケ」こと木村武之(浜松26期)選手。弟は川口所属の早津康介(川口34期)選手。

牧野選手同様、35期の試験も受けていたという26歳は、前職ではハウスメーカーで設計や営業の仕事に従事していたという。
養成所時代の怪我の影響で、4月17日の浜松開催でのデビューとなった。
デビュー戦からしばらくは着外が続いていたが、6月26日の川口開催では見事に逃げ切りを決め、デビュー初勝利。翌27日も白星を挙げ、それまでの着外続きから一転して連勝。
兄・康介選手もデビュー節のオール8着など、しばらくは苦しい時期が続いたが、今年2月には待望のデビュー初優勝。さらに4月にも優勝を決め、6月の段階で昨年の獲得賞金を軽く超えるなど飛躍の一年に。兄弟揃っての活躍にも期待したい。
小学1年から大学4年生までサッカーをしていた。その継続する力をオートレースでも活かしたいところ。

続いて、飯塚オートレース場所属選手。

【村瀬月乃丞選手(M・ムーン)】
村瀬月乃丞

師匠は松尾隆広(飯塚28期)選手。
一見、歌舞伎役者を思わせるインパクトある名前の持ち主は、3歳からポケバイを始めたバイク競技経験者でもある。山陽所属の永島潤太郎(山陽35期)選手は高校の一つ先輩。
デビュー戦はあいにくの湿走路も、3着で乗りこなす。そして良走路に変わった翌日には早くもデビュー初勝利をマーク。
季節が春に変わると、まずは地元ナイター開催で初優出(8着)。そしてミッドナイト開催では連勝で勝ち上がるなど、優出回数も増やしてきた。
前職は食品メーカーに勤務。九州ではお馴染みの「うまかっちゃん」を作っていたそう。

【帆景岬選手(ミサキング)】
帆景岬

師匠は根本将人(飯塚28期)選手。
バイク未経験からのし上がったレーサー。
デビュー戦は湿走路を乗りこなせず8着と敗れ、デビュー序盤は苦戦を強いられてきた。
初勝利はデビュー3節目。3月の年度末開催初日に挙げたもの。1枠からに逃げ。最後まで後続を寄せ付けず、しっかりと逃げ切った。このレースは、2連単で13万6,360円(41番人気)、3連単は162万780円(293番人気)という、「超」が付く高配当おまけ付きで話題を呼んだ。
翌日は自身初の準決勝戦も勇み足(フライング)に散る悔しさも味わったが、次の地元開催では2日目と3日目で自身初めてとなる連勝を記録。その後は一転して白星はおろか、上位着にも恵まれない日々が続いているが、この苦しい状況を糧に這い上がってほしいところ。
学生時代はソフトボール選手。中学時代には県大会優勝、九州大会3位を経験。高校時代にはインターハイ16強と、競技は違えどすでに大舞台は経験済み。

【濱野翼選手(シュワッチャン)】
濱野翼

師匠は滝下準平(飯塚28期)選手。そして父はSGV4、G1V5のタイトルホルダーである濱野淳(山陽24期)選手というサラブレッド。
大学卒業後に養成所入りした大卒プレイヤーは、訓練中の怪我によりデビューが遅れ、今月11日、父の地元である山陽でデビュー。
デビュー初勝利は2節目の最終日。初出走から5走目の0mから70mのロングハンデ戦。序盤から快調に逃げる濱野選手。西翔子(浜松35期)選手や藤本剛(山陽13期)選手といった後続勢を寄せ付けない走りを披露。
レース終盤は西選手が差を詰めましたが、余程のことがない限りは追いつかないセーフティーリードを保っての1着ゴール。
試走タイム、上がりタイムともに自己ベストをマークしての初勝利だった。
スタートは遅れたものの、ここから先を行く同期たちに追いつきたいところ。

※怪我のためデビューが遅れていた濱野翼選手は、7/24に追記いたしました。

最後に、山陽オートレース場所属選手。

【石田啓貴選手(クリアC)】
石田啓貴

師匠は岩崎亮一(山陽25期)選手。
山陽の同期では唯一デビュー戦を1着で飾った選手。当日は発表では湿走路だったが、実質斑(ぶち)走路を乗りこなし逃げ切った。
デビュー節を含めて、3節続けて初日に白星。3節目は早くもミッドナイトレースを経験。その開催は初日予選、2日目優勝戦という日程のため、これまた山陽の同期で最も早く優勝戦を経験(6車立ての5着)。
その後は、5月の飯塚開催で自身初の連勝。先月の山陽ミッドナイトでは2度目の優出を記録するなど結果を残している。
前職は美容師。オートレースモバイルのインタビューでは、亡くなった祖母への思いを示し、それが社名にも表れている。
伊勢崎オート公式YouTubeチャンネルに出演した際のキャラクター性も話題に。愛される選手になりそうだ。

【祐定響選手(ラッキーセブン)】
祐定響

師匠は山﨑進(山陽26期)選手。
オートレース大好き一家で育ち、自身も幼少期からレース場に連れてきてもらっていたとのこと。
YouTubeでのインタビューなどを見る限り、かなりの公営競技ファンのようで、レース場での写真撮影も趣味としていたそう。中学生の時点で選手を志し、35期の試験も受験。
初勝利は5月30日の地元開催2日目。湿走路で行われた一戦は、序盤からリードを保って逃げる好展開。しかし終盤は栗原勝測(伊勢崎20期)選手や矢野正剛(山陽31期)選手らが接近。最後の4コーナーは外へ流れ気味で更に迫られたが、なんとか振り切り逃げ切った。
前職は精米工場勤務。ファンから選手へという転身ということもあり、自身のファン目線からどんなタイプの選手を好み目指していくのか。その過程を見ていくのも楽しみだ。

【古谷匠選手(バルド・ライフ)】

師匠は角南一如(山陽27期)選手。
地元・山陽小野田市から誕生した、現在19歳の高卒レーサー。そんなホームレーサーはモトクロスとロードレース経験者。
デビュー節は最終日に3着と掲示板入り。レース序盤から中盤までを快調に逃げるも、残り2周で2車に一気に捌かれる形となった。
その後、上位着の量産とはならず下位で苦しむ期間が続いたが、5月30日の地元開催(湿走路)で念願のデビュー初勝利を挙げた。7月には同じ湿走路で2勝目をマーク。
少しずつ結果を出しているだけに、そろそろ良走路での1着が待たれる。

【三宅真央選手(ボーマ)】
三宅真央

師匠は満村陽司(山陽26期)選手。
師匠同様、四国出身レーサー(香川県)は、2月のデビューから苦戦が続いていたが、5月30日の地元開催で念願の初勝利をマーク。当日は湿走路。0線からの逃げ、最後は猪熊龍太(伊勢崎29期)選手が迫るも耐え抜き、1着ゴール。
現時点ではこれが唯一の上位着。同じ山陽所属のガールズレーサー・松尾彩(山陽34期)選手は、先月の山陽G2戦で優出するなど躍進。身近に成長を遂げる先輩選手と同じステージに上がり、共に山陽バンクを盛り上げてほしいところ。
高校時代は自転車部に所属。卒業後はガールズケイリンの選手を目指し、競輪選手に弟子入り。輪界入りを目指していたが、その後、オートレーサーの道へ。
そして、前職は丸亀ボートレース場で舟券補助員として勤務するなど、選手になる前から公営競技にはかなり馴染みはあった様子。

※トップに掲載の写真はイメージです。

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