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2023/09/23

木三原さくら

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

木三原さくら「恋して競輪ハンター」141 Hunting

10月2日から松戸競輪場で行われる、今年新設されたガールズケイリンのG1競走のひとつ『オールガールズクラシック』。その開催が、間近に迫ってきました。私はチャリチャンに出演し、いつも通り、全レース自腹投票なので、ガールズケイリン全36レースを戦うために、日々車券の勉強中です。

そんな折、平塚競輪で行われたミッドナイト競輪でもガールズケイリンが開催されました。ミッドナイト競輪は、ガールズケイリンも、1番車から競走得点上位順に並んでいくので、どうしても配当が安くなりがち。その中でも、良いところを狙おうと、「あえて」穴目を探してみたりしたのですが、結果は撃沈。初日、2日目の予選で、的中はゼロ。こりゃダメだと反省し、最終日の一般戦は、素直に狙って、辛くもガールズケイリン「ボウズ」を免れたのでした。

その開催、優勝したのは石井寛子選手。石井選手は、連日、当然人気の中心。1番車からの組み立てで、勝負どころで動いて、最終的に先行の番手に常にいる。そして、後方の仕掛けをしっかり見極めながら、落ち着いた追い込みで連勝し、決勝進出を決めていました。その安定感は抜群で、予選の2車単は1番人気130円で、3連単も数百円。石井選手の1着への期待値は言わずもがなで、欲深く高配当を狙っていた私でさえ、石井選手の1着は不動のものとして、狙い目を考えていました。

決勝戦。石井選手は打鐘から前々に動いて、最終ホームでは3番手の位置にいました。最終バックで、2番手から永禮美瑠選手が捲りを打っていきましたが、その上をさらに捲り。見事、完全優勝を決めていました。2着には、7番車の東美月選手が入り、高配当決着となり、「ここで荒れるのか~!」と、悶絶していましたが、石井選手の優勝には、「やっぱり強かったなあ」と、当然のような感想を持っていました。

しかし、石井選手は優勝インタビューで、少し考えたのちに、「冷静ではなかったし、動きも悪かったけど、なんとか1着がとれて嬉しいです」と答えました。その言葉を聞いて、私はハッとしたのです。

勝って当たり前の選手なんていない__。

どれほどオッズが集中していても、それは車券を買っている私たちの期待値であり、選手自身の調子や状態はまた別物。そんな当たり前のことを忘れている自分に気づきました。
ガールズケイリンは、ラインのない個人戦。勝利は、常に1対6の戦いの中で掴まなければなりません。どれほど強い選手も、一人の人間で、いつでも絶好調とはいかないのも当然でしょう。そのような中でも、高いレベルで期待に応える強い走り、勝って当たり前と錯覚するような安定感のある走りの裏には、どれだけの努力があるのでしょうか。勝って当然と思って、忘れがちですが、日頃、本命選手にかかるたくさんのプレッシャー、そして、それに打ち勝つための並々ならぬ努力。それらを想像すると、思わず泣きそうになります。
しかし、さすがトップ選手。石井選手は、こう続けました。
「お客様に『かけられてる』と思ったので必死に走りました」と__。
プレッシャーを強さに変え、しっかりと完全優勝という結果を残す。石井選手の強さを、改めて感じた瞬間でした。

石井寛子
石井寛子選手

オールガールズクラシックは、日々、そのようなたくさんのプレッシャーの中、結果を残してきたトップ選手たちのぶつかり合い。どの選手が勝っても、おかしくない中で、抜け出すのは誰なのか。ガールズケイリンが、より一層、楽しく熱くなる3日間となりそうですね。
3日間プラスにするぞ!と、私も自分で自分にプレッシャーをかけて、選手たちの走りを応援したいと思います!

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【恋して競輪ハンター・過去コラム】
140Hunting「競輪は初手」
139Hunting「追いかける優勝車券」
138Hunting「S級ミッドナイト」
137Hunting「何でもできる強さ」
136Hunting「J.Y&K.W」
135Hunting「若手だけどの面白さ」
134Hunting「ルーキーシリーズを見て」
133Hunting「軽やかにダービー王」
132Hunting「偏食しない自由な車券」
131Hunting「感謝の10周年」

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。
好きな選手のタイプは徹底先行!
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。

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