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2024/04/04

木三原さくら

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

木三原さくら「恋して競輪ハンター」154 Hunting

つい、このあいだまでダウンジャケットを着ていたのに、一気に春めいてきた年度末。春はカマシタイプ、なんてことを思いながら、上着片手に、仕事に向かいました。
2023年度を締めくくる最後の開催は、小松島競輪のミッドナイト。小松島競輪も季節と自然を強く感じる競輪場です。海のすぐ側にあるバンクに、冬は強いバッグ向かい風が吹きます。ラインがばらけたり、S級クラスでも上がりタイムが、大きくなる。そんな冬を過ごしてきました。しかし、前回の開催までは吹いていたその風が今節はなく、むしろバッグが追い風気味に。最終日は、春の嵐か、大荒れの天気となりましたが、節間を通して気温も夜でも15度をこえて、ああ、小松島にも春がやってくるんだなぁ、そう感じました。

春を知らせてくれた今開催。出場選手の中にも、楽しみな気配を感じる選手を見つけました。
佐賀の123期、橋本宇宙選手です。

※橋本宇宙選手のプロフィール

昨年末に特別昇班した橋本選手は、A級1・2班戦でも、徐々に成績を安定させ、最近は決勝戦にも連続で上がっていました。
初日は、突っ張って行くも叩かれ、しかし、そこから落ち着いて捲っての1着。
それでも反省があったようで、準決勝戦はラインの長さを生かして、4車の先頭で突っ張り先行。初日特選組の吉川起也選手を合わせて切って、さらにゴールまで押し切り、連勝を決めていました。

調子の良さも感じられ、A級1・2班戦での初優勝もあるのでは? と思う中、決勝戦では橋本選手に4車のラインができました。番手は1期先輩の梅崎隆介選手。梅崎選手とは、以前、梅崎選手の地元である佐世保決勝で連携。その時、橋本選手は別線に叩かれて、もう一度捲ろうというところで、バッグから梅崎選手が自ら捲りを打ち、優勝を決めていました。結果は、地元優勝を梅崎選手が勝ち取りましたが、連携としては決まったわけでない印象を受けました。再度の連携で、橋本選手はどのようなレースをするのか。気持ちが気になるところでした。

現地記者さんから届いた橋本選手のコメントの中には、こんな一文が。
『まだA級で優勝した事がないのでしたいけど、まずは自分のやる事をやってからですね。』

優勝への思いと、ラインの先頭を任された責任と、どちらも伝わってくるコメントでした。事実、連勝で勝ち上がったのは橋本選手1人のみ。展開次第では十分に完全優勝を狙えるのでは? と思える調子の良さだったと思います。

橋本選手はどう駆ける。
そして、私はそれにどう賭けよう。

想像がかき立てられるコメントにワクワクしました。
橋本選手は、決勝戦も前受けから突っ張り先行。伊藤成紀選手と踏み合うシーンもありながらも、主導権は譲りませんでした。そして番手の梅崎選手も、その位置をしっかりマーク。そして、4コーナー過ぎから追い込んでの優勝を決めていました。
2周逃げた橋本選手は4着となりましたが、しっかりとした先行でラインを引き連れ、決勝戦でワンツースリーフォーを決めました!

3月29日小松島F2(初日)7R結果
3月30日小松島F2(2日目)7R結果
3月31日小松島F2(最終日)9R結果

過去の失敗をしっかりと修正して繰り返さない。一つひとつのレースの経験を糧にしている印象の橋本選手。きっと近い未来に、A級1・2班戦の初優勝の花も咲くことでしょう。
開花宣言から春はあっという間に満開となります。
その一瞬を見逃すことなく、追いかけていきたいですね!

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【恋して競輪ハンター・過去コラム】
153Hunting「車券下手の罪悪感」
152Hunting「三谷竜生の地元記念連覇」
151Hunting「大我くんから田中大我選手へ」
150Hunting「北井選手の異次元の強さ」
149Hunting「2024年万車券初め」
148Hunting「広島記念で帯チャレンジ」
147Hunting「玉野競輪初のS級ミッドナイト」
146Hunting「この涙を忘れない」
145Hunting「並びの思惑」
144Hunting「都築巧選手の完全優勝」

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。
好きな選手のタイプは徹底先行!
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。

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