宇都宮シクロクロス(レースレポート)

2日目も、最終レースが男子エリートのUCIレースとなった。参加者は前日より多く、さらに激しい戦いになることが予想された。前日のレースはリタイアとなった全日本チャンピオン前田は、傷めた足にゴーサインが出て、足首等に処置を施しての出走となった。

緊張感がみなぎるスタートライン

泥キャンバーを降車し走る前田、ヘケレ、織田
スタートと同時にハイスピードな展開になり、前日と同じように、織田、前田とヘケレが先頭に立った。三段坂の急勾配の登坂や、砂エリア、泥のキャンバー(斜面)、シケインなど、テクニックやパワーを要するコースを、3人は慎重に、パワフルに、集団のまま越えていく。ついに、3名の集団のまま最終周回に突入した。

バイクを降りざるを得ない局面も多い泥キャンバーが選手にダメージを与えていく
先頭3名のうち、織田、前田はチームメイト。有利だと思われたが、前田が落車、遅れをとり、ヘケレと織田の一騎打ちに。ヘケレを先頭に最終コーナーを回り、連覇を目指すヘケレは全身全霊のスプリントで織田をねじ伏せ、勝利をもぎ取った。

辛くも織田が届かず、ヘケレが連勝を決めた
これでヘケレは関西クロスのマキノラウンド、ラファスーパークロス野辺山、宇都宮シクロクロスの2戦と、参戦した日本国内の主要UCIレースをすべて制したことになる。

華やかな表彰式

表彰式には大観衆が集まり、3名の健闘を称えた
男女ともに、体力的には下り坂に達していてもおかしくない40代のベテランが若手選手を打ち負かし、連続優勝を飾った。シクロクロスは強度の高い競技ではあるが、その中でも、難しいセクションをクリアするテクニックや、体力をセーブして、勝負を賭けるべきところで賭ける経験値や体の使い方など、ベテランだからこそ上回るものが、十分にあるのだろう。無駄のないトップレーサーの美しい走りと、そこに食らいつく日本人ライダーとの接戦に、会場が沸きに沸いたUCIレースだった。
日本のトップ選手たちは、2月1~2日にスイスで開催されるシクロクロスの世界選手権に向け、欧州に渡る者もおり、ここから本格的に調整をすることになる。
会場には2日続けて多くの来場者がやってきて、思い思いのスタイルでレース観戦を楽しんだ。<後編>では、イベントを楽しむ来場者の様子をお伝えしようと思う。
(イベント編に続く・・・)
写真提供:カンセキpresents 2019宇都宮シクロクロス/編集部
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