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2022/05/25

P-Navi編集部

ツアー・オブ・ジャパン2022、開幕!

ツアー・オブ・ジャパン2022、開幕!

消耗された選手たちは徐々に集団からこぼれ落ち、メイン集団は前を追う選手と、食らいつけない選手との間で分断され、小さくなっていった。8周目になると、メイン集団は有力選手のみに削ぎ落とされ、スピードも上り、一列棒状の状況に。先行していた2名も吸収された。
先頭集団は7名に絞り込まれ、事実上、この中から優勝者が出るという展開に。互いの出方を見ながら、緊張感ただよう走行が続く。この中には、チーム右京から、ベンジャミン・ダイボールと、ネイサン・アール、キナンレーシングチームからは、トマ・ルバと山本大喜、宇都宮ブリッツェンからは、昨年のTOJで個人総合優勝を遂げた増田成幸と宮崎泰史と2名ずつが入り、メイン集団をコントロールしてきたマトリックスパワータグからは小林海が送り込まれていた。

ここでダイボールがアタックし、レースは大きく動いた。ダイボールは、2019年まで、UCI登録の中で最高カテゴリーに当たるワールドチームに所属しており、チーム右京のメンバーとして参戦するのは、このレースが初となる。ダイボールはそのまま単独で先行し、他の選手と32秒のタイムギャップをキープしたまま、最終周回に突入。鮮烈に存在感を印象付けた。


独走するベンジャミン・ダイボール(チーム右京)

集団はダイボールを追うペースアップで一気にバラバラになり、それぞれの力で前を追う形になる。2番手にはチームメイトのアールが付け、この2名を増田、ルバが追うが、差を詰めることができない。
ラスト5kmに差し掛かり、チーム右京の2名の先行フィニッシュは、ほぼ確実な形となった。


両手を上げてフィニッシュするネイサン・アール(チーム右京)

1人で追い上げたアールが、独走を続ける先頭のダイボールに迫り、ラスト150mで追いついた。アールはペースを落とすことなく、ダイボールをかわして、そのまま両手を上げてフィニッシュラインを通過し、第1ステージの勝者となった。ダイボールはすぐ後にフィニッシュし、チーム右京の1-2フィニッシュを確定させた。次着は、増田とルバのスプリント勝負となり、僅差で競り勝った増田が3位に入った。


信州飯田ステージを優勝したネイサン・アールは、個人総合首位になり、リーダージャージを獲得

ステージ優勝を決めたネイサン・アールが個人総合首位のグリーンジャージを獲得。このステージにはポイント賞の設定がなく、フィニッシュポイントのみとなるため、ポイント賞のブルージャージもネイサン・アールの手に渡ることになった。
山岳賞は、3名が同ポイントで首位に並んだが、3名の着順では8位でフィニッシュした山崎が最高位となるため、山崎の手に山岳賞ジャージが渡った。宮崎はU23選手の中でも最高位となり、新人賞のホワイトジャージも手に入れている。


平日にも関わらず、表彰式には多くの観客が集まった


それぞれ2枚ずつジャージを獲得したネイサン・アールと宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン)

ネイサン・アールは、表彰台で「日本でこのようなレースが出来てとても嬉しい」と喜びを語った。チーム右京としては、個人総合の1位と2位に選手を置いた形となり、非常に幸先のよいスタートとなった。TOJの個人総合優勝は、例年富士山ステージで決まっており、総合優勝を狙うチームにとっては、第2ステージはこの上なく重要なステージとなる。アールは「ベンジャミン・ダイボールと私は総合争いで良いポジションにおり、2人とも強いクライマーなので明日はどちらが勝ってもおかしくないと思う」と、富士山ステージへの自信をのぞかせた。
今年のTOJは、総合優勝が決まると言っても過言ではない富士山ステージを2日目に迎える。

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【結果】ツアー・オブ・ジャパン2022 第1ステージ=信州飯田
1位/ネイサン・アール(AUS)チーム右京相模原 3時間04分39秒
2位/ベンジャミン・ダイボール(AUS)チーム右京相模原 +3秒
3位/増田成幸(JPN)宇都宮ブリッツェン +31秒
4位/トマ・ルバ(FRA)キナンレーシングチーム
5位/山本大喜(JPN)キナンレーシングチーム +1分18秒

【個人総合首位】
ネイサン・アール (AUS)チーム右京相模原

【ポイント賞首位】
ネイサン・アール (AUS)チーム右京相模原

【山岳賞首位】
宮崎泰史 (JPN)宇都宮ブリッツェン

【新人賞首位】
宮崎泰史 (JPN)宇都宮ブリッツェン

【チーム総合】
1位/チーム右京

画像提供:ツアー・オブ・ジャパン組織委員会

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