おおいたアーバンクラシック

このまま負けるわけにはいかないと、昨年の優勝者フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が先頭に立ち、マトリックスパワータグのメンバーらとメイン集団の引き上げを図るが、思うようなペースアップが叶わない。なんとか前に追いつこいうという動きがパラパラと生まれるが、集団からも抜け出せず、それらの力を束ねることもできなかった。
必死で集団の牽引を図るフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
先頭3名とメイン集団との間にほぼ1分の差を残したまま、レースは最終周回に突入した。ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)が集団を飛び出し、単独で3名を追い始める。集団も追うように決死のペースアップを図るが、全力で先行する3名とのタイム差はあまりにも大きかった。
お互いの状況を見合っていた3名の中で、最初に仕掛けたのは宇賀だった。ラスト500m、緩い上り区間に入ったタイミングで、宇賀はぐんぐんとペースアップし、2名を引き離しにかかる。ここまで消耗されていた2名は食らいつくことができず、宇賀は独走状態に。両手を突き上げ、勝利を噛み締めるようにフィニッシュラインを越えた。2位には阿部、3位に小出が入った。
両手を突き上げ、宇賀がトップでフィニッシュ。自らの決断で掴んだ初勝利だった
追っていた集団は、この30秒後にフィニッシュしている。
宇賀にとってはこの勝利はプロ初勝利であり、もちろんUCIレースとしても初勝利。チームの主要メンバーが台湾遠征に出ている中で掴んだ大きな価値のある勝利だった。
この日は宇賀のコンディションはあまり優れず、あくまでアシストの一環のつもりで飛び出したのだという。自らの判断で動き、勝ち取った勝利が、まだ信じられないような様子だった。
表彰式。素晴らしい健闘を見せた3名に惜しみない拍手が送られた
大分市を大いに沸かせた2日間が幕を下ろした。今後を占うような、若手の活躍が多く見られた意義のある大会となった。来年の「OITAサイクルフェス!!!」は、海外勢もフルメンバーに戻して、さらに華やかな開催となることだろう。
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【結果】おおいたアーバンクラシック2022(150.8km)
1位/宇賀隆貴(チーム右京)3時間29分50秒
2位/阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)+3秒
3位/小出樹(キナンレーシングチーム)+8秒
4位/ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ、スペイン)+30秒
5位/小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)st
画像提供:JCL ロードレースツアー(株式会社ジャパンサイクルリーグ)
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