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2023/02/08

P-Navi編集部

シクロクロス全日本選手権2023(女子)

シクロクロス全日本選手権2023(女子)

ここで黙っていなかったのは、3冠を有する小林だ。「砂セクションは誰よりも速く走れる自信があったため、多少の差は落ち着いて対処できた」と語った小林は、MTBのアジアチャンピオンのテクニックで、砂区間も巧みに走り、先頭の小川を追う。だが、差は、およそ30秒にまで開いてしまっていた。


「前半は焦りが出て、体が硬くなり上手く走れなかった」という小林。後半は素晴らしい追い上げを見せた

小林は走るごとにコースを習得するかのようにペースを上げていく。一時は果てしないギャップにも見えた差を縮めて行った。


最速のラップタイムを刻み、全日本女王に向け、先頭を走り続ける小川


石田は着々と追い上げ、単独3位のポジションで走る

だが、差が詰まりきらないまま、レースは最終ラップに突入した。懸命に追う小林を振り切って、小川は観客とハイタッチを交わしながら、笑顔でフィニッシュ。天に「1」のサインを掲げながら、悲願の全日本女王の座を勝ち取ったのだった。


コース沿いの観客とハイタッチをしながらフィニッシュラインに向かう小川


小川は「1」と天に掲げながら、全日本選手権初優勝を決めた

2位には小林が、3位には渡部を振り切って追い上げた石田が入った。
勝ちにこだわって走ったという小川は、表彰台でも感慨深げな笑顔を浮かべていた。「1秒でも先行できればよかった」と語ったが、独走を貫き、2位の小林とは28秒の差を守っており、完璧な勝利だったと言えよう。


表彰式前に身なりを整える小川

小林は表彰台でも悔しさをにじませた。「シーズンの最終目標に、照準を合わられず、まだまだ自分の弱さを痛感するレースとなった」と振り返り、次シーズンではもっと強くなれるよう、トレーニングを積むことを誓った。


表彰台を勝ち取った小川、小林、石田。緊張から解放され、やわらかい笑顔を見せた

先頭の走行に合わせ、遅れた選手がレースから除外されていくため、このレースを走り切ることができたのは、わずか5名のみ。小川がいかに速かったのかが、この結果からもわかるだろう。
続いては、熾烈な戦いが予想される男子エリートレースの開催を迎える__。

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【結果】全日本シクロクロス選手権(2022-23)女子エリート
1位/小川咲絵(AX cyclocross team)50:12
2位/小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)+0:28
3位/石田唯(早稲田大学)+2:05
4位/渡部春雅(明治大学)+3:16
5位/大蔵こころ(早稲田大学)+4:40

画像:Satoshi ODA

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