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2023/11/10

P-Navi編集部

ツール・ド・九州2023 第3ステージ大分

ツール・ド・九州2023 第3ステージ大分

今年初開催のUCI(世界自転車競技連合)認定の国際ステージレース「マイナビ ツール・ド・九州2023」は10月8日、大会最終日を迎え、大分県日田市で第3ステージとなる大分ステージを開催した。

大分ステージは、大分県南部にある国際サーキット、オートポリスをスタートし、日田市中心部に向かう129kmのコースを使用する。パレード走行後、オートポリスを3周したのち、標高差700mを降り、山岳賞が設定された峠を2つ通過しながら北上、日田市中心部に設定された1周11.5kmの周回コースを5周する。オートポリス内と、周回コースの1周、3周完了時にスプリントポイントが設定されている。全体的に下り基調ではあるが、随所に細かいアップダウンが散りばめられている。



オートポリスから日田市に向かう大分ステージ。2回の山岳賞と3回のスプリントポイントが設定されている

この日は、早朝まで雨が降っており、スタート地点のオートポリスは、深い霧に包まれていた。前日まで厳しいレースが続き、タイムアウトを宣告された選手もおり、最終ステージのスタートラインにつくことができたのは、87名のみだった。

ツールド九州2023第3ステージ大分のリーダー
スタート最前列に並ぶ各カテゴリー首位の「リーダー」たち

最前列に並ぶのは、前日の第2ステージを制し、水色のリーダージャージを着る個人総合首位のアンドレイ・ゼイツ(アスタナ・カザクスタンチーム)。ランキングでは、2位に同チームのアントニオ・ニバリ(アスタナ・カザクスタンチーム)が25秒差でつけている。3位に27秒差で留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)が迫っており、逆転の可能性は残されていた。
上位は僅差で、7位までが1分差以内にひしめきあっており、展開によっては、順位の大きな入れ替わりも十分あり得ると言えるだろう。留目は新人賞の首位も守っており、エメラルドグリーンの新人賞ジャージでスタートラインについた。
山岳賞首位で水玉ジャージを着るのはベンジャミ・プラデス(JCLチーム右京)。留目が2ポイントで追っている。この日、最大8ポイント獲得できるため、ここにも逆転の可能性があった。
兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)が首位を守るスプリント賞も、この日はスプリント賞とゴール着順で最大34ポイントを獲得できる設定になっているが、現状の保有ポイントは31。最終ステージだけで、ゼロからでも塗り替えられてしまう可能性があるのだ。

オートポリスのサーキットでリアルスタートが切られると、兒島のスプリント賞を守りたいチームブリヂストンサイクリングが、隊列を組み、兒島を引き上げた。兒島は見事に1位通過し、ポイント賞死守のために重要なポイントを加算した。

オートポリスサーキット
深い霧に包まれたオートポリスのサーキット。ポイント賞ジャージを着る兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)を引き上げるべく、チームメイトが先頭を固める

集団は、霧のサーキット周回を終え、日田市内へ向けてのダウンヒルへ。だが、この下りの途中で転倒があり、ここになんと総合や山岳賞逆転をかけて走っていた新人賞首位の留目が巻き込まれてしまったのだ。留目は再スタートを切ることができず、ここで無念のリタイアとなった。日本人首位を行く若手選手の悲劇に、衝撃が走った。

松原ダム
松原ダムの横を抜ける集団

日田市を走る集団
日田市中心部の周回コースに向け、北上

レースは山岳賞ポイントへ。最初の4級山岳に向かう中で、10名程度の集団が形成された。一つ目の山岳賞は、山岳賞ジャージを着るプラデスが一位通過し、ポイントを積み増し、山岳賞首位を決定づけた。
その後、先頭集団に合流する選手が相次ぎ、下りで集団は22名に。続く2つ目の山岳ポイントでは、ゲオルギオス・ボウグラス(マトリックスパワータグ)が首位追加したが、プラデスも3位通過し、ポイントを獲得。

ゲオルギオスボウグラス
2回目の山岳ポイントではゲオルギオス・ボウグラス(マトリックスパワータグ)が先頭通過

下りで、ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)、ライアン・カバナ(キナンレーシングチーム)、デクラン・トレザイス(ARAスキップ・キャピタル)の3名の実力者が抜け出した。思惑は異なるものの、ダイボールとカバナの強力な走りで、集団との差を開いていく。

ツールド九州2023第3ステージ大分の先頭集団
ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)、ライアン・カバナ(キナンレーシングチーム)、デクラン・トレザイス(ARAスキップ・キャピタル)の3名が抜け出し、後続との差を開く

3名を追う先行していた集団と、大集団も日田の周回コースへ向かう。3名は周回コースに入る時点で、集団との差を1分40秒まで開いていた。大集団までは3分以上の差を付けていた。

ツールド九州2023第3ステージ大分
周回コースには多くの観客が集まり、声援を送っていた

首位のゼイツは2番目の集団に取り残されており、このままフィニッシュすれば、総合は大きく入れ替わる。
先行する3名の中で、総合成績が上位にいるのは、トップから54秒差の7位にいるダイボール。もし、このままのタイム差で逃げ切れば、個人総合はダイボールに入れ替わる。

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