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2023/11/30

P-Navi編集部

ジャパンカップサイクルロードレース

ジャパンカップサイクルロードレース

先頭集団は落ち着かず、飛び出しと吸収が繰り返される。また、アラフィリップが攻撃を仕掛け、集団を揺さぶる。冷たい雨が降りしき中ではあるが、観客の興奮が冷めない展開が続いた。
そして、ラスト3周。
マキシム・ファン・ヒルス(ロット・デステニー)が単独で先行していたアラフィリップを捉えた。

マキシムファンヒルス
逃げ続けたアラフィリップをマキシム・ファン・ヒルス(ロット・デステニー)が捉えた photo by Kei Tsuji

だが、ファン・ヒルスの先行は決定的な動きにはならず、じわじわとタイム差が縮まっていった。追い上げた集団から、世界王者も経験してきたベテラン、ルイ・コスタ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が飛び出し、最後の山岳賞をトップ通過した。
フェリックス・エンゲルハルト(チーム・ジェイコ・アルウラー)とギヨーム・マルタンが飛び出し、先行するコスタを追い始めた。2名は好ペースを刻み、じわじわとコスタを追い詰める。

ジャパンカップサイクルロードレースの最終周回
ギヨーム・マルタン(コフィディス)、ルイ・コスタ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)フェリックス・エンゲルハルト(チーム・ジェイコ・アルウラー)3名の集団が形成され、最終周回に入る photo by Kei Tsuji

ついに、コスタに合流し、3名の集団ができたところで、最終周回に突入。
6名の集団が追走に入っていたが、この時点で差は1分。厳しいレースと悪天候で疲弊した選手にとっては、大きなタイム差だ。
3名は互いの様子を見ながら、フィニッシュを目指す。リスクのある仕掛けを嫌ったのか、大きな動きがないまま、フィニッシュが近づいてくる。タイム差は縮まらず、事実上、3名の間での決戦で勝者が決まる流れになった。

ようやく動きが生まれたのはラスト300m。最初に動いたのは、マルタンだった。ロングスプリントを始めたマルタンを、絶妙なタイミングでスプリントに入ったコスタは、パワフルに加速。ぐんぐんと伸び、力強いガッツポーズを見せながら、フィニッシュラインを越え、記念すべき30回記念大会の勝者となった。

ルイコスタ
巧みなスプリントで制したルイ・コスタが勝者となった photo by Makoto AYANO

2位にはエンゲルハルト、3位にマルタンが入っている。

「テンポの速い厳しいレースだった。雨と寒さで、更に厳しいレースとなった」と振り返ったコスタは、「強いチームで臨んでいたので良い結果を残そうと思っていた。優勝できて本当に嬉しい」と、雨が上がり、嘘のような青空が広がった表彰式で、笑顔で語った。

ジャパンカップサイクルロードレース2023の表彰式
優勝したコスタ、エンゲルハルト、マルタンの表彰台。降り続いた雨が上がり、晴天の下での表彰式となったphoto by Makoto AYANO

国内勢の中から唯一展開に足跡を残した岡本隼がアジア最優秀選手賞を獲得した。

岡本隼
アジア最優秀選手賞を獲得した岡本隼 photo by Satoru Kato

山岳賞の表彰は、アラフィリップとコスタという世界王者が二人並ぶ圧巻の光景に。

アラフィリップ
2回の山岳賞を獲得し、二つの花束を持つアラフィリップ photo by Makoto AYANO

雨の中、最後まで声援を送り続けた観客たちの多くが会場に残り、大きな歓声で最後の最後まで、表彰式を彩った。
悪天候にも関わらず、およそ8万人が観戦に訪れたジャパンカップサイクルロードレース。観客が放つ熱気に応えるように、世界のトップスターたちは、冷たい雨の中でも、全力で戦う姿を見せてくれた。

このレースの観客動員数は74,000人(主催者発表)。観戦を終えた観客は、目の前を駆け抜けた世界のトップ選手のスピードや迫力に圧倒されたと、興奮気味に語ってくれた。
トップレーサーのレスペクトを受ける大会に成長したジャパンカップ。宇都宮市の佐藤市長によれば、これからも、なおいっそうの成長を続けていく予定だという。これまでレースに足を運んだことのない方々も、来年のジャパンカップはぜひ現地で観戦してみてほしい。

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【結果】ジャパンカップサイクルロードレース
1位/ルイ・コスタ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、ポルトガル)3時間28分22秒
2位/フェリックス・エンゲルハルト(チーム・ジェイコ・アルウラー、ドイツ)
3位/ギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)+2秒
4位/マキシム・ファン・ヒルス(ロット・デスティニー、ベルギー)+27秒
5位/ゲオルク・ツィンマーマン(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、ドイツ)+1分34秒

【山岳賞】
3周目、6周目/ジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ、フランス)
9周目/ジェームス・ノックス(スーダル・クイックステップ、イギリス)
12周目/ルイ・コスタ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ、ポルトガル)

※( )内の国名は、選手の国籍

画像  ©JAPAN CUP CYCLE ROAD RACE 2023

※トップの写真
宇都宮市森林公園の特設コースで開催されたジャパンカップサイクルロードレース。photo by Makoto AYANO

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