天野記者の『オートレースNOW』Vol.26
5期連続でランク1位の鈴木圭一郎(浜松32期)が、2019年最初のSGにシッカリと照準を合わせてきた。4月27日~5月1日、浜松オートレース場で行われる第38回オールスターで、主役を務めるのは若き帝王になりそうだ。直前の浜松開催を完全優勝して、臨戦態勢は整っている。それでも、現状に満足はしていない。
「落車などでファンの方に迷惑をかけているし、地元のSGなので、さらに上を目指したい」
ランク1位になった際に、「ズーッと、守っていきたい」と、語った目標を、シッカリ実現できているのはこの向上心の賜物。「結果は意識せず、良かった時のステージに自分を上げたい」がモットーだ。
鈴木圭一郎流の姿勢でSGに参戦するとは言え、レースぶりを見ると優勝の最有力候補なのは明らか。完全優勝は今年2回で通算14回目。あまりの強さゆえにスーパーハンデ、2級車のレースなどで苦しめられたが、同じ土俵ならば、実力がストレートに反映できる。昨年は138戦89勝で、青山周平(伊勢崎31期)の保持していた年間86勝の記録を更新。このコラムでも書いたが、3連対率92%超は脅威の数字だ。
もちろん、他選手たちも「鈴木圭一郎の独走を許す訳にはいかない!」との気持ちも強い。今年、ここまで行われたグレード戦、計7レースの優勝者は7人。
☆G1シルクカップ(1月・伊勢崎)= 淺香潤(伊勢崎23期)
☆G1スピード王決定戦(2月・浜松)=鈴木圭一郎
☆G2レジェンドカップ(2月・伊勢崎)=高橋貢(伊勢崎22期)
☆G1開設記念グランプリレース(3月・川口)=高橋義弘(川口29期)
☆特別G1プレミアムカップ(3月・山陽)=中村雅人(川口28期)
☆G2オーバルチャンピオンカップ(4月・飯塚)=有吉辰也(飯塚25期)
☆G1平成チャンピオンカップ(4月・山陽)=佐藤貴也(浜松29期)
というように、いずれもウイナーは変わっており、鈴木圭一郎のエンジンが少しでも変調がきたせば、チャンスが出てくる。
3年7ヶ月ぶりにG1を制した中村雅人を筆頭に、いずれも優勝戦線に絡んできておかしくはない現況。また、実力者に対し、新鋭の活躍なるか?33期は5人が参戦、ランク最上位はA級66位の黒川京介(川口33期)で、優勝3回は同期最多。レースぶりは1走ごとに堅実になっている印象で、SGは2018年全日本選抜(浜松)に続いて、2回目となる。初の大舞台では3・2・6・4・2着と、3回も車券に絡み、ファンを沸かせた。
「2度目だし、前回以上の成績が残せるように頑張る」
と、本人も相当、気合が入っている。
中村杏亮(飯塚33期)は2018年若獅子杯を優勝。同期で真っ先にグレード戦を制した。G2優勝の実績が評価され、日刊スポーツ制定オートレース三賞の敢闘賞も受賞していて「SGでも善戦したい」と、意欲的だ。
4人が挑む女子では、やはり、佐藤摩弥(川口31期)に最も期待がかかる。昨年はG2格のスーパースターシリーズ(川口)を優勝、SG日本選手権では女子では初めて優勝戦に進出した。直近の浜松では3連勝で優出しており、マシンは高いレベルに仕上がっている。
「エンジンは大崩れがないので、気候にシッカリ合わせたい」
自身に満ちた表情を浮かべる。
当コラムは26回目の今回が最終回となる。
約1年半に渡り、ご愛読いただき、本当にありがとうございました。
最後に今年1月からつけ始めたギャンブル収支は……3月末時点でマイナス79,200円、月平均で26,400円やられていることになる。収支をつけることで、どうしても慎重になり、本命サイドの予想が多くなる傾向。どうやら筆者の性格には向いていないようなので、4月からは今まで通りの“丼勘定”に変えた次第である(笑)。
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