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2017/11/28

Yasuhiko Amano

天野記者の『オートレースNOW』Vol.3

天野記者の『オートレースNOW』Vol.3

最近、鈴木圭一郎(浜松32期=22歳)絡みの車券を獲るのは難しい。このことを痛感したのは11月19~23日に飯塚オートレース場で行われたG1開設61周年記念だ。5走オール1着での完全優勝、初日から圧倒的な強さを見せて優勝戦も圧勝した。
なぜ車券が当たらないかというと、威力を増してきた“圭一郎オッズ”ゆえに人気は1本かぶりとなり、2着、3着選択に頭を悩ませるからだ。

飯塚G1を振り返ってみる。印は私、天野が担当するネット配信の「日刊スポーツ直前予想」(…は無印)で、レース結果は下記の通りだった。

◆初日  ①◎鈴木圭一郎②○鐘ケ江将平③▲桜木公和  8→7→2=620円
◆2日目 ①◎鈴木圭一郎②…佳元光義 ③△松尾隆広  8→1→5=2,380円
◆3日目 ①◎鈴木圭一郎②▲佐藤裕児 ③…高宗良次  8→3→1=2,160円
◆4日目 ①◎鈴木圭一郎②△越智尚寿 ③▲岩見貴史  8→2→4=790円
◆5日目 ①◎鈴木圭一郎②△有吉辰也 ③○岩田裕臣  8→4→3=3,070円

結局、車券を獲れたのは初日だけ。印が抜けてしまった2日目、3日目はある意味、仕方がない。しかし、4日目、5日目も獲れないとは。
“圭一郎オッズ”は3連単で1,000円以下が3つも4つもある。そこを買うと押さえの車券を買うのは無理……“トリガミ”になる可能性が高い。ギャンブルは当てるためではなく、儲けるためにやっているのだから。
以前は鈴木圭一郎に助けてもらうケースが多かったが、今回の飯塚G1は違った。強さが倍増して、オッズがさらに下がったからである。鈴木圭一郎のレースで注目するのは2、3着争い。“記者”としては問題かも知れないが、車券を買っている“ファン”の1人としては当然のことだろう。

優勝戦は8枠から弾丸スタートを決めて、1周3角では早くも2番手へ。この時点でVは決まったようなもの。3周1角で岩田裕臣を捲くると後は独走状態。残りの6周回は鈴木圭一郎の後続しか見ていなかった。CS放送などのテレビ中継も鈴木圭一郎のレースは連下争いを中心に放送して欲しい。1着は既成事実のケースが多いからだ。

鈴木圭一郎が主役を務める年末の大一番、川口オートレース場で開催されるSGスーパースター王座決定戦トライアル戦の出場メンバー16人が決まった。所属場別に見ると浜松、伊勢崎が各4人、川口、山陽が各3人、飯塚が2人。注目しているのは伊勢崎勢で、絶対王者・高橋貢(伊勢崎22期=46歳)の存在が大きい。
オートレースグランプリで4年8ヶ月ぶりにSGを制覇して、ダブルグランドスラムを達成。鈴木圭一郎を2着に退け、5大会連続SG優勝を阻止した。鈴木圭一郎、俄然(がぜん)有利のムードの中で「若手の壁になる」という言葉を見事に実行、ベテランの意地を炸裂(さくれつ)させたのだ。
高橋貢は競馬好きで知られ、ディープインパクトの会員馬主にもなっている。同馬が出走した凱旋門賞を一緒に観に行ったこともある。普段はジョークも言う気さくな人柄だが、エンジンの状態が悪いときは一変。近寄りがたいムードを漂わせて整備に没頭する。デビュー27年目、勝利への執念は衰えるどころか増していると感じる。

飯塚G1では“圭一郎オッズ”に翻弄(ほんろう)されたにも関わらず、宿泊先の小倉では連夜のようにガールズバー、スナックへ。破綻(はたん)した財政をどう立て直すか?年末に向けて、競馬、競輪、ボートレースにも今まで以上に気合を入れて取り組まなければ。

Text & Photo/Yasuhiko Amano

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