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2021/11/03

Yusaku Koshou

古性優作の「KOSHOW TIME!」Vol.5

古性優作の「KOSHOW TIME!」Vol.5

みなさん、こんにちは。競輪選手の大阪100期、古性優作です。
10月の平塚記念から復帰して、10月は寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメントを走り終えました。
オールスター競輪でG1を優勝できましたが、それからも自分としては今まで通りで、何も変わっていません。練習している記憶しかないくらい、次のレースに向けて、練習の日々を送っているところです。

今回も、まずは10月のレースを振り返りたいと思います。

◆復帰戦の平塚記念◆
9月末からの平塚で復帰しましたが、あの時は「出力」が全然出ていない感じでした。出力というのは、自転車に伝える力のことで、出力が出ていないと、まるでスポンジを踏んでいるような感覚になります。力がすごく逃げてしまって、伝わっていないような状態ですね。また、体の締まりもなかったのですが、これは日を追うごとに締まってきて、3日目の準決勝ではすごく良い感触になりました。ですが、今までずっと締まっていなかったものが、逆に締まりだしたので、今度は体力的に疲労が溜まってしまい、最終日まで持たなかったという感じでした。平塚記念から寛仁親王牌に向けて、練習も工夫しましたが、自分が思った以上に上がり幅が少なくて、G1を戦うには少し微妙で、物足りない仕上がりだったと思います。ウエイトトレーニングをして、自転車にも乗って、いつも通りに上がっていくつもりだったのですが……。気温の変化もありますし、要因はいろいろあると思いますが、単純に時間も足りませんでした。

◆寛仁親王牌での戦い◆
初日は日本競輪選手会理事長杯からのスタートで、単騎戦でした。自分は単騎のレースのときでも、基本的に自分の後ろにラインがついていると思って、普段と変わらず、仕掛けるところでしっかりと仕掛けるイメージで走っています。結果は2着でしたが、やはり物足りなさがありました。今回は初手がイメージと違ったのでレース中に作戦を変更したのですが、単騎ですんなり4番手に入りましたし、後ろももつれている状況。僕が一番良い位置を回ってきたのですが、その割には伸びませんでした。

準決勝もとても難しいレースで、自分の力不足を痛感。中川誠一郎さんがけっこう外目を走っていたので、そのまま外に膨れていくのか、どうなるのか。判断するのが難しく、踏むのが遅くなりました。後ろに付いてくれた東口(善朋)さんにも迷惑をかけてしまいましたね。寛仁親王牌の4日間は、本当にレースになっていませんでした。

◆タイトルホルダーとして◆
今回の寛仁親王牌がタイトルホルダーとして迎える初めてのG1だったので、よく聞かれたのですが、自分の中で今までと全く変わったことがありませんでした。近畿の選手として責任感ある走りをすることは、S級になってから、村上義弘さんを見て、ずっと感じてきたこと。責任感をずっと持って走っていたので、タイトルを獲ったからといって、そこが変わることは無いですし、プレッシャーみたいなものも無かったです。今まで通りの走りができれば良いなと思っていましたが、今回は結果がついてこなかったので、そこはすごく残念に感じています。G1を獲ったからといって自分の中では、ビックリするほど心境の変化が無く、まだまだ挑戦者。強い選手はいくらでもいるので、ずっと探求心を持って走れていると思いますし、燃え尽き症候群みたいなものには全然なっていないですね(笑)。

◆年末のビッグレースに向けて◆
まず競輪祭は、シンプルに6日制の中で5日走るので、体力的なものがかなり必要です。そこが一番キツイなと思います。オールスターも6日制ナイターでしたけど、競輪祭は初日が全部、一次予選なのも大きいです。気持ちの変化が良い意味で無いので、いつも通り競輪祭に向けて頑張っていくだけ。心の余裕もないですし、勝負駆けするくらいの気持ちで、気迫を持って走れたら良いなとは思っています。トレーニングのスケジュールも決めているので、競輪祭までもう1カ月を切っていますし、ピンポイントではなく、全部を底上げしていくイメージです。
KEIRINグランプリに関しては、今年初めて出場できるので、寛仁親王牌で村上義弘さんに調整の仕方などを教えてもらいました。そこで教えていただいたことにの中に、ハッとした部分や、納得するところが凄くたくさんあったので、そのイメージを持って、年末を迎えたいと思います。

◆メッセージ◆
寛仁王牌から1日も休まず練習しているので、体も良い感じに締まってきましたし、段々良くなってきていると思います。今は疲れが溜まっている状態なので、体を楽にして、これから良い状態に保っていけるようにしていけたら良いかなと思います。短期間で変わることは少ないですが、強くあり続けるためにも頑張りたいです。これからも一走一走、車券に貢献できるようにがんばりますので、応援よろしくお願いします。

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【過去のコラムはこちら】
古性優作選手コラム「KOSHOW TIME!」
Vol.4
Vol.3
Vol.2
Vol.1

【略歴】

古性優作(こしょう・ゆうさく)

1991年2月22日生 大阪府出身

2006年から2008年までの3年連続で全日本BMX選手権大会を優勝。
2011年7月に第100期生として岸和田競輪場でデビュー。2014年11月松戸競輪場でS級初優勝すると、2016年12月には地元の岸和田記念でG3初優勝。さらに2021年7月の福井記念で通算6回目のG3優勝。そして8月のオールスター競輪で念願のG1初優勝を達成した。あらゆる展開に対応する変幻自在の走りが魅力。

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