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2023/06/08

岩井範一

神山雄一郎の900勝達成

神山雄一郎の900勝達成

レジェンドと言われる神山雄一郎(栃木61期)が、6月3日の函館(F1)初日の予選8レースで1着となり、通算900勝を達成した。1988年5月にデビューし、35年をかけてのこと。2月27日の向日町(F1)初日に1勝を挙げ、900勝に王手をかけていたが、そこからが長かった。5月の宇都宮記念では神山が900勝を達成したとき用に、施行者がお揃いのTシャツを作り、参加選手に配るなどしていた。
函館には、縁がある。デビューして、なかなかタイトルを獲れないでいた1993年の「ふるさとダービー函館」(G2)でビッグレース初優勝。これを機に、神山はタイトル戦線に浮上し、あとは承知の通り。1999年には井上茂徳、滝沢正光に次ぐグランドスラムを達成。競輪以外でも1996年のアトランタ、2000年のシドニー両五輪に出場するなど、競輪を知らない人でも「神山」という名前は聞いたことがあるというレベルまで、業界を牽引してきた。

知人の記者によれば、「性格は真面目。真面目すぎるかもしれない。記者に囲まれても優等生的な答えばかりだったし、無口だった」と聞いた。だが、年齢を重ねるにつれて「口数も多くなってきて、笑顔を見せる場面も増えてきた」とのこと。知人も含め、メディアの中ではダントツの一番人気らしい。報道陣を大切にする姿勢は、まさに優等生といったところだろう。
趣味も自転車で、四六時中、自転車のことを考えていると言われている。口は悪いが「神山さんから自転車を取ったら、何も残らないんじゃないかな」という選手もいるらしい。もちろんこれは、神山を尊敬しているからこその言葉である。獲得賞金も29億円を超え、30億円も見えてきた。もう難しいかもしれないが、KEIRINグランプリをどうしても獲らせてあげたいと思っているのは、筆者だけではなかろう。4年連続の2着など、これほどの実績がありながら手が届いていない。

神山雄一郎

神山の快挙に業界は沸いた。選手からも祝福の嵐だったそうだ。神山に憧れて選手になった人間も多い。年齢的な衰えは、もちろん隠せないが、それでも毎レース、真摯に向き合う神山の姿にファンは感動する。今後、どこまで勝ち星を積み上げられるかは分からないが、元気な走りでファンを沸かしてほしい。

岸和田競輪

さて、13日から第74回高松宮記念杯競輪(G1)が岸和田競輪場で開催される。今年から6日制になるなど、伝統の東西戦が一段と楽しみになってきた。やはりここも、脇本雄太、古性優作の2人が中心になろう。これを新田祐大、新山響平が追う展開か。特に古性は地元開催ということもあり、意気込みが違う。3日は甲子園球場で始球式を行うなど、PRにも懸命だ。人気球団での始球式は、メディアにも取り上げられ効果抜群。施行者の意気込みも伝わってきた。岸和田市はそういった広報活動がうまい施行者だと言える。時間があれば現地で生観戦したいと思っている。

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta navi編集部

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