TOP > コラム > 若手が台頭してきた競輪界

コラム

一覧へ戻る

コラム

2023/09/17

岩井範一

若手が台頭してきた競輪界

若手が台頭してきた競輪界

15日に開幕した第39回共同通信社杯(G2)については、原稿締め切りの関係で、次回に触れたいと思うが、眞杉匠に続けとばかりに、犬伏湧也などの飛躍に期待したいと思っている。

共同通信社杯の結果にもよるが、年末の「KEIRINグランプリ2023」(12月30日、立川競輪場)の出場争いが佳境を迎えてきた。まだ9月で、残りのG1は「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」「競輪祭」と2つあるのに気が早いと思われるかもしれないが、そうとばかりは言っていられない。
今年のG1は「全日本選抜競輪」「高松宮記念杯競輪」を古性優作。「日本選手権競輪」を山口拳矢、そして「オールスター競輪」は眞杉匠が制しており、この3人はKEIRINグランプリ2023の出場が確定。共同通信社杯前までの賞金ランクを見ると、上位3人はタイトルホルダー。4位以下は、佐藤慎太郎が1億円近く稼いでおり、続いて松浦悠士、脇本雄太が8000万円台。7位が清水裕友で7000万円台。8位の新山響平と9位の新田佑大、10位の守沢太志は5400万円台で差はほとんどない。

残り2枠を「寛仁親王牌」「競輪祭」の勝者が取るとすると、ボーダーは7位の清水と言うことになる。清水と新山以下の差は約2300万円。東北のS級S班トリオは共同通信社杯をどうしても獲りたいところだ。仮に優勝したとしても、ボーダー上になる。12位で約4900万円の犬伏も、ここは獲りたいところだろう。平原康多、郡司浩平は共同通信社杯で一次予選敗退。S班常連であるが、「寛仁親王牌」「競輪祭」のいずれかを獲らないと苦しい。

KEIRINグランプリは、選手にとって最高の栄誉だと言われている。優勝賞金もそうだが、1年を通して活躍してきた証しがあるからだ。よく年頭のメディアに掲載された記事には「今年の目標はグランプリに出ることです」と書かれている。もちろん、これには「タイトルを獲って出場」の意味合いが濃いが、ある時から賞金での出場を考える時がやってくる。ただ、賞金の上積みばかりを考えていると競走が小さくなり、成績は下降線をたどることが多いと感じている。特にボーダー以下で、可能性がある選手は、それが顕著ではないだろうか。

山口拳矢や眞杉匠らの若手が台頭し、現在の競輪界は、世代交代のうねりが最高潮に達していると考えている。だからこそ、若手には山口や眞杉のようにタイトルを獲っての出場を望みたい。ファンとしては、犬伏の力でねじ伏せるレーススタイルは、たまらないものがある。まだまだキャリア不足は否めないが、深谷知広以来の、本物の大物だと確信している。結局のところ、ただ勝つのではなく、ファンにインパクトを与えながら勝てるのも重要な要素であろう。
果たして結果はいかに? 詳しくは、次回に書くとしよう。

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta navi編集部

***************
【岩井範一の過去コラムはこちら】
北井佑季の躍進
オールスターを振り返って
楽しみな若手レーサー
少数の車立てレース
盛況だったサマーナイト
函館のサマーナイトフェスティバル
ルーキーシリーズは続けるべきか
オールスターファン投票
高松宮記念杯を振り返る
神山雄一郎の900勝

ページの先頭へ

メニューを開く