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2023/08/10

岩井範一

少数の車立てレース

少数の車立てレース

ここのところ、気になる現象がある。
今の競輪は、G3以上は9車立てなのだが、普段の開催は7車立てが基本になっている。ただでさえ、昭和世代の筆者にしては、7車立てでも嫌で仕方ないのだが、最近は、どこの競輪場でも、5車立て、6車立ての競走も多く見かけるようになってきた。百歩譲って落車や失格などがあり、2日目以降は少数の車立てになるなら、少しは理解できるが、初日から6車立てということもチラホラ見る。
どうして、初日から少数の車立てになったのかは分からないが、ファンとしてみれば寂しい限りだ。当日、何らかの理由、例えば体調不良などで参加できなかった場合、主催者は補欠選手を数人確保していないのだろうか? 補欠選手が各競輪場で取り合いになるといったことも聞いたことはあるが、これも、おかしな話しだろう。取り合うほどなら、開催日程を考えればいいだけではないだろうか。いずれにしても、初日から少数の車立ては興ざめである。

また、多くのスポーツ紙は、大体が本命をはじめ、印が5つ付くと記憶している。となると、5車立ての場合は、全ての選手に印が付くという不思議な現象が起こる。どうみても勝負にならない点数の選手や、引退が決まっている選手などにも何らかの印が付いている。競輪歴がそこそこあれば、そのようなことも分かるが、初心者が見た時は、どう思うのだろうか? キャリアがある人間なら、勝ち負けできない選手は分かるのだが、初心者はそこまで分からない。全員に印が付くのはいかがなものか? 例えばスポーツ紙も、5車立ての場合は、印を3つにするのはどうだろうか。

少数の車立ての原因の一つに、失格もあるとされている。
内圏線踏み切りという失格は、4コーナーを回ってから、ずっと最内、俗にいう赤いところを走り続けての失格である。少しでもそこから上を走るだけで、失格は避けられるのだが、ここ最近は、やたら目についてしまう。先行選手が、相当、早く全力でもがいて力を使いすぎた結果ならば、まだ分かるのだが、追い込み選手がこの失格をするのは、どうも理解できないでいる。

また、危惧していることもある。この酷暑である。モーニングやナイター、ミッドナイトなら分かるが、普段の昼間開催では、選手の体調が心配になる。気温が35度をこえれば、バンク内は40度以上にもなるし、体感はさらに上がる。お金がかかっているギャンブルである以上、選手のコンディションをもう少し主催者は考えてもいいのではないだろうか? 走る直前に、熱中症の症状が出ていたとしてもファンは分からない。モーニングとまではいかなくても、もう少し早い時間にスタートさせるとか、逆にナイターより少し時間を早めるなど、今の状況に合わせた運営をしてもいいのではないだろうか。

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta navi編集部

※掲載写真はイメージで、本文とは関係ありません。
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