古性優作の「KOSHOW TIME!」Vol.15
皆さん、こんにちは。古性優作です。
久しぶりのコラムになります。
まず今年、ここまでを振り返ると、脇本雄太さんにすごく助けてもらった1年でした。さらに、近畿地区の先輩、後輩、家族、そして、もちろんお客様にも支えてもらった、そんな1年だったと思います。
◆ここまでの振り返り◆
応援のおかげもあって、今年ここまで、G1を3回優勝することができました。しっかりと1年を通して、トレーニングをすることができていたので、自分の中ではビックリというほどの感じではありません。トレーニングをしてきた成果、今まで積み重ねてきたことを、G1の舞台でしっかりと出すことができた。それが一番、大きかったと思います。
今年、自分の中で掲げていた目標は「安定して1年間、戦えるようにする」こと。振り返ってみれば、成績的な部分では安定していたとは思いますが、自分の中で物足りない部分もすごくありました。それは、特に後半戦です。もっとできたかなと思いますし、2月、3月は感触的にもすごく良かったのですが、そこをピークにして、後半戦は落としていってしまいました。このピークは、自分の中の感触的な問題です。ただ感触を上げていくだけなら、難しいことではないのですが、感触だけを上げると、脚力は落ちていってしまいます。筋肉痛が残るくらいしっかりとトレーニングをして、さらに感触も合わせて求めていくとなると、繊細なトレーニングも必要になってきますし、とても難しい部分でした。
今年の2月、3月は、それが上手にいっていました。しかし、そのときにやっていたことを今やっても、よくなるとは限りません。いろいろな角度からやっていかないと、頭打ちしてしまうし、他人と同じことをやっていても、その人以上に強くなることもできません。そこを考えて、今年はトレーニングをしてきました。
◆若手の台頭◆
そして、もうひとつ、今年は若い選手がレベルアップしてきたとも感じています。自分はレースの中でのタテ脚だったり、今年から取り入れた自転車の乗り方だったり、試したことを結果につなげることができたので、レベルアップできた1年だったと思っているのですが、それ以上に、若い選手たちが力をつけてきました。S級S班のメンバーがガラッと入れ替わったことでも、そう感じています。近畿地区では若い選手の成長は、他地区に比べると、まだまだかなとは思いますが、若い選手の成長度や、レースでのスピードも上がってきてると感じた1年でもありました。
でも、自分はいつまでもチャレンジャーという気持ちは変わっていません。もし、自分が脇本さんくらい強かったら、どんどん見える景色も変わっていくのかもしれないですが、今の自分では、最強になれるわけではありません。自分の苦手な部分で、相手をねじ伏せることができるようになるのは、とても難しいこと。もちろん、ずっと目指しているのですが、だからこそ、自分に満足することは一生ないのかなとも思っています。
もし、今年の2月に全日本選抜を優勝した時に満足してしまっていたら、もう次のG1は獲れていなかった、今年のG1タイトルは、その1個で終わっていたはずです。それに、今年ここまでの結果にも、まだまだ満足はしていません。これは、心の底から思っている本能的な部分だと思います。今の地位を守りたいという気持ちもありませんし、そもそも地位があるとも思っていません。まだまだ自分の中では誇れるような成績を出しているとも思っていないので、チャレンジャーとして、ガツガツ頑張っていくだけ。常にそう考えているからこそ、今年の結果に繋がっているのかなと思います。
寛仁親王牌で今年3回目のG1優勝を達成!
◆グランプリに向けて◆
今年の2月、3月がピークと書きましたが、今もトレーニングをしっかりと続けて、現状は、だんだんと良くなってきたかなと思っています。今はトレーニングで体の疲れがだいぶたまっており、かなりしんどい状態なので、あとは、そこがどうなるか。でも、しっかりトレーニングできているということは、自信をもって言えます。
グランプリは今年で3回目です。グランプリは、競輪を全く知らなくても、テレビなどでレースだけは見る方も多いですし、一般の方の目が違います。G1もすごいですが、グランプリは改めて特別だなとは思うので、そこに関しては、興奮していく感覚が、毎年あります。でも、目の前の一戦、一戦、自分の全力を出して頑張るという気持ちは、グランプリでも変わりません。
1回目と2回目の出場経験があるので、1回目に良かった部分、2回目に良かった部分、そこをしっかりと見直して、調整して、よりベストな状態で迎えられたらいいなと思います。今年のグランプリは、近畿から脇本さんと2人。グランプリの舞台でワンツーを決められるのが、ベストかなと思います。
今年も応援していただき、本当にありがとうございました。皆さんの応援のおかげで、今年は安定した成績が残せたと思っています。グランプリ、そして来年も応援してもらえるように、頑張りたいと思います!
※グランプリの並び等、19日に実施された共同記者会見でのコメントはこちらからご覧ください。
***************
【過去のコラムはこちら】
古性優作選手コラム「KOSHOW TIME!」
Vol.14「連覇のかかる地元G1」
Vol.13「日本選手権競輪に向けて」
Vol.12「グランプリから新年へ」
Vol.11「受け継いでいくもの」
Vol.10「初めてのドリームレース」
Vol.9「日本一になるために」
Vol.8「全日本選抜競輪優勝」
Vol.7「グランプリ覇者として」
【略歴】
古性優作(こしょう・ゆうさく)
1991年2月22日生 大阪府出身
2006年から2008年までの3年連続で全日本BMX選手権大会を優勝。
2011年7月に第100期生として岸和田競輪場でデビュー。2014年11月松戸競輪場でS級初優勝すると、2016年12月には地元の岸和田記念でG3初優勝。そして21年8月のオールスター競輪で念願のG1初優勝。KEIRINグランプリ2021では初出場・初制覇の快挙を達成してMVPにも輝いた。その後もG1優勝を重ねて、現在は通算6回の制覇。2023年には史上6人目となるG1年間3Vをマーク。G1グランドスラムまで、あと残すは日本選手権と競輪祭。あらゆる展開に対応する変幻自在の走りが魅力。
Recommend
New Article|コラム
2024/08/26
2024/08/22
2024/08/11
Recommend
NEW
2024/09/25
NEW
2024/09/25
NEW
2024/09/17