ツアー・オブ・ジャパン2022、開幕!

日本を縦断するステージレース「三菱地所 presents ツアー・オブ・ジャパン(以降、TOJ)2022」が5月19日に開幕した。UCI(世界自転車競技連合)認定の国際レースであり、通常は、大阪、京都、三重、岐阜、信州飯田、富士山、相模原、東京の8ステージで構成される歴史ある大会で、今年24回目の開催となる。
地域の方々に迎えられ、開幕したツアー・オブ・ジャパン信州飯田ステージ
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、昨年は国内チームのみが参戦。さらに、ステージを3つに減らし、無観客で開催された。今年は、エントリーは国内チーム中心だが、ステージは後半部分の4ステージに増え、観客を迎え入れ、開催する形になった。
出場チームは16チーム。5名の日本人が所属し、日本企業をスポンサーとするEFエデュケーション・NIPPO デヴェロップメントチーム(スイスを拠点とするアメリカ国籍チーム)以外は、すべて日本に籍を置くチームだ。国内チームは、UCI登録チーム9つと、クラブチーム3つ、大学チーム2つと、日本ナショナルチームがエントリー。
今大会で第1ステージとなる信州飯田のコースは、平坦がなく、常に厳しいアップダウンを繰り返すハードさで知られている。例年は、大阪の個人タイムトライアルから始まり、3ステージを経てたどり着く難関コースが、冒頭に設定されたことで、どんな変化が生じるのか、各チームはどう走るのか、注目された。
朝10時前、選手たちがスタートラインに集まった。この飯田ステージは2019年以来、3年ぶりの開催となる。例年は飯田駅前からのパレード走行があったのだが、今年は、パレードを割愛し、周回コースから300mほど脇道を入った場所にスタートゴールが設定され、周回を回るシンプルな構成となった。
シンプルに周回する形になった信州飯田ステージ
山岳賞に向かう厳しい上り以外もアップダウンが続く
スタート後は、若干の緩やかな下り基調エリアがあるものの、一気に山岳賞ポイントが設定された最高標高地点まで上る。このあとは「TOJコーナー」と名付けられた鋭角コーナーまで下り、天竜川沿いを南下し、また山岳賞への上りへと向かう。今年はスタート/ゴールから周回に入り、1周12.2kmのコースを10周回する119.6km(走行総距離はニュートラル区間3kmを加えた距離となる)の設定で競われる。アップダウンやコーナーなど、気が抜ける部分がなく、TOJの中でも、もっとも厳しいコースと、選手に恐れられてきたコースだ。今年は全員がフレッシュな状態で臨むことになる。
TOJでは各ステージにホームチームを設定しており、信州飯田はチーム右京相模原のホームとなる。このホームチームはしっかり飯田に根付いており、多くの市民がスタート脇で、チーム右京のフラッグを振って応援していた。
選手たちに参加チームの国籍の旗を振り、応援する地元の園児たち
スタートラインに79名の選手が並び、午前10時にスタート。ニュートラル区間を終え、リアルスタートが切られると、序盤からアタックがかわされる。早々に山本元喜(キナンレーシングチーム)やレイモンド・クレダー(チーム右京)らの有力選手が含まれる5名の逃げが形成されたが、マトリックスパワータグがコントロールするメイン集団はこれを許さず、ペースアップし、この5名を飲み込んでしまった。厳しいコースにも関わらず、レースはハイペースの展開に持ち込まれ、第1ステージの序盤から多くの選手が苦しむ形に。
スタートを待つ選手。今年は周回から細い道を入った部分にスタートゴールが設定される形になった
4周回目、世界最高峰のレース、ジロ・デ・イタリアにも出場経験のある石橋学(チーム右京)、シクロクロスでも日本のトップを行く織田聖(EFエデュケーション・NIPPO デヴェロップメントチーム)、近年好調を見せる⻄尾勇⼈(那須ブラーゼン)、2018年度の全日本チャンピオン山本元喜(キナンレーシングチーム)による4名の逃げ集団が形成された。メイン集団は、この逃げを許し、最大1分のタイム差を開いた。レースはいったん落ち着きを見せる。
険しい上りの上にある山岳賞に向かう集団。路面には選手への応援メッセージがチョークで描きこまれている
鋭角コーナーの名物「TOJコーナー」
6周回目、4名は吸収されたが、本場欧州のレースに挑んでいる日本注目の若手、石上優大(EFエデュケーション・NIPPO デヴェロップメントチーム)と、重要なところでいつも動いてくる実力者・小石祐馬(チーム右京)の2名がアタック、先行した。先頭を走るホームチーム、チーム右京の小石の快走と、若手の健闘に会場は沸いた。
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