Jプロツアー第5戦・西日本ロードクラシック

集団はふたたび一つになったが、厳しい展開の中で、選手の数も減っており、先頭は30名ほどに絞られていた。
先頭はマトリックスパワータグが固め、集団を強固にコントロール
この集団の先頭にはマトリックスパワータグのメンバーが並び、勝利への意欲を示して見せた。集団から抜け出しを図る動きは生じるものの、先頭に陣取ったマンセボが目を光らせ、危険な動きをつぶしていく。
マンセボは先頭に立ち、ハイペースに引き上げながら、ライバルチームの動きに目を光らせる
ハイペースを刻む集団は、そのまま最終周回に突入した。ゴール勝負に向けて各チームが隊列を整え、位置取りを行い、緊張感の高まる集団は、周回前半をこなし、最後の下りを越え、ラストの上りでも、仕掛ける選手は出て来なかった。
緩やかに下り、ラスト200mに差し掛かるタイミングで、先月までリーダージャージを着ていたスプリンター岡本隼(愛三工業レーシングチーム)を率いた草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)が先頭で飛び出した。
先行した草場啓吾(愛三工業レーシングチーム・中央)の左から岡本勝哉が追い上げる
このまま草場、岡本隼が加速し、スプリントを始めるが、この後ろにぴったりと付いていた岡本勝哉(チームブリヂストンサイクリング)が左側から飛び出し、強烈な伸びを見せる。
フィニッシラインでハンドルを押し込み合った草場と岡本勝哉の勝負となったが、判定は、ごく僅差で競り勝った岡本勝哉の優勝となった。
ごく僅差で、フィニッシュラインでハンドルを押し込んだ岡本勝哉が勝利をもぎ取った
岡本勝哉は、まだ日本大学の3年生。今期の新加入選手だ。この勝利はもちろんプロ初勝利。しかもJプロツアーの「ゴールド」レースで、まさにうれしい金星を挙げることになった。
プロ初勝利を決め、喜びに笑みがこぼれる岡本勝哉
2位に草場、3位には岡本隼が入った。
表彰台に立つ上位3名。愛三工業レーシングチームは、2位、3位を確保した
前レースで連勝を上げたチームブリヂストンサイクリングだが、この日は3名のみでの参戦だった。厳しい展開を受け、「3人で固まって力を溜めていよう」と話し合ったと言うが、最終局面まで残れたのは、岡本勝哉1人のみだった。
「スプリントには自信があった」と語るルーキーは「最後のペースアップに必死で食らいつき」、「最後の登りさえ耐えられれば、自分にも勝利はあると信じていた」とレースを振り返る。「前方に位置したまま、愛三の選手の後ろにつけて登り切った時に、勝ちを確信した」と、自信をみなぎらせた。
個人総合首位は、岡本隼が奪取し、U23の首位は、今回を勝利した岡本勝哉の手に移った。
次戦は、4月29、30日に開催される東日本ロードクラシック。同じく「ゴールド」に位置づけされる重要なレースだ。上位2名のポイント差はまだ小さく、連戦の結果次第で上位陣が入れ替わる可能性も大いにあるだろう。3連勝のチームブリヂストンサイクリングの快進撃は、まだ続くのだろうか。
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【結果】
Jプロツアー第5戦・西日本ロードクラシック・播磨中央公園ロードレース
1位/岡本勝哉(チームブリヂストンサイクリング)3時間52分41秒
2位/草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)+0秒
3位/岡本隼(愛三工業レーシングチーム)
4位/入部正太朗(シマノレーシング)
5位/岩田聖矢(弱虫ペダル サイクリングチーム)
【Jプロツアーリーダー】
岡本隼(愛三工業レーシングチーム)
【U23リーダー】
岡本勝哉(チームブリヂストンサイクリング)
画像提供:JBCF(一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟)
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【Jプロツアー2023・レポート】
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