2023さいたまクリテリウム

終盤に向け、レース全体の速度が上がり、緊張感が漂い始める。そんな中、再度フルームが飛び出し、横山航太(シマノレーシング)、ベルナルと先行を始めた。
フルーム、エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ)、横山航太(シマノレーシング)が抜け出す ©Yuzuru SUNADA
ここから横山は遅れたが、集団からサガンが一気に加速、フルームらに迫った。先行する2名に合流するかと思われたが、サガンはそのままスルスルと追い抜くと、単独での先行を始めた。フィニッシュに向け、始まったビッグネームたちの動きに、会場のボルテージは上がる。
ペテル・サガン(トタルエネルジー)はフルームらをかわし、単身トップへ躍り出ると独走態勢に入った ©Yuzuru SUNADA
このサガンの動きに反応したのは、ポガチャルだった。キレのあるアタックを繰り出し、集団から飛び出した。世界3大ツールのひとつであるブエルタ・ア・エスパーニャを今年制したセップ・クス(ユンボ・ヴィスマ)がポガチャルに食らいつき、共にサガンの追走に入った。
2名はサガンに合流すると、3名の集団となり、最終周回へ。
ポガチャル、クス、サガンの3名の先行に会場のボルテージは最高潮に達した ©Yuzuru SUNADA
ここからクスがアタックを仕掛ける。サガンは付いて行くことができず、脱落したが、ポガチャルは、きっちりとクスを追い、2名先行で最終局面へ。優勝は1対1のゴール勝負で決することになった。
最後の登坂でポガチャルが先に仕掛け、そのままぐんぐんと加速していく。クスはこの動きに反応しきれず、差を詰めることができなかった。ポガチャルは単独で先行すると、両手を上げ、悠々とフィニッシュラインに飛び込んだのだった。
クスを振り切り、両手を上げてフィニッシュラインに飛び込んだポガチャル ©Yuzuru SUNADA
3位にはサガンが入り、表彰台を確保した。
カヴェンディッシュは4位に入り、積極的に動いたフルームは敢闘賞を獲得している。
ポガチャルは「日本で優勝することができて、信じられないくらいうれしい」「忘れられない思い出となり、日本、さいたまが好きになりました」と、笑顔で喜びを語った。
優勝したポガチャル、2位のクス、3位のサガンという超ビッグネームが並んだ表彰式 ©Yuzuru SUNADA
満面の笑みで「ヌゥ」のぬいぐるみを掲げポイント賞の表彰台に立つカヴェンディッシュ ©Yuzuru SUNADA
チッコーネは山岳賞を獲得 ©Yuzuru SUNADA
サガンの引退セレモニーが行われ、盟友フルームが花束を贈呈した ©Yuzuru SUNADA
今年の人出は、昨年度より格段に多く、さらなる盛り上がりを見せていることを感じさせた。来年は10回目の記念大会。どんな大会となるのか、また、さいたま市がこの大会を軸に、どのような盛り上がりを見せるのか、とても楽しみだ。
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【結果】
J:COM presents 2023ツール・ド・フランス
さいたまクリテリウム
クリテリウムレース
1位/タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)1:23:03
2位/セップ・クス(ユンボ・ヴィスマ、アメリカ)+0:01
3位/ペテル・サガン(トタルエネルジー、スロバキア)+0:16
4位/マーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザフスタン、イギリス)+0:20
5位/アクセル・ザングル(コフィディス、フランス)
その他の特別賞
【ポイント賞】
マーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザフスタン、イギリス)
【山岳賞】
ジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック、イタリア)
【ヤングライダー賞】
タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)
【敢闘賞】
クリストファー・フルーム(イスラエル・プレミアテック、イギリス)
【チーム総合成績】
ユンボ・ヴィスマ
※チーム名後に記載の国名は選手の国籍
画像:2023 ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム ©Yuzuru SUNADA、編集部
トップ写真: 道いっぱいに広がり、アンダーパスから上る大集団 ©Yuzuru SUNADA
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