富士山サイクルロードレース2024

ほどなく、この9名は先頭7名に合流し、計16名の先頭集団が形成されることになった。
ここに主要チームはメンバーを送り込んでおり、いったんレースは安定、メイン集団との差は1分以上に開いた。
追走9名が合流し、先頭に16名の集団が形成された
折り返しを越え、後半に入ると、ゴールを狙うチームブリヂストンサイクリングのメンバーが前方に集まり、メイン集団のコントロールを始めた。トラックレースで世界を舞台に戦うメンバーの多いスピードマンチームが全力で牽引を始めたことで、メイン集団のスピ
ードは一気に上昇、先頭との差は詰まり始めた。
チームブリヂストンサイクリングが先頭に集まり、ペースアップを図る
吸収の可能性が高まった先頭集団の中からは、先行し、ペースアップや逃げ切りを狙う動きも出始めたが、レースを左右する動きを打ち出すことはできなかった。
先頭集団が射程圏内に入り、次の展開に備える
ハイペースの展開に先頭集団からも選手がこぼれ落ちていく。先頭は4名となり、メイン集団は先頭を射程圏内に入れ、最後の展開に備え、吸収のタイミングを図っていた。
ラスト4周、集団がついに先行する4名を吸収し、レースは最終段階へ。各チームは最終決戦に向かう体制を固め始めた。
散発的にアタックがかかり、集団は一気に活性化。スプリント勝負を狙うシマノレーシングや愛三工業レーシングチームなども先方に上がり、位置取り合戦を始めた。
激しい攻防戦の中で、最終周回に突入した。
スプリント勝負に向け、各チームが激しく位置取りの攻防を展開する
最終コーナーを曲がり、最初に飛び出したのは前週のレースでキャリア初勝利を上げた寺田吉騎(シマノレーシング)。好調を全力で示すかのようにロングスプリントを始めた。
ここに迫るのは、前回大会の覇者岡本隼(愛三工業レーシングチーム)や、トラックでも活躍する窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)。だが、猛者たちもスピードに乗った寺田の勢いには及ばず、寺田は誰も寄せ付けぬまま、両手でガッツポーズを決めながら先頭でフィニッシュ。自身にとっても、チームにとっても、価値のある大きな勝ち星を上げた。
圧倒的なロングスプリントを決め、勝利をつかんだ寺田吉騎(シマノレーシング)
2位に岡本、3位に窪木が入っている。
寺田は表彰台に立ち「本当に嬉しい」と満面の笑みを浮かべた。袋井市出身で、地元の友人たちも多く訪れる中での会心の勝利だった。「みんなの応援が力になった」と応援への感謝を語ると同時に、チームメイトが先頭集団に入ったことで力を溜め、最後のスプリントに備えられ、さらに的確な牽引で有利にスプリントに備えられた、とチームメイトへの感謝も熱く語った。連勝を決め、チームにとっても幸先のよいスタートとなったことを受け「この好調を維持し、リーグでの年間の総合優勝も狙っていきたい」と抱負を語り、インタビューを締めくくった。
優勝した寺田、2位の岡本隼(愛三工業レーシングチーム)、3位の窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)
敢闘賞の表彰。地元の子どもたち、「かぐや姫」が表彰式を盛り上げる
この日は表彰式まで多くの観客が残り、惜しみない拍手を送った。2日間連続での大通りの交通封鎖を避け、今年は、予選は別コースを利用し、併催イベントも充実させ、地元に大きな負担をかけず、地域がレースを核に盛り上がる形が模索された。これからも、静岡らしい形で、大会が地元を巻き込みながら発展していくことを祈りたい。
年齢性別を問わず、地元の方々、自転車愛好家で会場は終日にぎわった
静岡県を抜ける太平洋岸自転車道のPRブースも好評だった。自転車の総合的な楽しみを提案
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【結果】富士クリテリウムチャンピオンシップ
1位/寺田吉騎(シマノレーシング) 1時間18分24秒
2位/岡本隼(愛三工業レーシングチーム)+0秒
3位/窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)+1秒
4位/草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)
5位/小野寺玲(ヴィクトワール広島)
【周回賞】
山本元喜(キナンレーシングチーム)
山里一心(アヴニールサイクリング山梨)
【敢闘賞】
河野翔輝(チームブリヂストンサイクリング)
画像:富士山サイクルロードレース2024、編集部
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