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2024/08/20

P-Navi編集部

全日本選手権ロードレース(男子)

全日本選手権ロードレース(男子)

ペースアップした集団が13周回目に入ると、増田と宇賀を吸収、先頭は宮崎1名となった。ここで注目の新城が滑って転倒し、左肩を負傷してしまう。


全員が吸収され、再び集団に戻るが、人数はかなり絞り込まれていた


帰国し、単騎でレースに臨んでいた新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)が転倒し負傷

宮崎は単独で先行を行っていたが、スピードを上げた集団に吸収された。ここで、今季絶好調で、2日前のタイムトライアルの全日本選手権を制したばかりの金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)が飛び出す。金子の動きに追随できたのは、昨年のタイムトライアルチャンピオン小石祐馬と山本大喜(ともにJCLチーム右京)、一昨年のJプロツアーを制した小林海(マトリックスパワータグ)のみだった。


4名の先頭集団が形成された

4名の中では、2名を送り込んだJCLチーム右京が有利。レースの経験値という面で言えば、若い金子がもっとも不利であり、日常的にはフルタイムワーカーとして勤務し、クラブチーム所属で、守ってくれるチームメイトもいないまま最終局面を迎えている点でも不利である。
この4名の後ろには、ワールドチーム組の新城と留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)や石上優大(愛三工業レーシングチーム)らが追走で控えている。追いつかれれば、まったく違う展開になる可能性もあり、逃げ切りたいなら、先頭はペースを維持するしかない。山本大喜が先頭交代の中で先頭を引くことを拒否するシーンもあったが、金子中心に先頭を引き、4名の体制をキープしたまま、周回をこなしてしていった。


先頭4名を追う4名。ここには新城と留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)と、世界最高峰のワールドチーム所属選手が2名含まれている

ラスト2周、小林が仕掛けたが、3名はすぐに反応。4名の体制が崩れることはなかった。一方で追走集団からは徐々に選手がこぼれ落ちていき、2名に絞り込まれていた。
厳しいコンディションの中の、残酷なまでにタフなレース。どの選手も激しく消耗されており、この後の後ろからの展開はないと見てよいだろう。事実上、今年の優勝候補はこの4名に絞られた。


小林海(マトリックスパワータグ)が仕掛ける

先頭集団からいったん小石が遅れたが、復帰し、4名の体制で最終周回に入る。それぞれ相手の出方を見ながら、周回を走り、4名のままで最終決戦へ。


最終周回に入り、先頭は牽制し合いながらフィニッシュを目指す。金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)が最も長く先頭に立っていた

まず、小石が仕掛けた。捕らえたところからカウンターアタックが仕掛けられ、遅れたものの、小石は先頭3名に再度合流、そしてそのままの勢いで、3名をかわし、単独でゴールに向かって加速していく。


ゴールスプリントがかけられ、先行した金子に小林が並びかける


金子を交わし、小林が勝利をもぎ取った。死闘の末の勝利に喜びが湧き上がる

小石をかわして金子が加速し、ラスト150m、金子が先頭に立つ。山本大喜はこれに反応できず、小林だけが金子を追って加速して行った。小林は金子を捕らえ、横に並ぶと、金子をかわし、振り切って、高く腕を天に突き上げながらフィニッシュ。自身のキャリアで初めて、全日本エリートのタイトルを手にしたのだった。

2位には金子、3位には山本大喜が入っている。山本は3年連続の全日本選手権表彰台となった。


優勝した小林、2位の金子、3位に入った山本大喜(JCLチーム右京)の表彰台

小林は「めちゃくちゃキツかった」とレースを振り返った。序盤から「信じられないくらい」ペースが速く、終盤、4人になってからもキツく「何も考えることもできないような状態で、レースをこなしていた」「勝てると思っていなかった」と謙遜する。最後金子に並んだ時、先着できるという体感はあったという。体調不良や故障もあり、不調が続いていたが、2年ぶりの勝利。喜びが湧き上がるような笑顔を浮かべていた。
タフなコースに、強風と荒れた路面コンディションの中、非常にきびしい展開となった男子エリート。完走は19名だった。

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【結果】
全日本選手権ロードレース2024
男子エリート

1位/小林海(マトリックスパワータグ)4時間47分25秒
2位/金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)
3位/山本大喜(JCLチーム右京)
4位/小石祐馬(JCLチーム右京)+10秒
5位/石上優大(愛三工業レーシングチーム)+1分4秒

◆全日本選手権ロードレース(女子)のレポートはこちら

画像:Satoshi ODA

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