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2024/01/16

P-Navi編集部

【オート】2023年グレード戦線プレイバック

【オート】2023年グレード戦線プレイバック

青山周平がSGスーパースター王座決定戦で記録ずくめの優勝を果たして、2023年オートレースのグレードレース戦線は幕を閉じた。SG開催に限れば、前半戦は鈴木圭一郎が2V、後半戦は青山周平が3Vと、2023年も両者が強さを見せつけたシーズンとなった。G1戦では、佐藤摩弥、中村杏亮、長田稚也、佐藤励が初優勝を達成。立ちはだかる大きな壁を打ち破り、2024年はSG初制覇まで手が届くのか、期待はさらに高まっていく。
スピード、スタート、テクニック、そして勝負を左右する、いくつもの選択。青山周平、鈴木圭一郎の2強を中心に、激闘が繰り広げられた2023年のグレード戦線を振り返る__。

※競輪の2023年グレード戦線プレイバックはこちらからご覧ください。

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2023年2月22日~26日 浜松オート
第36回SG全日本選抜オートレース

10周回・良走路・0mオープン戦
1/鈴木圭一郎(浜松32期)3.27
2/中村雅人(川口28期)3.31
3/金子大輔(浜松29期)3.30
4/永井大介(川口25期)3.32
5/佐藤摩弥(川口32期)3.29
6/荒尾聡(飯塚27期)3.35
7/伊藤信夫(浜松22期)3.29
8/中村杏亮(飯塚33期)3.30


優勝:鈴木圭一郎(浜松32期)
開催レポート

2023年のオートレースのSG開幕戦となったのは、2月浜松での第36回全日本選抜。
前年12月のSGスーパースター王座決定戦を制した鈴木圭一郎が、地元SGでも、勢いそのままにスピードを連日見せつけて、初日からただひとり4連勝で優勝戦へ進出した。また、準決勝戦では大会連覇を狙う青山周平に対して、中村杏亮が捲りで逆転して2着に入り、SG初優出を決める金星をあげた(青山は3着で優出漏れに)。
優勝戦は、枠番選択1番目で獲得した1枠から鈴木圭が、試走3.27の一番時計をマーク。そのスピードをフルに発揮して、10周回を逃げ切り、全日本選抜は4年ぶり5回目、SGはスーパースター王座決定戦から連続制覇を果たした。
なお、開催4日目の準決勝戦で永井大介が史上12人目の通算1300勝を達成した。

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2023年3月17日~21日 山陽オート
特別G1共同通信社杯プレミアムカップ

8周回・湿走路・0mオープン戦
1/金子大輔(浜松29期)3.67
2/青山周平(伊勢崎31期)3.71
3/高橋貢(伊勢崎22期)3.69
4/荒尾聡(飯塚27期)3.67
5/篠原睦(飯塚26期)3.69
6/鈴木宏和(浜松32期)3.71
7/若井友和(川口25期)3.66
8/松尾啓史(山陽26期)3.70


優勝:荒尾聡(飯塚27期)
開催レポート

青山周平が初日から3連勝を決めるも、準決勝戦では荒尾聡の巧腕の前に2着で連勝ストップ。また、前月にSG全日本選抜を制した鈴木圭は、準決勝戦でスタート後手を踏み、まさかの敗退。さらに最終日は、湿走路にコンディションが変わり、一転して激戦模様となった。枠番選択の段階から、湿走路を見越した各選手の戦略が垣間見られた優勝戦。内枠から青山、金子が先制するも、荒尾聡が両者を捌いて、独走態勢に持ち込み優勝。意外にも、プレミアムカップは初制覇となった。SS王座決定戦トライアルの優勝戦ポイントは、順に荒尾、金子、青山が獲得。
また、G1最多優勝記録更新(現在は28回で最多タイ)がかかる高橋貢だったが、5着に終わり、記録更新には至らなかった。

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2023年4月25日~30日 飯塚オート
SG第42回オールスターオートレース

10周回・良走路・10mオープン戦
1/角南一如(山陽27期)3.33
2/西原智昭(伊勢崎28期)3.31
3/篠原睦(飯塚26期)3.31
4/佐藤摩弥(川口31期)3.29
5/荒尾聡(飯塚27期)3.28
6/金子大輔(浜松29期)3.30
7/鈴木圭一郎(浜松32期)3.27
8/青山周平(伊勢崎31期)3.28


優勝:鈴木圭一郎(浜松32期)
開催レポート

2022年から6日制シリーズへと変更されたオールスター。2023年は飯塚を舞台に、消音マフラーでのナイター決戦として、ファン投票を中心に選出された96名の激戦が展開された。
初日のスターセレクションは、SG連覇中、オールスターも連覇中の鈴木圭一郎が制して好発進を決める。ポイントとなったのは、湿走路の対応が問われた準決勝戦。鈴木圭、青山周平の2強をはじめ、地元エースの荒尾聡ら実力者がしっかりと優出。優勝戦は、湿走路をクリアした8名による10mオープン戦の構成となった。
最終日は、天気も走路も回復。西原智昭がスタートからレースを作る中、4番手から追い上げた鈴木圭が8周回目に先頭に立ち、SG3連続優勝&オールスター3連覇を同時達成。「整備に無我夢中で(3連覇を)忘れていたのが良かったのかも」と、マシンを仕上げて、一番人気に応えた。女子レーサー初のSG制覇がかかった佐藤摩弥は、追い上げるも準優勝。これまでのSG優勝戦では最高着で、いよいよ偉業達成も現実味を帯びていった。

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2023年8月10日~15日 伊勢崎オート
SG第27回オートレースグランプリ

10周回・良走路・0mオープン戦
1/青山周平(伊勢崎31期)3.30
2/篠原睦(飯塚26期)3.35
3/鈴木宏和(浜松32期)3.30
4/黒川京介(川口33期)3.30
5/鈴木圭一郎(浜松32期)3.28
6/中村雅人(川口28期)3.32
7/金子大輔(浜松29期)3.32
8/佐藤貴也(浜松29期)3.34


優勝:青山周平(伊勢崎31期)
開催レポート

シリーズの話題を集めたのは、今回も鈴木圭一郎と青山周平の2人。鈴木圭はこの開催まで、SGを3連続優勝中で、過去に獲れていないSGは、このグランプリのみ。そして、6日制に変更された2022年のグランプリを完全制覇した青山。SGグランドスラムか、地元でグランプリ連覇か。両者とも準決勝戦を1着突破して、枠番選択では青山が先に1枠を選ぶと、鈴木圭は5枠を選び、決戦の日を迎えることに。
良走路で迎えた優勝戦は、1枠から青山が最高のスタートを切り、逃げ態勢に持ち込むと、後続の争いを尻目に、10周回を逃げ切って大会連覇を達成。今回は地元から唯一のファイナリストとなったが、「絶対に守るんだという気持ち」で、見事に地元ファンの声援に応えた。一方、鈴木圭のSG連続優勝は「3」でストップ。SGグランドスラムも持ち越しとなった。

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2023年9月14日~18日 浜松オート
特別G1共同通信社杯プレミアムカップ

8周回・良走路・0mオープン戦
1/黒川京介(川口33期)3.33
2/有吉辰也(飯塚25期)3.36
3/中村雅人(川口28期)3.34
4/木村武之(浜松26期)3.34
5/青山周平(伊勢崎31期)3.31
6/鈴木宏和(浜松32期)3.35
7/佐藤貴也(浜松29期)3.34
8/佐藤摩弥(川口31期)3.39


優勝:青山周平(伊勢崎31期)
開催レポート

9月に入っても気温は下がらず、おもに熱走路でシリーズが展開。鈴木圭が開催前に欠場で、青山の一強ムードが強まる中、優勝候補に名乗りをあげたのが黒川京介だった。初日から破竹の4連勝で優勝戦に駒を進めて、枠番選択で1枠をゲット。青山は選択順通りに5枠に入った。
オート界のスタート巧者がそろった優勝戦は、黒川が最内から先制を決めるも、好位置につけた青山が3周回目に黒川をとらえると、そのまま振り切り優勝。プレミアムカップは4回目の制覇を決めた。すでに2023年のSGタイトルを持っている青山の優勝で、SS王座決定戦トライアル戦へのポイント争いは、次の日本選手権で誰しもがワンチャンスを狙えるほどの混戦となっていった。

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2023年10月31日~11月5日 浜松オート
SG第55回日本選手権オートレース

10周回・良走路・0mオープン戦
1/青山周平(伊勢崎31期)3.28
2/伊藤信夫(浜松22期)3.31
3/永井大介(川口25期)3.30
4/長田稚也(飯塚34期)3.29
5/鈴木圭一郎(浜松32期)3.26
6/有吉辰也(飯塚25期)3.29
7/佐藤摩弥(川口31期)3.33
8/高橋貢(伊勢崎22期)3.28


優勝:青山周平(伊勢崎31期)
開催レポート

日本選手権も今回から6日制にチェンジ。全レースがオープン戦で行われる「実力ナンバーワン決定戦」は、長丁場への対応力も含めて、さらに実力が問われることに。また、SS王座決定戦トライアルの出場権がかかる最後の戦いになるだけに、一段と熱を帯びたレースが繰り広げられた。
それでも、シリーズの中心を担ったのは、青山と鈴木圭の両雄。鈴木圭は優勝戦までにシリーズ4勝、一方の青山もオール連対で、ファイナル進出を決めてきた。
枠番選択は鈴木圭が1番目に5枠を選ぶと、5番目の青山の順番まで1枠が残るという意外な展開に。また、優出した永井、長田、高橋は、これがSS王座決定戦トライアル戦への勝負駆けとなり、さらなる注目を集めた。
迎えた優勝戦。スタートで永井が3枠から先制するも、青山が2番手に上がり、すぐさまインを攻める。速攻を決めて抜け出した青山は、徐々に後続を引き離して、自身2回目となる日本選手権の連覇を達成。これでSG通算14回目の優勝となったが、浜松では意外にも初制覇だった。また、勝負駆けだった3選手は、全員がポイントを上乗せ、獲得して、SS王座決定戦トライアル戦の出場権を、最終戦で獲得した。

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2023年12月27日~31日 川口オート
SG第38回スーパースター王座決定戦

10周回・斑走路・0mオープン戦
1/青山周平(伊勢崎31期)3.34
2/黒川京介(川口33期)3.34
3/鈴木圭一郎(浜松32期)3.34
4/金子大輔(浜松29期)3.33
5/荒尾聡(飯塚27期)3.40
6/佐藤貴也(浜松29期)3.39
7/中村雅人(川口28期)3.39
8/高橋貢(伊勢崎22期)3.33


優勝:青山周平(伊勢崎31期)
開催レポート

出場権を獲得した16名のみが出場できるスーパースター王座決定戦トライアル戦。さらに、8周戦×4日間の激戦を勝ち抜いた8名が、大みそかの頂上決戦に挑む。
珠玉のトップレーサー同士の対決だが、今大会の話題を独り占めにしたのは、青山周平だった。大会連覇が期待されるも苦しい戦いが続いた鈴木圭、トライアルでトップタイムを計時した黒川京介、トライアル4戦目で勝負駆けを成功させた高橋貢らが決定戦進出を決める中、青山は初日から、ただひとり連勝街道をばく進した。
青山は、2022年の決定戦で1枠から4着に敗れた。「昨年、獲れなかったものを獲りに行こう」という気持ちで、2023年の大みそか決戦も、1枠から勝負をかけた。レースは、スタートこそ黒川に先を越されるが、すぐさま捌いて先頭を奪取。追い上げる鈴木圭を振り切って、優勝のゴールに飛び込んだ。
2年ぶりに5回目のSS王座決定戦を制した青山は、10連勝、最多連勝記録回数の更新、SG完全優勝、2023年賞金王、年間最多勝記録更新、まさに記録ずくめの優勝劇となった。

終わってみれば、2022年に続いて、2023年のSG戦線も、青山周平と鈴木圭一郎の2名のみが優勝を遂げた。
この両者が2023年に同じレースを走ったのは、計10回。そのうち青山が先着したのは8回で、オール掲示板入り。両者のワンツー決着だったのは、大みそかのSS王座決定戦をはじめ、計4回だった。
この2強ムードは、2024年も変わらずに続いていくのか。2023年のSG戦線を賑わした佐藤摩弥、黒川京介らSG初制覇を狙う面々のさらなる台頭や、ベテラン勢の巻き返しはあるのか。
トップレーサーがオーバルコースで激しく火花を散らし、2024年も新たなストーリーが重ねられていくことだろう。

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