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2023/01/10

古性優作

古性優作の「KOSHOW TIME!」Vol.12

古性優作の「KOSHOW TIME!」Vol.12

あけまして、おめでとうございます。大阪100期、古性優作です。
昨年は本当にたくさんの応援、ありがとうございました。
今年も昨年以上の成績が残せるように頑張りますので、また応援していただけたら嬉しく思います。

今年最初のコラムでは、まずKEIRINグランプリ2022を振り返ります。

◆2年連続のグランプリ◆
今回のKEIRINグランプリは2回目の出場でしたが、初めて出場した時も、万全の体調にすることができていたので、その時と同じ調整の仕方で挑み、ほぼ1回目と同じ感覚で入ることができました。開催中の初日に前検日があり、前回は初日に競輪場へ入ることに少し違和感があったのですが、今回は2回目なので、その違和感もなくなっていましたね。

今回のグランプリに向けて、脇本雄太さんが大阪に来てくれて、一緒に訓練をさせてもらいました。福井は雪も降りますし、グランプリの調整をするために、大阪で練習することで、万全にできるのではないかということで、やっていただいた感じです。今まではコロナ禍で、なかなか一緒にできなかったということもありますが、それを言い続けていては、できないまま。期間は3日間くらいを2回で、全部一緒に練習するというわけではなく、僕は僕で調整する部分もあり、脇本さんは脇本さんでトレーニングをするという形。お互いの調子を見ながら、本当に良い練習ができたたと思います。脇本さんが来てくれたことで、トレーニングの方法だったり、勉強になることが多く、自分にとっても、すごく身になりました。

◆グランプリを迎えるまで◆
競輪場に入ってからは、指定練習など、自転車に乗れるときは全部、乗りました。ここでも、1回目の出場の時と同じ過ごし方ができたと思います。ただ、1回目は近畿が僕ひとりで、単騎だったので、自分の力を出し切ることだけに集中していました。でも、今回は脇本さんがいます。自分の力を出し切ることはもちろんですが、追走や自分の仕事をすることがプラスアルファされたので、そこは難しかったです。それでも、脇本さんの番手は、今まで何回も付いているので、いつも通りを心がけていました。
1回目のグランプリは本当に心細かったですが、今回は最強のの味方と一緒に走ることができる。とにかく、そこは心強かったです。
グランプリ当日を迎えるまでも、ただ流れに身を任せていました。気持ちは上げようと思って上がるものではなく、勝手に上がっていくものだと思っているからです。競輪場に入ってしまえば、そこから強くなることもないので、あとは気持ちの問題。今回も、良い精神状態で、グランプリ当日に挑めたと思います。

◆レース道中◆
初手なども決めていませんでした。もし、スタートでけん制があれば、脇本さんとアイコンタクトして、誰も出ないようなら出る、それくらいの感覚。後ろからのレースになって、まず、早めに松浦(悠士)君が動いていったのが、分かりました。あの瞬間は、「さすがだな」という思いでした。そこから、すんなり新田(祐大)さんも引きましたが、実は、そこから先はあまり前団は見ていなかったです。新田さんがすぐ追い上げに行った様子はなかったですが、そのあたりから脇本さんの後輪だけに集中していました。

そして、打鐘過ぎに脇本さんが仕掛けていきます。前が踏み上がっていて、新山(響平)君のダッシュでパラパラと口があいているところを目掛けて踏んで行ったので、後ろに付いていても、メチャクチャきつかったです。脇本さんは「ここしかない」というタイミングでの仕掛けで、今まで付いた中でも、ベストの強さ。後ろに付いている僕も一杯で、付いていても苦しかった感じでした。それもそのはずで、レース後にタイムを見たら、夏のバンクのようなタイムを出していました。

脇本さんが良いレースしてくれましたし、出切ったら自分が仕事をしようと思っていたのですが、今回はその必要がないくらい、脇本さんがかかっていました。一番人気にもなっていましたし、千切れずに付いていけたことは良かったのですが、最後にかわせなかったのは、本当に悔しかったです。脇本さんが、ただただ強かったです。

◆近畿地区を盛り上げるために◆
今まで、たとえ脇本さんと別で戦っても、勝負できるくらいの自力をつけたい。それくらいの自力をつけることで、脇本さんと連携した時に、より良い連携ができると思い、取り組んできました。タイトルを獲った年から、ずっとその気持ちでやってきたことが、良かったのかなと思っています。もちろん、それでも今回かわすことができなかったのは、悔しい思いがありますが……。今までと気持ちは変わらず、これからも頑張っていきたいと思っています。
昨年は村上義弘さんが引退されて、それからは心細い部分もありました。でも、だからこそ、村上さんが見ていて、安心できるようなレースをしたい、そう思っていました。グランプリは、僕か、脇本さん、どちらかが優勝しないといけないと思っていましたし、村上さんが引退されて、「近畿勢の力が落ちた」とは思われたくありません。
近畿勢の層は、他の地区に比べると、まだまだ薄いと思っています。競輪は追い込み選手ではなく、自力選手が育っていかないことには、地区も活性化していきません。しっかりした自力選手の底上げをすることで、地区が盛り上がると思っていますが、そのためにも、まずは僕らが、しっかりと頑張るのが大前提。そのうえで、下の世代が育ってきてくれたらと思います。グランプリでは近畿ワンツーを決めることができましたが、また気持ちを切り替えて、頑張っていくだけです。

◆2023年に向けて◆
2022年は良い一年だったと思いますが、2023年は昨年以上の活躍ができるように、さらに頑張りたいと思っています。グランプリでは力の違いを感じましたし、これから取り入れたいトレーニングも、まだまだあります。グランプリが終わってからも、リラックスしつつ、しっかりとトレーニングをしている段階です。より一層、良い成績が出せるように頑張りますので、今年もよろしくお願いします。

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【過去のコラムはこちら】
古性優作選手コラム「KOSHOW TIME!」
Vol.11「受け継いでいくもの」
Vol.10「初めてのドリームレース」
Vol.9「日本一になるために」
Vol.8「全日本選抜競輪優勝」
Vol.7「グランプリ覇者として」
Vol.6「初のグランプリへ!」
Vol.5「強くあり続けるために」
Vol.4「オールスター優勝報告」
Vol.3「オールスターに向けて」
Vol.2「福井G3優勝しました!」

【略歴】

古性優作(こしょう・ゆうさく)

1991年2月22日生 大阪府出身

2006年から2008年までの3年連続で全日本BMX選手権大会を優勝。
2011年7月に第100期生として岸和田競輪場でデビュー。2014年11月松戸競輪場でS級初優勝すると、2016年12月には地元の岸和田記念でG3初優勝。さらに2021年7月の福井記念で通算6回目のG3優勝。そして8月のオールスター競輪で念願のG1初優勝。KEIRINグランプリ2021では初出場・初制覇の快挙を達成してMVPにも輝いた。22年2月には全日本選抜競輪、さらに6月には地元・岸和田で高松宮記念杯を制覇。あらゆる展開に対応する変幻自在の走りが魅力。

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