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2023/04/27

古性優作

古性優作の「KOSHOW TIME!」Vol.13

古性優作の「KOSHOW TIME!」Vol.13

皆さん、こんにちは。大阪100期、古性優作です。
今は、次の日本選手権競輪(G1)を抜群の状態で迎えるために、しっかりとトレーニングをしているところです。悔いのないレースをして頑張りたいと思います。
今年2回目のコラム。まずは、今年ここまでを振り返りたいと思います。

◆2月全日本選抜競輪まで◆
今年は年始から、脇本(雄太)さんと連携する機会が増えてきました。そして、連携回数が多くなればなるほど、力の違いを感じることが多くなっています。自分も、このままではダメだと思っていたところがあったので、ずっと下準備をしており、2月の奈良記念から、自転車の乗り方を変えました。変更点は、映像を見ても分からない範囲なのですが、今までやってきたこと、積み重ねてきたことが、乗り方を変えたことで繋がってきたと思っています。
奈良記念は2日目に、お客さんに迷惑をかけてしまいましたが、奈良で掴むことができたことを、またトレーニングに活かして、感触自体は良くなっていました。

そして、今年最初G1の全日本選抜競輪。調子はいいはずでしたが、高知バンクが特殊なせいか、自転車が踏んだ以上に進まず、そこは気になっていました。それでも、決勝は、脇本さん、そして三谷(竜生)のおかげで、優勝することができました。決勝を近畿3人で連携できたことが大きかったですし、優勝はそこに尽きると思います。
今年最初のG1で優勝できたことで、グランプリの出場権を取ることができました。最初に出場権を取っておくと、精神的には楽になりますので、そこはホッとしています。ただ、それはそれとして、またしっかりと頑張らなくてはいけない、という気持ちになりました。

それは、改めて脇本さんとの格の違いを、ものすごく感じたからです。
脇本さんが日本で一番強いことは間違いないこと。でも、その強さは、別格で抜けています。同じ選手として、脇本さんの走りを見ていると、ひとりの人間が走っているのではなく、何人分もの力が合わさっているかのように感じます。後ろに付いていても、前で何人もの選手が、次々に発進していくような感覚です。それが、ひとりでできてしまう。
さらに、連携を重ねれば、重ねるほど、ひとつひとつの走りの違いが分かり、その分だけ差を感じます。今までは、これほど連携を繰り返すことがなかったのですが、今は、踏み直し方のバリエーションだったり、脇本さん引き出しの多さを特に感じています。想像以上で、凄みしかありませんでした。

◆3月ウィナーズカップ◆
全日本選抜の後は、大垣記念とウィナーズカップ。ここは、日本選手権競輪に向けて、調整をせずに臨んでいきました。普段も調整なしで入ることはあるのですが、この2場所は、キツイ状態ではありました。自分は、開催中に疲労が抜けていくタイプではありません。そのため疲労感はありましたが、筋肉の反応も良くなかったです。例えると、ジャンプをしろと言われたときに、ジャンプがすぐにできない。体が瞬時に反応せず、飛べる気がしない状態でした。

その中でも決勝に進めて、ウィナーズカップの決勝では、僕が脇本さんの前になりました。あの時は、脇本さんから前を任されて、それならば分かりました、という感じです。自分なりに脇本さんとワンツーを決められる自信はありましたが、決勝に関しては、僕の力が足りず、お客さんにも迷惑をかけてしまったと思います。

◆日本選手権競輪に向けて◆
次は5月2日からの日本選手権競輪。プランを組んで、しっかりと追い込んでトレーニングをしています。日本選手権競輪は、もちろん獲りたいタイトルのひとつ。昨年の日本選手権競輪も強い気持ちを持って臨んでいましたが、今年もしっかり頑張りたいと思っています。
気持ちは変わらずに、いつも一緒です。自分のレースをして、悔いを残さないように頑張るだけ。そこは村上義弘さんが、ずっと示してくれていたところでもありますし、自分の中でも原点だと思っています。
昨年は「近畿の年」だったと言えるくらいの一年間でした。そして今年も、その力は十分にあります。また今年も「近畿の年」にしたいと思っていますし、応援してもらえるように、しっかりと頑張ります。

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【過去のコラムはこちら】
古性優作選手コラム「KOSHOW TIME!」
Vol.12「グランプリから新年へ」
Vol.11「受け継いでいくもの」
Vol.10「初めてのドリームレース」
Vol.9「日本一になるために」
Vol.8「全日本選抜競輪優勝」
Vol.7「グランプリ覇者として」
Vol.6「初のグランプリへ!」
Vol.5「強くあり続けるために」
Vol.4「オールスター優勝報告」
Vol.3「オールスターに向けて」

【略歴】

古性優作(こしょう・ゆうさく)

1991年2月22日生 大阪府出身

2006年から2008年までの3年連続で全日本BMX選手権大会を優勝。
2011年7月に第100期生として岸和田競輪場でデビュー。2014年11月松戸競輪場でS級初優勝すると、2016年12月には地元の岸和田記念でG3初優勝。そして21年8月のオールスター競輪で念願のG1初優勝。KEIRINグランプリ2021では初出場・初制覇の快挙を達成してMVPにも輝いた。22年2月に全日本選抜競輪、6月には地元・岸和田で高松宮記念杯、そして23年2月に全日本選抜競輪と、ここまでG1を4回制覇。あらゆる展開に対応する変幻自在の走りが魅力。

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