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2023/11/17

岩井範一

グランプリを見据えた思惑

グランプリを見据えた思惑

いよいよ、今年最後のG1競輪祭が目前に迫ってきた。すでにタイトルを獲って出場を決めているのは、古性優作、山口拳矢、眞杉匠の3人。獲得賞金は佐藤慎太郎、松浦悠士は当確。清水裕友も安全圏に入ったと考える。残りのイスを3人と考えた場合だが、競輪祭でニューチャンピオンが誕生したと仮定すれば、残りは2枠。賞金で言えば、7位の深谷知広が約8,400万、8位の脇本雄太が約8,200万、9位の新山響平が約7,800万円。10位の新田祐大は約6,600万円なので、競輪祭優勝か、準優勝で他の結果待ちか。

8月のオールスター競輪で落車し、大ケガを負った脇本が、四日市記念で復帰した。初日特選こそ、三谷竜生に差されはしたが、二次予選、準決勝は圧勝。さすが脇本と思わせた。現在の賞金ランクを考えれば、どうしても優勝して、深谷を抜きたかったところだろう。決勝も圧倒的な人気を集めたが、終わってみれば、後方からの捲り不発で、まさかの9着。中団から先に捲った浅井康太の前に屈した。前の3日間とは別人のような動きで、車券を勝負していた当方も、言葉さえでないほどであった。

どうして脇本は負けたのか__?
いろいろと考え方はあるだろう。浅井が強かったのもそうだが、筆者が見て感じたのは、本当に勝手な意見ではあるが、張られることに恐怖を覚えたのではなかろうか? 並走になった時もそうだろう。ましてや、勝ち上がりとは、決勝はメンバーも違う。

四日市競輪開設72周年記念決勝レース

脇本の次走は競輪祭で、F1やG3とはレベルが違う。ブロックひとつにしても、一流レーサーは一発で止められる技術を持っている。脇本としては、それらを克服できるかだろう。どうしてもオールスター競輪がフラッシュバックしてしまうと思う。ただ、競輪祭前に一度でもG3を走ったことは、必ずやプラスになるはずだ。開催もナイターであり、これも競輪祭と同じ。起きる時間、ウオーミングアップする時間等、確かめられたのではないだろうか。こういった点では、脇本にプラスに働くであろう。気持ちの問題にしても、KEIRINグランプリ、S級S班がかかる現状では、克服できると期待したい。

それでは、競輪祭の本命は誰なのか? 筆者は新田祐大を推したい。安定味はないが、あの爆発力は捨てがたい。関東勢も、眞杉ひとりでは心許ない。平原康多がどうにか勝てるような作戦があるかもしれない。そして、近畿だが、脇本、古性が勝ち上がった場合に、古性が前を回るパターンがあるかもしれないと考えている。この時期になれば、グランプリを見据えた思惑が毎年、渦巻く。それが、競輪祭なのだ。仕事にもよるが、今のところ、決勝は現地で観戦できそうだ。果たして結果はいかに?

新田祐大

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta navi編集部

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