富士スプリングエンデューロ

天気予報が刻々と悪化し、当初は雷の心配だけだったのが、気温も下がり、冷たい雨がたたきつけるように降る事態に。この週は夏日もあったため、春夏の半袖とショーツで訪れた参加者も少なくなく、低温の雨に耐えられない可能性が出てきてしまったのだ。チームエンデューロでは、走っていないメンバーはその場で待機することになるため(この時間が楽しいのだが)、悪天候時は待機者への配慮が必要となる。

ライダーチェンジが行われるピット。にこやかな参加者が多いが、冷えを訴える参加者の姿も
雨は降り止まず、気温が上がらない。これにより、低体温症で走行できなくなる参加者が出てきてしまう。運営側は急遽、ピットビルに暖房の効いた部屋を確保し、来場者に開放した。寒さを感じる方の移動や、体調不良を感じた方に、一旦休むことを勧めるアナウンスが流れた。
11時を回った頃、大会サイドがレースを2時間で打ち切る決断が降りた。「まだ走りたい」という参加者も多かったようだが、レースから脱落していく参加者も増えてきて、この先の参加者、来場者の安全を考えた上での苦渋の決断だった。
11時30分、33分に全カテゴリーのレースが終了となるアナウンスが流れ、表彰台を狙う参加者たちの中に緊張が走る。スタート前から、どこかのタイミングで、突如レースが終了される可能性が周知されており、全員がレース短縮のケースについて考えていたため、混乱は起こらず、粛々とレースはゴールに向かっていった。
厳しい気象状況もあり、集団は小さくなり、多くのカテゴリーで優勝者は決まっていたが、特に入賞者たちが同一集団にいるケースも多く、抜け出すのか、ゴールスプリントに持ち込むのか、表彰台に食い込むための策を練ることになった。残り十数分と告げられた参加者たちは、最後をどう走るのか、頭をフル回転させ、控えのメンバーとコミュニケーションを取り合うことになった。

フィニッシュする参加者たち。キッズライダーの姿も!
11時30分を回り、チェッカーフラッグが振り始められた。「お疲れさまでした!」の声を受けながら、やりきった表情でゴールしていく参加者たち。緊張感に包まれた、各カテゴリーの表彰台をめぐる戦いも、続々と決着が付いていくことになった。
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