第2回富士クリテリウムチャンピオンシップ

3月3日、4日の2日間に渡り、静岡県富士市で「富士クリテリウムチャンピオンシップ」が開催された。これは、国内に存在するプロチームの2リーグ「JBCF Jロツアー」と「ジャパンサイクルリーグ(JCL)」に登録するチーム、さらには日本学生自転車競技連盟から大学生たちがエントリーし、クリテリウム(都市部で開催される小周回レース)の国内チャンピオンを決めるというもの。昨年初開催され、リーグの垣根を越えた「頂上決戦」として注目され、多くの観客を集めた。今年は2回目の開催となる。
早咲きの河津桜が咲き、会場を取り巻くのは、美しい春景色
コースとして使用されるのは、富士市役所が面する青葉通り。1.8kmのコースが用意された。コースは、青葉通りの一部を交通封鎖し、ごく緩やかなカーブはあるが、コーナーはなく、両端に折り返しの180度ターンが設定されたのみのシンプルなもの。ほぼ平坦だが、ゴールに向けては軽く上る設定になっている。スタートゴール近くに位置する中央公園に大会のメインサイトが設けられた。
青葉通り上に設営されたコースの両端には180度ターンが設定される
大会は2日連続で開催され、1日目は、選手らを3組に分けた予選が開催され、各組の上位25名が翌日の決勝にコマを進めることになる。
この予選が、大波乱の幕開けとなった。
ロードレースでは、集団でゴールした場合は、順位を求めて起きるクラッシュを回避するために、全員が同タイム扱いとなる。特にクリテリウムでは、集団ゴールとなることが多いため、順位をほぼ気にしない習慣があった。(※上位にポイントなどが付与される場合を除く)。
この予選では、25番までにフィニッシュラインを越える必要があるが、25名のゴールは一瞬で終わってしまう。集団内に流れが詰まる場所があれば、その後ろにいた選手は予選を越えられなくなる。そのため、昨年は、力のある選手が多く予選で敗退する結果となった。「予選敗退」の屈辱を避けるため、今年は緊張感が漂うスタートになった。
予選は、同コースを20周する36kmの設定で行われた。1組、2組にはJプロツアーとJCLの選手が混合で、3組には学生たちと、選手を振り分けての開催となった。もっとも強豪チームが多く、激戦となることが予想された1組には、昨年のチャンピオンであり、現在Jプロツアーのリーダージャージを着る岡本隼(愛三工業レーシングチーム)がエントリー。他、強豪チームが含まれた。
強豪チームが多く含まれた予選第1組
1日目から、会場には多くの観客が足を運んでいた
河津桜が晴天に映える
最後は大集団のスプリントとなったが、危険を回避した岡本が、踏みとどめ、予選で敗退する事態になった。レース中にも接触や転倒が起きており、リーグで首位を走る立場から、安全を重視したのだろう。他にも、強豪チームから、昨年全日本選手権で2位になった新城雄大(キナンレーシングチーム)や安原大貴(マトリックスパワータグ)らも、25名に入れず、予選敗退となっている。この「25名」を分けるのは、当然1秒にも満たない一瞬であり、予選を切り抜けるには、集団内でどこにどう位置するか、その点が非常に重要だと言えよう。
1組のフィニッシュは、集団スプリントに。ほんのわずかな位置取りの差が、予選通過の明暗を分けることに
この波乱を受けてスタートした2組には、宇都宮ブリッツェン、チームブリヂストンサイクリングなどが参加。クリテリウムに強く、昨年のJCLチャンピオンの小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)やトラックのネイションズカップでエリミネーションの金メダルを獲得した橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)らが注目を集めた。今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)ら4名が抜け出し、まず決勝進出を決めたが、ここでも橋本が予選で敗退するという番狂わせが起きてしまった。
予選3組の大学生の選抜レースを終え、1日目は幕を下ろした。
大学生のレースも集団スプリントで決することになった
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