TOP > コラム > 古性優作の「KOSHOW TIME!」Vol.11

コラム

一覧へ戻る

コラム

2022/11/19

古性優作

古性優作の「KOSHOW TIME!」Vol.11

古性優作の「KOSHOW TIME!」Vol.11

こんにちは。競輪選手の大阪100期、古性優作です。
次は22日から小倉競輪場で開催される朝日新聞社杯競輪祭に出場します。後半戦は落車で迷惑をかけてしまいましたが、競輪祭でしっかりと取り返せるように、頑張りたいと思っています。

◆落車の影響◆
まず共同通信社杯の準決勝で落車をしてしまい、お客さんには大変な迷惑をかけてしまいました。しかし、あの落車があったからこそ、何かを掴んだ感覚もあります。
落車では左手の指を4本ケガして、1本は腱が切れてしまい、骨まで見えてしまう状態でした。右利きなので、ケガをしたのが左手だったのは、不幸中の幸い。でも、風呂に入る時や、壁に少し触れただけでも、指の可動域が全然ないので、想像以上に曲がってしまって、すごく痛んだりと、日常生活でも苦労しました。
もちろん、指のケガだったので、最初の1週間から2週間は、自転車のハンドルも全くというほど握れませんでした。そこで、トレーニングの仕方や、体の使い方を見直すことにしました。ハンドルを握れなかった期間に、トレーニングを変えたこと。その影響で、普段は使っていなかった筋肉がよく動くようになり、ケガが治り、いつものようにハンドルが握れるようになったとき、前よりも「一体感」が出るようになりました。寛仁親王牌の前には、少しずつ良い感覚が生まれてきていたと思います。
自転車もすごく出るようになってきており、トレーニング内容もこのまま変えずにいこうと思っていますが、そのトレーニングの影響で、最近は疲れも出てきているのかなと感じているので、いかに疲れを抜くかを今は考えています。

◆村上義弘さんの引退◆
引退を知ったのは、皆さんと同じタイミングだと思いますが、ニュースの記事が出た時でした。自分の中では、お話していた時の雰囲気から、もしかしたら、そろそろ引退されるのかもしれない、と感じる時期があったため、「ついに、その時が来てしまった……」という思いでした。

村上義弘さんと初めて会ったのは、合宿に参加させてもらった時だったのですが、とにかく最初は怖い存在。それに、信じられないほど練習をしている姿を見て、ただただ凄いな……という印象でした。
思い出はたくさんあります。僕は2013年の7月の小松島記念がS級のデビュー戦だったのですが、レースで捲りの展開になってしまったときに、村上さんからいろいろとアドバイスをいただきました。先を見据えて、何年単位でやっていくのか。そして、計画的に得ることの大切さを教えてもらい、選手として、これから自分はどうしたらいいのかが見えてきました。あのときの言葉があったからこそ、今の自分が作られていったと思います。

そして、村上さんが、ずっと近畿の競輪というものを作ってきました。競輪はお客さんが命の次に大事なお金を賭けて成り立っているので、まずはそこをしっかりと考えつつ、たとえ外れたとしても、納得してくれるレースをする。本当の力を出し切るレースをする。それを村上さんは背中で見せてくれましたし、悩んでいるときは、言葉でも教えてくれました。自分はそういう存在にはなれないとは思いますが、これからは近畿の選手のひとり、ひとりが自覚や責任感を持って、走っていきたいと思っています。近畿の競輪をしっかりと受け継いで、大事にしていかなくてはいけないですね。

◆競輪祭に向けて◆
競輪祭は、しっかり獲れるように、いつものG1と同じ気持ちで向かう感覚でいます。落車はありましたが、今はケガも治って、痛いところもないですし、順調に来ていると思います。年末にはKEIRINグランプリもあるので、自分の中では、グランプリに向けたスケジュールも、すでに考えてあります。計画的に、風邪などを引かずにやっていくだけです。
昨年のこの時期は、近畿でグランプリが決まっていたのは自分だけ。心細かった思いがありましたが、今年は脇本雄太さんという強力なパートナーがいます。脇本さんとともに、お客さんが喜んでくれるレースが出来たらいいなと思います!

***************
【過去のコラムはこちら】
古性優作選手コラム「KOSHOW TIME!」
Vol.10「初めてのドリームレース」
Vol.9「日本一になるために」
Vol.8「全日本選抜競輪優勝」
Vol.7「グランプリ覇者として」
Vol.6「初のグランプリへ!」
Vol.5「強くあり続けるために」
Vol.4「オールスター優勝報告」
Vol.3「オールスターに向けて」
Vol.2「福井G3優勝しました!」
Vol.1「地元G1で一番の景色を」

【略歴】

古性優作(こしょう・ゆうさく)

1991年2月22日生 大阪府出身

2006年から2008年までの3年連続で全日本BMX選手権大会を優勝。
2011年7月に第100期生として岸和田競輪場でデビュー。2014年11月松戸競輪場でS級初優勝すると、2016年12月には地元の岸和田記念でG3初優勝。さらに2021年7月の福井記念で通算6回目のG3優勝。そして8月のオールスター競輪で念願のG1初優勝。KEIRINグランプリ2021では初出場・初制覇の快挙を達成してMVPにも輝いた。22年2月には全日本選抜競輪、さらに6月には地元・岸和田で高松宮記念杯を制覇。あらゆる展開に対応する変幻自在の走りが魅力。

ページの先頭へ

メニューを開く