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2023/12/18

木三原さくら

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

木三原さくら「恋して競輪ハンター」147 Hunting

玉野競輪場では初となるS級ミッドナイトが開催された、12月11日から13日のチャリロト杯。S級ミッドナイトだからなのか、期末という時期からなのか、波乱のレースがA級、S級ともに多く、ミッドナイトらしい『1-2-3で3連単300円』というような結果は、ほぼなく、それどころか、3日間で27レース中、14レースの3連単が万車券、10万円超えの3連単が3回もで
る結果となりました。

その中で、S級戦を優勝したのは、地元の取鳥雄吾選手。開催前から告知画像に写真が載るなど、地元を代表する選手として注目を集めていました。ファンの期待に応える優勝はもちろんのこと、その勝ち方が、またかっこよかった! 決勝戦、前受けから引く展開になるも、打鐘過ぎに巻き返し。番手選手が離れて、裸逃げとなり、別線に番手に入られながらも、駆け切り、ゴールまで押し切っての優勝でした。これはもう強いの一言!
しかも、レース後の優勝コメントでは「前受けから突っ張るつもりだった」とのこと。結果として、考えていたレースはできなかったということで、ご本人からは反省のコメントがでていましたが、それでも、そのあとの落ち着いた走り。地元で優勝の期待とプレッシャーがかかる中、突っ張り先行を考えているというのは、それだけ状態の良さ、そして気持ちの強さ
があるということではないでしょうか。

取鳥雄吾
取鳥雄吾選手(別開催で撮影した写真です)

振り返れば、初日も長野の菊池岳仁選手を相手に突っ張り先行でした。それは菊池選手の仕掛けのタイミングもあったのかなと思っていましたが、そもそも初日から突っ張り先行も組み立ての中にあったのかもしれない、と、あとになって想像が膨らみ、初日のレースを2度楽しむこともできました(笑)。
取鳥選手の持ち味と言えば、一気のカマシ。でも、それだけではないという走りを見せつけられ、CS司会を担当しながらも、大興奮の決勝戦でした。
優勝インタビューの中で、もうひとつ。S班に返り咲いた同級生・清水裕友選手の名前が挙がりました。トップで戦う切磋琢磨できる仲間がいること、淡々とした口調ながらも、高みを目指す取鳥選手の強い想いが感じられて、来年のさらなる飛躍が今から楽しみになりました!

また、このミッドナイト開催は久しぶりにチャリロト専属解説・加藤慎平さんとの放送でした。荒れたレースが続く中、慎平さんの選手心理を読んだ展開予想が、まさにドンピシャ。高配当的中となったレースもありました。
この「選手心理を読む」と言うのは、私も競輪を買うにあたって、大好きな要素です。ただ、やはり、外側からレースを見ているだけでは、想像しきれないところがあるのも現実。3日間、慎平さんの話を聞いて、選手の思考をたくさん勉強しました。

これから年末までの数週間。代謝や点数がかかった勝負駆けの選手はもちろん、今期の締めくくり、来期に向けて、選手たちの思いがどう競走に表れるのか__。たくさんの想像を膨らませていきたいですね。

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【恋して競輪ハンター・過去コラム】
146Hunting「この涙を忘れない」
145Hunting「並びの思惑」
144Hunting「都築巧選手の完全優勝」
143Hunting「私たちのオールガールズクラシック」
142Hunting「オールガールズクラシックG1を終えて」
141Hunting「本命選手にかかるプレッシャー」
140Hunting「競輪は初手」
139Hunting「追いかける優勝車券」
138Hunting「S級ミッドナイト」
137Hunting「何でもできる強さ」

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。
好きな選手のタイプは徹底先行!
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。

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