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2022/10/07

P-Navi編集部

那須高原ロングライド2022

那須高原ロングライド2022

100kmコースは那須を訪問するサイクリストの定番コース。行きは勢いのある緑の中を抜け、那須岳方面に向かい、今回の最高標高地点となる大丸温泉を目指す。標高が上がるにつれて霧が濃くなり、木々の量も減り、雰囲気が大きく変わるため、峠まで上ったという実感をビビッドに感じられる。下りでは、雰囲気は一転し、風情ある那須の温泉街を抜ける。ソフトクリームが絶品の「南ヶ丘牧場」などの人気施設を訪ね、板室温泉など那須塩原市内のスポットをめぐり、道の駅東山道伊王野また緑が豊かで爽やかな那須高原を走り抜ける。走るにつれ、変わる景観を楽しめるし、達成感も非常に大きい。獲得標高として1873m上ることになり、上級者向けではあるが、那須の楽しさが凝縮されたコースで、人気があるのも納得だ。


今年はファミリーの参加者の姿も目立った


40kmの部を無事に完走したファミリー参加の方々。パンクや子供達の転倒などのトラブルもあったが笑顔でゴール。「必ず来年も参加します!」と元気に語ってくれた

今回最多参加者数だった60kmコースは、那須岳までは上らず、厳しい登坂は回避しつつも、ロイヤルロードを走り、人気のエイドをめぐりゴールする、いわばダイジェスト的なコース。「ほどよいチャレンジ」として多くの参加者が笑顔で完走していた。


ちびっこライダーも力強く快走!

名物の豪華すぎるエイドの数も、距離に応じて異なり、フルにエイドを体験したければ、100kmコースが断然オススメなのだ。長距離走ることに慣れていなくても、ひとつひとつのエイドが次の目標となり、エイドを目指して走るうちに走りきってしまう。今年も、再標高地点のエイドでは、利益度外視の「うなぎのおにぎり」が提供されるなど、太っ腹エイドぶりは健在! コロナ禍ということで制約はあったが、那須高原を取り巻くように描かれたルート上では参加者の笑顔の絶えない1日となった。


「選べる」エイドがあるのも珍しい。選ぶ楽しさと、好みのものを食べられることで、参加者には大好評


ゴールも盛り上げてくれるディアボロさん

ゴール後は、地元の牛乳が振る舞われたが、コクがあって甘く、よく冷えていて、感動の味!「牛乳を久しぶりに飲んだ」という方も少なくなかったようなのだが、みな「牛乳がこんなに美味しいなんて」と感動していた。



ふるまいの牛乳を味わうゴール後の参加者

今年のメイン会場には美しい芝生が広がっており、そこにキッチンカーやフードブースが並び、さまざまなグルメを提供するスタイルが試行された。いくつかのキッチンカーは、エイドも担当し、エイドクローズ後にメイン会場に合流した。


ステーキ、沖縄料理、かき氷、コーヒーなどなど、たくさんのフード&ドリンクが並んだ


スタートを待つ参加者、応援の家族、ゴール後の参加者で終日にぎわったメイン会場

走行距離によって、ゴール時間は異なるため、早々に帰ってきたショートコースの方々から順次、ゴール後に改めて食事したり、デザートを楽しんだり、とキッチンカーを利用する方も多く、芝生エリアは会場のクローズタイムまでにぎわっていた。


そろいのジャージでグループ参加し、ともにフィニッシュ。グループの参加も非常に多かった


制限時間内に規定のスポットを通過できなかった場合、参加者はショートカットを強いられる。スタッフが「足切り(タイムアウトで失格にされること)侍」に扮して、そんなマイナスの通達をも楽しませる。この「侍制度」投入後は、無理をしてまで走破を狙わず「笑って斬られにくる」参加者が増えたそうだ


地元のショップのメカニックが連携し、駆けつけ、バイクのトラブルに対応


走行不可能になったサイクリストと自転車を運ぶサイクルタクシー。この日もトラブルがあった参加者をメイン会場に運んでいた

国内の感染状況がなかなか改善せず、対策について話し合いを重ね、開催に踏み切ったという那須高原ロングライド。参加者の満足度が高いことは、ゴール後も帰路に就くのが名残惜しく、会場にのんびりと滞在していた参加者たちの笑顔から明らかだった。


駐輪スペースには、会場での時間を楽しむ参加者たちのバイクがぎっしりと並ぶ


ゴール後も会場を楽しむ参加者

サポート体制も手厚く、那須は恵まれた自然環境だけでなく、サイクリング環境も国内有数と言えるだろう。今年新たに参加した層が、おそらくは来年もまた戻り、来年はコロナ前よりもさらに大きく盛り上がる大会になるかもしれない。イベント以外の日にも、戻って来る参加者も多いのではないだろうか。イベント当日も早朝から働き続けていた主催者たちからは「参加者が楽しめるように」という思いを共有しながら大会を運営していることが、痛いほど伝わってきた。このような地域が増えて行くことを祈りたい。

画像提供:m-wave、編集部

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