TOP > コラム > 鈴木奈央の「自転車ストーリー」Vol.10

コラム

一覧へ戻る

コラム

2022/03/30

鈴木奈央

鈴木奈央の「自転車ストーリー」Vol.10

鈴木奈央の「自転車ストーリー」Vol.10

こんにちは、鈴木奈央です。

だんだんと春の訪れを感じられる季節になってきましたね。私の家の近くも、桜が満開に咲いていて、とても綺麗です! 暖かくなってきたと同時に、花粉も飛び回っていますね……。この時期は、花粉症がひどくて、本当につらいです……。何かいい対策を知っている方がいたら、ぜひ教えてください!(笑) 

今月のコラムでは、まず3月4日から松阪競輪場で行われたガールズトーナメントレースの振り返りをしたいと思います。
6から11レースまでがガールズケイリンで、普段のレースとは違い、42人もの女子選手が集まってレースをしました。私は6レース制の開催に参加したことがなく、今回が初めて。いつもと雰囲気が全然違い、新しい感覚でした。勝ち上がり方法がトーナメント制(※普段の開催は予選を2走するポイント制)だったため、初日から3着以内(4着は6名のうち3名のみ準決勝進出)を取ることが条件でした。初日はかなり落ち着いてレースすることができて、1着ゴール。無事に準決勝へ駒を進めることができました。
2日目の準決勝は2着以内が条件。とても緊張しました……。普段の開催ならば、初日に1着を取っていれば、たとえ2日目が大きい着になってしまっても、決勝に上がることができます。ですが、今回はトーナメント制なので違います。そこで、緊張しすぎてしまいました。結果は3着。3着からは1人だけが決勝に上がれるルールになっており、他のレースの結果待ち。ずっとドキドキでしたが、最終レースの結果で、私は決勝に上がることが叶いませんでした。とても悔しかったです……。「もっと自分のレースをしなくてはいけなかったな」と反省をして、最終日のレースでは、その悔しさを晴らそうと思っていました。
そして、最終日。「落ち着いて、大丈夫」と、自分に言い聞かせながら立ち回り、捲りで勝つことができました。声援も多く、ホッとした気持ちで、このレースを終えることができたと思います。

中距離のナショナルチームにいた頃、スクラッチレースが得意で、大好きでした。その頃の映像を見ていた時、「これは競輪でも生きてくるのかな?」と、ふと思いました。そこで、今までは「自力」というコメントを出していたのですが、スクラッチレースを思い出してからは、レースの組み立てを考えようと思い、最近は「自力自在」とコメントをしています。そうしたことで、心に余裕が生まれ、レースをよく見られるようになりました。まずは、いい位置を取り、そこから自分の行けるタイミングで行く。そこはスクラッチレースに、とても似ているなと感じています。「自力自在」に戦っていく上でも、やはり自力のレベルを上げることが、勝利に近づくことだとは分かっています。その部分は、練習で力をつけていく。そして、レース展開(自在性)については、レースを見るよりも、経験することの方が、体もすぐに覚えると私は思っています。たくさんのレースを走り、どんな展開にも対応できる「自力自在の選手」を、これからは目指していきたいです。

次の3月19日からの京王閣競輪では、初日、2日目と1着を取ることができました。しかし、最終日・決勝は焦ってしまい、期待にお応えすることができませんでした。今は、一つひとつのレースが勉強です。少しずつ成長して、早く良い報告ができるように頑張っていきます!!

次のレースは4月1日からの別府競輪・モーニング開催。久しぶりの九州あっせんなので、とても楽しみです! モーニングを走るのも、3年ぶりくらい。最近は夜のレースが多かったので、少し早起きの生活をして、別府に向かいたいと思います!

(※写真は本人より提供)

***************
【過去のコラムはこちら】
鈴木奈央の「自転車ストーリー」
Vol.9「25歳の誕生日を迎えて」
Vol.8「初めての正月開催」
Vol.7「ひとつの決断」
Vol.6「応援のチカラ」
Vol.5「フランスより」
Vol.4「私の1日ルーティーン」
Vol.3「五輪への思い」
Vol.2「大切な同期との絆」
Vol.1「自転車に乗り続ける理由」

【略歴】

鈴木奈央(すずき・なお)

1997年2月9日生 静岡県出身

ガールズケイリンでは110期生(ガールズ5期生)として日本競輪学校(現:日本競輪選手養成所)に入り、在校1位の成績を上げる。2016年7月に静岡競輪場でデビュー。2戦目の平塚で初優勝を達成した。2021年6月現在、通算9回の優勝。
自転車競技では2017年11月にUCIトラックサイクリングワールドカップ第2戦(イギリス・マンチェスター)において女子チームパシュートに出場、同種目の日本初となる銅メダルを獲得した。

Twitter
Instagram

ページの先頭へ

メニューを開く