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2022/07/29

鈴木奈央

鈴木奈央の「自転車ストーリー」Vol.13

鈴木奈央の「自転車ストーリー」Vol.13

こんにちは、鈴木奈央です。

暑い日が続いていますが、皆様、元気ですか?
私は先日、体調を崩してしまい……前橋ミッドナイトを欠場しました。前回の川崎ナイターから復帰しましたが、まだ本調子まで戻りきっていなかったです……。またすぐに、いわき平ナイター競輪があるので、そこに向けて、切り替えて練習をしています。体調を崩してしまった時は、室内でクーラーを効かせてローラートレーニングをしていたので、外の暑さを体が忘れてしまっていて、川崎では、アップのローラーの時点で暑すぎてヒートアップしてしまいました……。暑さに慣れて、さらに暑さ対策を万全にして、次のいわき平ナイターに参加できるよう、しっかり準備しています。

さて、私は昨年12月に中距離ナショナルチームから離れ、1月から競輪一本に切り替えました。練習方法も変えて、生活リズムもガラッと変わりました。中距離をメインにやっていた時は、3時間から4時間は自転車に乗りっぱなしが普通で、ダッシュ練習はほとんどしていませんでした。競輪開催に参加するのも、他の選手に比べて制限。国際大会に向けての練習や合宿など、中距離練習にフォーカスしていたため、その時は、もっともっと乗り込まなきゃ!と、思いながら練習に取り組んでいました。その一方で、たまに出場する競輪開催では、ガールズケイリンのレベルもどんどん上がっていることを実感。その度に、ダッシュ力が必要であること、瞬発力を上げないと上では戦えない、と常に感じていました。

中距離ナショナルチームを離れてからは、その時に感じていたところを、早く取り組まなくてはと思い、すぐに瞬発的なダッシュ練習に切り替えました。一本、一本に集中して、短時間で全ての力を出し切る。これが大切だとはわかっているのに、なかなかそれが私にはできませんでした……。今まで10年近く中距離練習をメインにしてきたため、ペース配分が体に染みついていたのでしょう。例えば、ポイントレースでは80周で8回ポイント周回があり、8回モガキます。さらに、最終ポイント周回得点が1番高く重要になります。つまり、初めから100%の力を出し切ってしまったら、最後まで勝負することができません。常に80~90%で戦い、最後の8回目のポイント周回で全ての力を出し切る。この中距離で養った能力も、もちろん競輪でも活かすことはできます。しかし、それ以上に瞬発力を上げないと戦えないと感じたので、そこを意識しながら練習に取り組みました。

ポイントレースでは最後の8回目が重要だったので、練習でも最後で良いタイムを出すことが大切でした。中距離のコーチにはいつも「Last one Best one」と言われていましたが、競輪は1本勝負です。練習の1本目に良いタイムを出すことが、望ましいと私は考えています。

初めはそれがなかなか出来ず、3本目や4本目でベストタイムが出たりすることが多くありました。そこで、1本目からレースだと思い、レースをイメージして練習をしていくうちに、段々とできるようになり、今では1本目にベストタイムを出せることが多くなりました。少しずつですが、自分に成長を感じられることがあり、今は練習がとても楽しいです。上位の方々に比べたらまだまだですが、早く追いつけるよう頑張ります!

2022年も後半に入り、残るはあと5カ月になりました。月日が流れるのがとても早く感じますね……。1日、1日を大切に過ごし、レベルアップします。

次は7月31日からのいわき平ナイターに参加予定です。
いわき平競輪場は、他の競輪場と違い、バンクの内側から選手を応援することができます! いつも外側から聞こえる応援が内側からも聞こえる、これには私もびっくりしました。普段より選手を近く見ることができると思います!! ぜひ、現地に来て応援していただけたら嬉しいです。応援よろしくお願いします!!

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【過去のコラムはこちら】
鈴木奈央の「自転車ストーリー」
Vol.12「偉大な先輩の記録」
Vol.11「連戦で学んだこと」
Vol.10「目指すレーススタイル」
Vol.9「25歳の誕生日を迎えて」
Vol.8「初めての正月開催」
Vol.7「ひとつの決断」
Vol.6「応援のチカラ」
Vol.5「フランスより」
Vol.4「私の1日ルーティーン」
Vol.3「五輪への思い」
Vol.2「大切な同期との絆」
Vol.1「自転車に乗り続ける理由」

【略歴】

鈴木奈央(すずき・なお)

1997年2月9日生 静岡県出身

ガールズケイリンでは110期生(ガールズ5期生)として日本競輪学校(現:日本競輪選手養成所)に入り、在校1位の成績を上げる。2016年7月に静岡競輪場でデビュー。2戦目の平塚で初優勝を達成した。2022年7月現在、通算9回の優勝。
自転車競技では2017年11月にUCIトラックサイクリングワールドカップ第2戦(イギリス・マンチェスター)において女子チームパシュートに出場、同種目の日本初となる銅メダルを獲得した。

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