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競輪

2017/09/30

Kimi Kitamura

日本中距離界エースの挑戦!橋本英也(日本競輪学校113回生)

日本中距離界エースの挑戦!橋本英也(日本競輪学校113回生)

「坊主頭は高校生の時以来かな」
中長距離界ではトップに上り詰めたものの“競輪”では新入生からのスタート。
厳しい現実も待っている。
中長距離を専門としてきた橋本の身体は、競輪選手に比べてまだまだ細い。
残り1周もしくは半周で、爆発的な瞬発力を発揮するための肉体改造など、同じトラック競技でも種目の違いで肉体作りも変わってくる。今後は競輪選手、そして競技者として両立できる肉体を模索していくことになるだろう。
さらには新たな挑戦に向けて、揺れる思いもある。
「競技と競輪のパーセンテージはこれから環境の変化もあるだろうし、どちらをメインにしていくかは自分でも今は分からないし、迷いもあります」
2016年秋のオムニアムルール改正で、タイム系種目が廃止されて、ゲーム要素の強いスクラッチ・テンポレース・エリミネーション・ポイントレースの4種目となった。これらのレース系の種目は中長距離でありながらも勝負所でのダッシュや踏み直し、駆け引きなどは“競輪”に通じる要素も多い。このルール改正は橋本の二刀流への追い風ともなりそうだ。
それでは、“競輪”での自信のほどはどうなのだろうか。

「“ケイリン”はガチガチの短距離種目ではないですからね。特に漢字の“競輪”の方だと先行選手であったり、自分の長所を活かした走りができるはず」と、自信も垣間見える。
「“競輪”での目標はやっぱり最終的にはグランプリ。あとは現役を長く続けられる選手になりたいな」
実に自転車好きの彼らしい。

「“競輪”だけにとらわれず色んな活動をしていきたいですね」
「目指すは中野浩一」で、競輪ファン以外の方に競輪選手で誰を知っていると聞かれた時に「橋本英也」と、答えてもらえるような選手になる、それが最終目標だという。

1984年ロサンゼルス五輪の坂本勉(青森57期・引退)のスプリント銅メダルから、2008年北京五輪の永井清史(岐阜88期)のケイリン銅メダル。五輪において日本が自転車競技でこれまで獲得したメダルは全て短距離種目に部類され、中長距離種目でのメダル獲得はない。
競輪選手としてのデビューまではあと9ヶ月で、東京五輪の本番までが残り3年弱。
“競輪”と“五輪”の二刀流を目指す橋本英也の挑戦が始まる。

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文中(*1)2016年秋、ルール改正で種目変更
タイム系種目のフライングラップ、インディヴィデュアルパーシュート、1000mタイムトライアルと、レース系種目のスクラッチレース、エリミネーションレース、ポイントレースに分けられる
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【略歴】
橋本英也(はしもと・えいや)
1993年12月15日生まれ 岐阜県出身
岐南工業高等学校-鹿屋体育大学
高校時代に自転車競技を始め、ジュニア時代から日本代表に選出される
全日本選手権トラック個人追抜き4連覇、2016年アジア自転車競技選手権大会オムニアム金メダルなどトラックレースの中長距離を中心に国内トップ選手として活躍
現在、日本競輪学校(113回生)在校中

Text & Photo/Kimi Kitamura

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