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競輪

2017/10/19

Joe Shimajiri

千葉G3(運営総括)

千葉G3(運営総括)

同じく悪天候続きの影響を受けたと思われるのが、観客動員数である。開催初日から順に、2,372人→2,459人→1,694人→2,862人で、総計9,387人という公式発表。前年から541人プラスではあったが、「ラスト特需」を考えると、やや寂しい印象なのは正直なところだ。もちろん、運営側も様々なイベントを準備しての集客アップを図った。
定番では元選手を集めた名輪会トークショー、レジェンドとも呼べる往年の名選手たちによる千葉競輪場の懐古はオールドファンならずとも必聴の価値ありであった。

その他にはCHIBA LOVES FAIR 2017と、大々的に銘打ち、地域密着を謳ったイベントが正門入口至近のメインステージ、第4コーナースタンドの特設ステージにて。また、飲食店ブースも場内に数多く出店された。ただ、これらは競輪在りきで、足を運んでくれるファンを喜ばせるものであったのか?そう尋ねれば、大半は厳しいながらもノーという答えになるだろう。それでは、新規ファンを積極的に呼び込むものか?という目線でもイエスとは言い切れない。決してパンチの効いたイベントが目白押しという訳ではなく、紋切り型の垂れ流しに近い感は否めなかった。これは今回の千葉記念競輪に限ったことではなく、各競輪場でも言えることではあるし、公営競技以外の他のスポーツでも同様の課題を抱えているに違いない。

逆に集客を抜きにした、日頃から運営側と選手会が力を注いでいる千葉サイクルクラブ(アマチュアやキッズケイリン)によるレース、知的障害者を支援する一環の『愛の競輪』といった恒例イベントの方がはるかに意義は見出だせる。現役の千葉所属選手も誘導員で参加して競輪とも直結。そして、存在と活動をファンに認知させる絶好の機会であり、何よりも未来にも繋がるイベントだ。千葉サイクルクラブ所属のシニア世代は「競技から入っても競輪に興味も出てくる」、「千葉サイクルクラブに入って、競輪選手と接するようになって競輪が好きになった」と。中学3年生の宝田幸太朗さんが「高校卒業後は競輪学校、将来は競輪選手になりたい」そう語れば、キッズケイリンの子供たちは「競輪選手と同じところを走ったよ」と、得意満面の笑み。草の根活動ではあるけれども、これが競輪場におけるイベントの本筋であるように思える。

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