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2023/02/01

P-Navi編集部

プレイバック!スズカ8時間エンデューロ

プレイバック!スズカ8時間エンデューロ

2022年のイベントを振り返る第3弾は、株式会社マトリックスが主催する「第23回スズカ8時間エンデューロ」。カーレースの聖地である三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキット国際レーシングコースを使う自転車の耐久レースで、人気を博し続けている大会だ。2022年で23回目を数えた。
コロナ禍においても、レースの運営やスケジュール構成、ルールに制限や工夫を施しながら、開催をしていたが、2022年はついに仮装や抽選会、表彰式など、このイベントを象徴する要素を復活させての開催となった。とびきり楽しい1日が帰ってきたことを喜ぶ参加者で、大盛り上がりになったこの大会をプレイバックしてレポートしたい。

11月12日、「第23回スズカ8時間エンデューロ」が開催された。会場は鈴鹿サーキット国際レーシングコースだが、安全を確保するため、下りゴールを避け、カーレースとは逆回りでサーキットを使用する。2022年の参加者は約3600人。制限を設けながら開催した前年とは異なり、仲間や家族連れなども、観戦や応援に足を運び、会場は早朝から多くの人でにぎわっていた。この日は晴天に恵まれ、気温も上り、11月とは思えないポカポカ陽気に。日中は、特に汗ばむほどの暖かさだった。レースイベントではあるが、緊張感を持って臨むレースとは異なり、年齢、性別を問わず、リラックスした様子で、この1日を楽しむ方々が多く、会場はのんびりとした心地よい雰囲気に包まれていた。


プロライダーが先頭を引いて走る

もちろん、参加者、スタッフの安全を守るために、前年年と同様、入場時の検温もお願いし、随時手指の消毒やマスク着用の呼びかけなども行われた。リザルトを掲示する代わりに、オンラインで走行者のリアルタイムの順位や走行距離などを確認できるサービス「ラップクリップ」の活用をお願いするなど、新型コロナウイルスの感染症対策は、ぬかりなく行われていた。
レースは昨年と同様、8時間から短縮され、6時間と4時間の2カテゴリーで開催された。私見ではあるが、設定時間により、参加者は走り方を変えてくる。短いからといって、レースが味気ないものになるわけでもなく、様子を見たり、消化のように走ったりする時間が減り、よりエキサイティングなものになるような印象がある。もちろんこれは、表彰台を狙うような層の話であって、参加者の多くは、楽しく走りに来ている。もともと、この大会は参加しやすいこと、走りやすいことで知られており、使用する自転車も、ロードバイク、クロスバイクに加え、小径車も、ママチャリも、リカンベントもOKと幅広い。時間が短くなったことで、参加のハードルがさらに下がったように感じる。


ママチャリも、小径車も、仮装も歓迎!

カテゴリーも細やかに設定され、「がんばり甲斐のある」大会だ。6時間はソロ、ロードチーム、男女混合の3クラス、4時間はソロ、ロードチーム、男女混合、ファミリー、WOMENの5クラスに分かれて競われる。ただ、前年は、表彰式の開催がなく「報われない」という切ない思いもあったことだろう。今年は晴れの舞台も準備された。

そして、2022年もプロロードレースチーム、マトリックスパワータグの選手が勢揃いし、ワールドチームであるEFエデュケーション・イージーポストの中根英登選手もゲストとして参加した。彼らがレースのペースを作り、安全なレース展開へと誘導してくれるため、スキルや経験が違う参加者が同時に走行しても、接触などのリスクを減らすことができ、参加者全員が快適に走れる。プロの選手とともに走りながら、フォームや身体の使い方などを間近に見られるという貴重な機会でもある。


プロのライダーが各カテゴリーの中に入り、様々な集団とともに走って安全を確保

大会には集団走行に慣れていない参加者も多いため、マトリックスパワータグの選手が、試走の時間を利用し、安全走行講習会を開催した。まずはレクチャー、その後に、ともに試走へ出るというものだ。2022年は例年よりビギナー参加者が多く、講習会参加者も非常に多く、真剣にレクチャーに聞き入っていた。

スタートセレモニーを終え、ゲストライダーたちも、自身が担当するカテゴリーへと移動する。まずは、6時間の参加者が、ほどなく4時間の参加者がスタート。いずれも最初の1周目はパレード走行とし、追い越しは禁止されている。


スタートラインにつくゲストライダーと参加者。ホームストレートを埋め尽くすほど集結した

スタート順は任意で、リザルトを狙いたい参加者は早めに整列し、集団の前方を確保、自分のペースで走行を楽しみたい参加者は、少し後ろの方をキープし、スタートラインにつく。今年は参加者数もかなりコロナ前に近づいており、スタートラインが設定されたホームストレートには長い、長い列ができていた。


飛び出していく参加者


スタート後、1周目を管理車両の後方でゆっくりと進む。大集団が走るさまは迫力がある

スタートの号砲が鳴ると、色とりどりのウェアの参加者たちがサーキットに飛び出していく。圧巻の眺めだ。前方はロードバイクが固めるが、特に後方は、クロスバイク、小径車、リカンベント、さらにママチャリとバラエティ豊かなバイクが揃った。今年は例年より小径車や、家族連れなどが多いように感じた。無理やり前に詰めるような参加者は皆無で、混み合うスタートでも接触も生じず、非常に安全なスタートとなった。これも、「フィジカルディスタンス」の確保が刷り込まれたコロナ禍の産物なのかもしれない。


仰向けになった状態で乗る自転車「リカンベント」


親子で走る参加者

パレード区間が終わり、レースがスタートすると、あっという間に表彰台を狙う参加者による先頭集団が形成された。プロのレースさながらのハイペースで、先頭交代をしながら走る参加者たち。ゲストライダーもその中に入り、さらにそのペースを引き上げる。これが第一段階目のふるい落としとなり、この日、先頭を走る参加者が、事実上、ここで選び取られていく。


快調にサーキットを走る

数周走ると、集団の顔ぶれもほぼ決まり、レースは落ち着いていった。サーキット内には異なる脚力、経験値の参加者が同時に走ることになる。そのため、この日は走行の方法をサーキットのコースを4レーンに分ける形で提案されていた。低速の方は最左端を走り、追い越しはこの右側のレーンで行うルールとなる。逆に、右側2レーンは高速ゾーンとなり、先頭集団などプロのレースに近いペースで先頭交代を行うような参加者たちは、もっとも右側のレーンを駆け抜ける。ゲストライダーや、オフィシャルバイクなどが走行管理を行い、随時声かけを行い、接触のリスク回避に努めていた。これがあって初めて、3000人を超える参加者がそれぞれのペースで快適に走れる環境が整うのだ。


ゾーン分けのルールが周知されているからこそ、異なる力量、異なる速度帯の参加者も不安なく走れる



チーム参加では、チーム内で決めたタイミングでピットエリアに入り、ライダーチェンジを行う。リザルトを狙う層にとっては、このタイミングやスムースさもまた、勝つための重要な要素のひとつになる


走行順が来るまで、リラックスして過ごす。この時間も楽しい


芝生エリアでくつろいで休憩する参加者

※パフォーマンス賞や恒例の抽選会も復活!次ページへ続く→

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